原題:The Story of O: Untold Pleasures

壊れるほどに愛されたい…

2001年/アメリカ/カラー/102分/ 提供:マクザム/ハピネット・ピクチャーズ 配給:マグザム

2008年07月25日よりDVDリリース 2004年10月22日よりDVD発売開始 2004年10月08日よりビデオレンタル開始 2004年6月26日より銀座シネパトスにてロードショー

公開初日 2004/06/26

配給会社名 0178

解説



フランス文学界最高のポルノグラフィー小説との誉れ高い背徳の書『O嬢の物語』が、21世紀のロサンジェルスを舞台にゴージャスかつリアルなエロティシズムとともに甦った。自立して現代を生きる、はつらつとした女性カメラマン“O”。ふとしたきっかけで性の奴隷となった彼女は、マゾヒズムとサディズムの洗礼を受け、とめどない苦痛と愉悦の嵐に揉まれ、生まれて初めて味わう快楽にめざめてゆく—。
『O嬢の物語』は、かつて『エマニエル夫人』の巨匠ジュスト・ジャカン監督のメガホンによって映画化(’75年/フランス)され、その高貴なエロティシズムと高い完成度で、今もなお多くのクラシック映画ファンを魅了している伝説の文芸エロス。脚本に推理作家のセバスチャン・ジャプリゾを迎え、ヒロイン“O嬢”を演じたモデル出身のコリンヌ・クレリーが本作で大ブレイクし、後にボンドガールへと進出したのもよく知られているところ。そんなエロスのマスターピースを現代アメリカに置きかえて、今にふさわしいモダン・リメイクを試みたのが『新・O嬢の物語』である。だがジュスト・ジャカンの映画版のリメイクではない。プロデューサーたちは原作の精神をもって忠実に映画化することを望んだ。原作は日本でも故・澁澤龍彦による翻訳の他、いくつかの邦訳本が出版されている女性作家ポリーヌ・レアージュの作。だがこの謎の作者の正体が、20世紀後半の半世紀にわたって、敏腕の編集委員にして著名な批評家、翻訳家であり、また権威ある文学賞の審査員などを務めたフランス文学界の重鎮ドミニック・オーリ女史であったことは、彼女の死の間際ようやく明かされた。そして、死後広く知られる事になったのである。それまでは、この仮面作家の正体は、例えばジャン・ポーランのような男性だと思われていた。’54年の小説発表当時、女性がポルノ小説を読むことは少なく、ましてや女性がエロティック文芸小説を書くはずがない、と推測されていたためである。だが女性の手によって書かれた、傷つきやすく誇り高く、そして敢然と恋する女“O嬢”の生き様こそ、今につながる全ての女性の、愛と性の本音と深奥を生々しく刻印していたのだ。 才能に溢れながら、経済的な理由で写真集出版のチャンスをつかめない女流カメラマン“O”。そこに転がり込んだ恋人の知人スティーヴン卿からの援助の申し出。そこに潜む官能の罠。目隠し、ムチ打ち、猿ぐつわ。拘束され、焼き印を押され、恋人の眼前で陵辱される。レイプ、拷問、仕組まれたレズビアン。キャリアかセックスか—の二律背反を超え調教される日々—。
 新しい“O嬢”には『パワープレイ』のダニエル・シアーディ。大人のオンナのフェロモンを武器に、ヒロインに体当たりで挑んでいる。“O”を調教するスティーヴン卿には『ビグルス・時空を超えた戦士』のニール・ディクソン。ベテランらしい威厳ある存在感で、作品のエロスを重厚にひきしめる。“O”の恋人ルネには「HOLDME,THRILL ME,KISS ME」のマックス・パリッシュが色男を好演。また、ヒロインの “O”にも増して、モデル役の新人ミッシェル・ルーベン(『オースティン・パワーズ:デラックス』)のセクシャルで若々しい美しさは、観客の眼をひきつけてやまないだろう。  製作は『運命の女』(エイドリアン・ライン監督)、「The Seventh Day」(カルロス・サウラ監督)のピエール=リチャード・ミュラー。監督・脚本(ロン・ノーマンと共同)は映画評論家出身、『猟奇!女体採集鬼・悪魔のコレクター』のフィル・レイルネス。ファッショナブルかつエロティック、そしてアートな撮影はフランク・サファートが担当した。その妖しくも華麗な魔性の映像が、苦痛と恥辱を剥ぎ取り、あなたの中に潜む“O嬢”を覚醒させることは間違いない。

