2017年/日本/119分/R-15+/配給:ギャガ

2017年7月15日

(C)2017「彼女の人生は間違いじゃない」製作委員会

解説


「さよなら歌舞伎町」「ヴァイブレータ」など、自分の居場所を探し求める大人たちの衝突や愛を、時に鋭く時に温かく描いてきた廣木隆一監督。どうしても描きたかったという自身の処女小説の映画化であり、文芸作品の映像化に定評がある廣木監督の真骨頂ともいえる新作映画『彼女の人生は間違いじゃない』が、ギャガ配給で、2017年7月15日(土)ヒューマントラストシネマ渋谷、新宿武蔵野館他にて全国順次公開する運びとなりました。

物語の舞台は、震災から5年後の、廣木監督の出身地福島。週末になると高速バスで福島から渋谷へ、デリヘルのアルバイトをしにいく主人公みゆき。ふたつの都市を行き来する日々に、みゆきが求めたものとは──?
戻る場所もなく進む未来も見えない者たちは、もがきぶつかり合いながらも光を探し続ける。それは、今この時代を生きる私たちに共通する想いかもしれない。すべてのひとに幸あれと願わずにいられない、心に爪痕を残す至極の物語がここに誕生した。

主人公みゆきという体当たりの難しい役どころに全力で挑んだのは、「日本で一番悪い奴ら」の瀧内公美。日常に戻ることなく役になりきるため、撮影中は一度も家には帰らなかったという。亡き妻を今も慕うみゆきの父親には、多くの名匠に愛され、最近では「恋人たち」「共喰い」での好演も記憶に新しい光石研。素性を隠すデリヘルの従業員には主演映画「横道世之介」で数々の映画賞を受賞、月9ドラマ「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」主演など、今や人気、実力ともに兼ね備えた高良健吾。みゆきの同僚で市役所職員には「聖の青春」でのプロ棋士役など、独特の存在感で異彩を放つ柄本時生など、物語に深みを与える実力派俳優が揃った。

(C)2017『彼女の人生は間違いじゃない』製作委員会

(C)2017『彼女の人生は間違いじゃない』製作委員会

(C)2017『彼女の人生は間違いじゃない』製作委員会
(C)2017『彼女の人生は間違いじゃない』製作委員会

ストーリー

帰る場所もなく未来も見えない者たちに光届くか――?

まだ薄暗い、早朝いわき駅。東京行き高速バスに乗り込む、金沢みゆき(瀧内公美)。まもなく太陽も昇りきり、田圃に一列に並んだ高圧電線鉄塔が、車窓を流れてゆく。

東京駅トイレで化粧を終えたみゆき、渋谷へと向かう。スクランブル交差点を渡り、たどり着いたマンション一室が、みゆきアルバイト先事務所だ。「YUKIちゃん、およう」と、ここで彼女名前で話しかける三浦(高良健吾)。彼が運転する車後部座席に乗って、出勤したラブホテル。彼女仕事デリヘルだ。

客とトラブルになったが、それを解決してくれるも三浦役目だ。「何年目だっけ?」と帰り中で三浦に聞かれ、「来月でちょうど2年目です」と答えるみゆき。暗くなる前に、今度鉄塔表側を見ながら、福島へと帰る。仮設住宅に二人で暮らす父親修(光石研)に東京英会話教室に通っていると嘘をついていた。

月曜日になると、市役所勤め日常に戻るみゆき。だが、ちょっとしたハプニングがあった。昼休みに、昔付き合っていた山本(篠原篤)から会いたいというメールが入る。みゆき震災で亡くなっただが、そんな時に山本が放ったある一言が、二人距離を広げただった。久しぶりに帰郷した山本ことを謝り、やり直したいと打ち明けるが、みゆき「考えとく」と逃げるように立ち去る。

家で父が、酒を飲みながら母と思い出話ばかりを繰り返す。田圃汚染され、農業できず、生きる目的を見失った父保証金をパチンコにつぎ込む毎日を送っている。みゆきそんな父をなじり、腹立ちまぎれに家を出て行くが、こんな時に気が晴れる場所などどこにもなかった。

もう一人、みゆきと同じようにもがく男がいる。市役所同僚勇人(柄本時生)だ。東京から来た女子大生に、被災地今を卒論テーマにするからと、あ日からことを“取材”されるが、家族がバラバラになった勇人言葉に詰まってほとんど答えられない
週末になると東京へと通うみゆき日々に、変化が訪れる。三浦が突然、店を辞めただ。みゆき三浦がいると聞いた、ある意外な場所を訪ねるだが──。

スタッフ

監督・原作:廣木隆一
脚本:加藤正人
主題歌:meg

キャスト

瀧内公美
光石研
高良健吾
柄本時生
戸田昌宏
安藤玉恵
波岡一喜
麿赤児
蓮佛美沙子
小篠恵奈
篠原篤
毎熊克哉
趣里

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