原題:The Road

第4回NHKアジア・フィルム・フェスティバル出品(2001/12/16〜23)::http://www.nhk-p.co.jp/event/asia/asia.html 2001年カンヌ映画祭ある視点部門 モントリオール世界映画祭世界の映画部門 トロント国際映画祭現代の世界映画部門 ヴァンクーヴァー国際映画祭 シカゴ国際映画祭 サンパウロ国際映画祭

2001年/カザフスタン=NHK=フランス/カラー/93min

平成13年12月16日(日)から23日(日)まで8日間アジア・フィルム・フェスティバル(会場:東京国際フォーラム・Dホール)

公開初日 2001/12/16

公開終了日 2001/12/23

配給会社名 0262/0263/0261

公開日メモ 平成13年12月16日(日)から23日(日)まで8日間アジア・フィルム・フェスティバル(会場:東京国際フォーラム・Dホール)

解説


主人公は、カザフ第一の大都市アルマトイに住む映画監督。カザフスタンで映画を作ること、また自らのアイデンティティーを懸命に模索する彼は、同時に離婚の危機を抱えている。そこへ年老いた母の危篤の便りが届き、彼はひとり故郷を目ざす旅に出る。車中、過去の様々な思い出と夢が脳裏を横切っていく…。映画作家の自己が投影されたロード・ムービー。

□監督プロフィール

1958年カザフスタン生まれ。応用数学を学んだ後、モスクワのVGIK(高等シネマ研究所)に学ぶ。NEW FILM誌の批評家でもあった彼の最初の短編映画『The Heat of Summer』(1998)は1990年、カザフ・シネマ・パーススペクティプ(有望なカザフ映画)に選ばれアメリカとカナダの20の都市で上映された。最初の長編映画『Kairat』(1991)を制作。1992年のロカルノ国際映画祭で銀豹賞とFIPRESCI賞を受賞し、同年12月にはフランスでも上映された。その後短編ドキュメンタリー、『Ticket Collector by Profession』(1993)を制作。長編2作目の『Kardiogramma』(1995)はヴェネツィア国際映画祭のコンペティションに参加、1997年にはフランスで劇場公開された。3作目の『Killer』(1998年)はカンヌ映画祭の正式出品作品に選ばれ、ある視点部門グランプリを受賞。1999年1月にはフランスで劇場公開された。

ストーリー

それは、ラブレターで始まる。アナラ・コベソフが彼の夫である映画作家、アミル・コベソフにあてた手紙…・
ある日彼の生まれ故郷から、母親の病気を伝える電報が届く。アミルはアルマトイの妻子を残し、母親の元へと旅立つ。その長く単調な道で、アミルは思い出す…。彼の映画の編集を担当した若い女性のこと。彼女とあやとりをして遊んだこと。彼女への欲望と、彼女の肌の記憶。そこへ入ってきた妻の非難に満ちた目つき。
アミルと編集の女性は、編集台からアミルの映画を見ている。モニターには若い裸の女の子。その役を演じている素人の少女は不満だ。このシーンのことは聞いていなかったと。ということは、画面に映っているお尻の主は誰なのか?代役だ。こういう事ができるのが「編集」というもので、それでこそ監督の意味がある。検閲官が、そういうことをするのなら、そのシーンは「編集済みとは言えない」と返事をする。家族を村の恥さらしにしてしまった少女の無力さをも気にかけることなく、アミルはその場面のカットを拒否する。
アミルは次の映画のシーンを想像する。若い男が、川辺で新聞を読む中年男を撃つのだ。アミルは納得するまで、頭の中でそのシーンを繰り返す。
路上。蒙古人の襲来についてのラジオ番組が流れる。アミルは川のそばに車を止め、メロンを食べる。そして、檸猛な蒙古人を夢に見ながら寝込んでしまう。
アミルはかわいいウェイトレスの働く、さびれたレストランに立ち寄る。その夜彼女とデートの約束をするが、彼女は現れない。アミルは再び思い出す。人類が月への第一歩を踏み出す瞬間をテレビが生中継をしていた時のことを。幼いアミルが、懸命に搾乳をしている母親を呼ぶ。けれども、母親は仕事のほうで忙しい。アミルは母親をやさしく見つめる。彼女は動じない。
もはや遅すぎた。アミルが村に到着した時、母親はたった今息を引取ったところだったのだ。葬式のあと、アミルは友達のメルデクハンと一緒に彼が子供時代を過ごした家と村を再び訪れる。
アミルは自分が育った家で一人夜を過ごす。翌日の夜明け、アミルは家中に鍵をかける。入り口の階段に腰掛け、煙草を吸いながら妻からのラブレターを読み、心を動かされる。アミルはアルマトイの方向へと車を走らせる。

スタッフ

監督:ダルジャン・オミルバエフ
脚本:ダルジャン・オミルバェフ、リマラ・ジェクセンバエヴァ
制作:エリーズ・ジャラドゥ、上田信(NHKエンタープライズ21)
撮影:ボリス・トロチェフ
録音:エレーナ・ヴラズネヴァ
美術:マリーナ・トロチェヴァ
編集:R・ベリアコーヴァ
音響:カトリーヌ・ドアール
ミックス:ドミニック・ヴィヤール
スチル:クロエ・ドリュー
マネージャー:オルジャベク・アイティネコフ

キャスト

アミル・コベソフ:ジヤムシェド・ウスマノフ
アミルの母:サウレ・トクチバーエヴァ
アミルの妻:アイヌル・トルガムバエヴァ
アミルの息子:マグジャン・オミルバエフ
ウェイトレス:ワレリァ・グリャェヴァ
警官:ワレリー・スコリコフ
アミルの友だち:ムハメジャン・アルピスバエフ

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