ストーリー


“O”(ダニエル・シアーディ)はロスで活躍する、才能あるヌード・アートの女流カメラマンだ。
だが、その芸術性ゆえか、念願の写真集出版は思うように実現しない。でも、彼女は言う。「今はお金より作品的な夢を追求したいの」。
 とある週末、“O”は恋人のルネ(マックス・パリッシュ)に奇妙なデートに誘われる。車の中でパンティを脱ぎ、それをドライバーに渡すよう命じられる。そして、妖しい館に足を踏み入れた。ルネは“O”の腕を縛ってしなやかにムチを打ち、目隠しをすると、別の男に後ろから犯させるのだった。
 暗闇の中で恐怖とともに感じた甘美な恍惚は何だったのだろう。そんな自問を繰り返す“O”は、モデルのジャクリーン(ミッシェル・ルーベン)にSMのポーズをとらせ、シャッターを押した。彼女の写真が、少し変った。
 そんな折り、ルネは例の館で“O”とスティーヴン卿(ニール・ディクソン)を引き合わせる。スティーヴン卿は慇懃に申し出た。「自分の性欲を探れば、君の写真はもっと素晴らしくなる。もし我々のゲームに参加するなら、君の写真集に出資し、出版のあと押しをしてあげよう」。
 血のつながりはないが、ルネとスティーヴン卿は家族同然で何でも分かちあうと言う。“O”さえも共有可能なのだ。
 全身を磨き上げられ、ボディーコンシャスな服に身を包んだ“O”は、女奴隷をムチ打つことを強要された。「命令に従え。そうすれば7つのブレスレットを1つずつ与えよう」。
 スティーヴン卿によって調教される“O”を襲う、めくるめく性の儀式の数々。その体験は、それまで彼女が経験したセックスとは全く異なる世界だった。さらにスティーヴン卿は、“O”にルネと逢う事を禁じるのだった。「これは私と彼との間の契約だ。彼に君への愛などない」と告げられ“O”が見せられたのは、館の女たちと乱交するルネの恥態だった。
 背徳に満ちた性の快楽に溺れる“O”の日々。そんな中、“O”はジャクリーンの妹・ナタリーと知り会う。カメラマンを目指すナタリーの純粋な目に、忘れかけていた若き日の自分の志を見る思いがするのだった。「ねぇ、私の助手にならない?」。
 “O”はスティーヴン卿に申し出る。自分への出資を、ナタリーの学資にしたいと。「契約の変更は最も厳しい罰だよ」。スティーヴン卿のムチがうなった。「叫ばないのかい、O」。そして彼は、新しい契約を提案する。自分の拷問に、うめき声、あえぎ声を上げなければ、ナタリーの学資と“O”の写真集出版のために100万ドル出すというのだ。だが声を出したら、彼の妻になり、
一生奴隷として暮らさなければならない…。
 四肢を縛りつけられた“O”に、スティーヴン卿はハードな拷問を挑んで来る。激痛に裂ける淫肉、のけぞる恥肉。だが、“O”の喜悦の表情は堂々と、かつ神々しくさえ見えるほど輝いている。「死など、平気よ−」。

スタッフ

監督:フィル・レイルネス
脚本:ロン・ノーマン、フィル・レイルネス
撮影監督:フランク・サファート
音楽:セント・ミシェル・ミシェル
メインタイトル音楽テーマ:ギャリー・ウルマー
プロダクションデザイナー:アレハンドロ・リベラ
コスチュームデザイナー:ヴァーノン・サイモン
編集:ノーマン・アプスタイン
製作総指揮:セス・ケリン 、シャンタル・ラム
プロデューサー:ピエール=リチャード・ミュラー

キャスト

“O”:ダニエル・シアーディ
スティーヴン卿:ニール・ディクソン
ルネ:マックス・パリッシュ
ジャクリーン:ミッシェル・ルーベン

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