原題:珈琲時光 Café Lumière

第61回ヴェネチア国際映画祭コンペ部門正式出品 第9回釜山国際映画祭・Asian Filmmaker of the Year 小津安二郎生誕100年記念作品

2003年/日本/カラー/103分 配給:松竹

2014年8月23日(土)より9月15日(月・祝)まで新宿K’s cinemaにて公開 2005年03月29日よりビデオリリース 2004年9月11日、テアトルタイムズスクエア他ロードショー 2003年12月12日、小津安二郎100年記念上映ワールドプレミア 2005年03月29日よりDVDリリース

(C)2003 松竹株式会社/朝日新聞社/住友商事/衛星劇場/IMAGICA

公開初日 2003/12/12

公開終了日 2003/12/12

配給会社名 0003

解説



2003年。日本を代表する映画監督・小津安二郎の生誕100周年として、松竹では、ベルリン映画祭やニューヨーク映画祭をはじめとする海外映画祭の上映、東京国立近代美術館フィルムセンターの全作品上映、NHKテレビ放送、DVD発売、関連書籍の出版等さまざまな企画が予定されています。
この世界的プロジェクトに連動する最大の企画が、ホウ・シャオシェン監督作品『珈琲時光(原題)』です。
『童年往時一時の流れ一』『悲情城市』『好男好女』…、ベルリン、カンヌ、ヴェネチアをはじめ世界中の映画祭で常に注目を集める映像作家ホウ・シャオシェン監督が、敬愛する小津安二郎監督へのオマージュとして、小津作品からインスパイアされた世界観を、独自な視点から描きます。
物語は、フリーで仕事をしているヒロインと古書店の二代目の店主の恋愛模様を軸に、ヒロインと年老いた父母、養父との関係などを東京と夕張を舞台に描いていく。
主演は、映画初出演となる一青窃。デビュー曲「もらい泣き」がロングセラー大ヒットした彼女を、キャスティングのため来日していたホウ監督が一目見て、「彼女が主役だ」と白羽の矢を立てた。また、ヒロインの相手役となる古書店主人役には、圧倒的な存在感で日本映画界を代表する俳優・浅野忠信。この個性的な配役により、男女の心の移ろいと、家族との関係が丁寧に綴られていきます。
製作にあたっては、ホウ監督が、日本での入念な取材をもとに脚本を執筆。
時代を超え、国境を越えて愛され続ける小津作品から想起した家族の物語を、台湾・日本の混成スタッフと日本のキャストで、東京と北海道・夕張で撮影します。
8月2日クランクイン。9月下旬まで撮影が行われ、今秋、完成予定。
そして、2003年12月12日、小津安二郎監督の生誕100年を迎えるこの日に、ワールドプレミア上映を行います。
12月12日は小津生誕100周年プロジェクトとして記念国際シンポジウムが予定されており、ヴィム・ヴェンダース、アキ・カウリスマキら、世界中から小津監督への敬意をこめて集まった映画人らにも、本作をお披露目する予定です。
本年度のカンヌ国際映画祭では、この企画の噂を聞いた海外の配給会社の間で話題が沸騰、既にフランスの配給会社との海外配給契約が成立。数々の映画祭で受賞歴があり、国際的に注目を浴びているホウ監督の新作『珈琲時光(原題)』は、来年度カンヌ国際映画祭への出品を視野に入れています。

ストーリー



雑誌やテレビの依頼を受けて仕事をしているフリーライターの陽子(一青窈)と、神保町の古書店の2代目主人・肇(浅野忠信)は、陽子が資料を探すために古書街を訪れているうちに親しくなった。肇の親友で天ぷら屋につとめる誠治(萩原聖人)も交え、3人はとても仲が良い。
陽子は、無口で穏やかな肇には、なぜか何でも話せてしまう。物静かな肇といると、不思議と心が落ち着くのだ。
珈琲が好きな陽子は、喫茶店で過ごすことが多い。肇と他愛のない話をしながら、穏やかな時が流れていく。
陽子は、両親が幼い頃に離婚してしまったため、北海道の夕張に住む目の不自由な親戚に育てられたが、今は、実の父親(小林稔侍)、再婚相手の継母(余貴美子)と良い関係を築いている。
ある日、陽子が妊娠していることがわかる。相手は、台湾の男性らしい。両親は「未婚の母」を選ぼうとする陽子の将来をあれこれと心配する。陽子が好きな肇は自分の気持ちを伝えられない。
そんな中、陽子のもとに、養父の目の手術の通知が届いた。陽子は肇を誘って、養父を迎えに夕張へと向かう。
時代を生き抜いてきた夕張の人々と街。その中で、陽子と肇はお互いのことを、家族のことを、これから生まれてくる新しい命を、心に想うのだった。

スタッフ

プロデューサー:宮島秀司
        山本一郎
        リャオ・チンソン
企画:小坂史子
監督:ホウ・シャオシェン
脚本:ホウ・シャオシェン
   チュー・ティエンウェン
撮影:リー・ピンビン
録音:ドゥ・ドゥージ
編集:リャオ・チンソン
ラインプロデューサー:梶川信幸
美術:相田敏春
宣伝プロデューサー:吉田直子
製作:松竹、朝日新聞社、住友商事、衛星劇場、IMAGICA

キャスト

一青窈
浅野忠信
萩原聖人
余貴美子
小林稔侍

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