原題:CAST AWAY

NY批評家協会賞最優秀主演男優賞受賞。 ゴールデン・グローブ主演男優賞ノミネート。 そして、アカデミー賞最有力候補!! 『フォレスト・ガンプ』の監督・主演コンビが新たに贈る、想像を超えた感動。

2000年12月22日全米公開

2000年/アメリカ/2時間24分/DTS/Dolby Digital/ SDDS/翻訳:戸田奈津子 製作:ドリームワークス作品/20世紀フォックス映画 配給:UIP

2012年08月10日よりDVDリリース 2009年04月10日よりDVDリリース 2001年9月21日DVDレンタル開始&10月26日発売 2001年9月21日ビデオ発売&レンタル開始 2001年2月24日より日本劇場ほか全国東宝洋画系にて公開

公開初日 2001/02/24

公開終了日 2001/05/11

配給会社名 0081

公開日メモ NY批評家協会賞最優秀主演男優賞受賞。 ゴールデン・グローブ主演男優賞ノミネート。 そして、アカデミー賞最有力候補!! 『フォレスト・ガンプ』の監督・主演コンビが新たに贈る、想像を超えた感動。

解説


2000年のクリスマスシーズンに全米公開され、わずか4日間で4000万ドルを稼いだこの作品で、主演トム・ハンクス、監督ロバート・ゼメキスという『フォレスト・ガンプ/一期一会』のコンビが、再びアカデミー賞の本命に躍り出た。すでにトム・ハンクスはニューヨーク批評家協会賞主演男優賞を受賞し、ゴールデン・グローブ賞候補にも上った。撮影中に25キロも体重を落として挑んだ迫真の演技で、男優では史上初の”3度目のアカデミー賞”受賞達成か?今、トム・ハンクスに世界中の熱い視線が注がれている。

 ありあまる”時”があっても、それが真に生きていることとは言えない。ならば、人が生きているとは、どんなことなのか?飛行機事故で死に直面した後、4年間、無人島で生き延び、再び文明社会に戻った一人の男を通し、この作品はそんな問いを投げかける。生きることの重み、そして貫かれる愛の深さに言い知れぬ感動が波のように押し寄せる。
 前半、あらゆる文明から隔離され、孤独と闘いながらサバイバルするチャックの姿が、音楽もセリフもないままに克明に描かれ、見る者を引きつける。そして、次に現れる4年後の映像。このシーンのために撮影中に1年のブランクをあけたという監督の意図を見事に反映して、トム・ハンクスは衝撃的な変貌を遂げて再登場する。それは、単に減量という肉体的な変化に留まらず、絶望を経験した人間が到達する一種の虚無感にまで至っている。過去にアカデミー賞主演男優賞を受賞した『フィラデルフィア』『フォレスト・ガンプ/一期一会』をしのぐ演技と全米で絶賛を浴びた。さらに、文明社会への復帰、恋人との再会を経て、主人公はこの作品の主題”生きることとは何か?”にたどりつく。
 恋人ケリー役に扮するのは、『恋愛小説家』でアカデミー賞主演女優賞を受賞したヘレン・ハント。出演場面は少ないが、主人公の命を支える重要な役柄で、その存在を映画全体に感じさせる。チャックの同僚スタンは、『フライド・グリーン・トマト』で暴力亭主を印象的に演じたニッタ・サーシー。ケリーの歯科医の夫を演じたクリス・ノスは、NBCの連続ドラマ「ロー&オーダー」のマイク・ローガン刑事役で知られている。また、冒頭、テキサスの片田舎で荷物をフェデックスに渡す芸術家ピーターソン夫人役で、有名なカントリー歌手ラリ・ホワイトが顔を見せている。
 監督兼製作のロバート・ゼメキスは、『ロジャー・ラビット』から『ホワット・ライズ・ビニース』まで、常に何かに挑戦を続けてきたが、本作ではこれまで以上に大きな勝負を挑んだ。ドラマチックなプロットの中で、”見せるもの”と”見せないもの”を巧みに使い分け、その両方に抑制をきかせた演出が秀逸だ。製作陣には、主演のトム・ハンクスが名を連ね、その他、ゼメキスと『フォレスト・ガンプ/一期一会』でも組んだスティーブ・スターキーとエージェントのジャック・ラプケが担当した。製作総指揮は『ディープ・インパクト』のジョアン・ブラッドショー。脚本は『アポロ13』のウィリアム・ブロイルス・Jr.が執筆。事前調査では実際に無人島での生活を試みたという。
 その他のスタッフにも”ゼメキス組”が結集。プロダクション・デザインのリック・カーター、衣装のジョアンナ・ジョンストンは、いずれも『フォレスト・ガンプ/一期一会』のスタッフ。編集のアーサー・シュミットは『ロジャー・ラビット』と『フォレスト・ガンプ/一期一会』で2度アカデミー賞を受賞している。撮影はドン・バージェス。冒頭から飛行機事故までを素早いカメラワークで駆け抜け、対照的に孤島では主人公の絶望を静的に捉えた。また、臨場感あふれる衝撃の飛行機事故シーンや、大波に立ち向かう無人島脱出シーンなど、視覚特殊効果はアカデミー賞を5度受賞している第一人者ケン・ラルストンが担当した。控えめなスコアながらもポイントを押さえて感動を盛り上げる音楽は、アラン・シルベストリ。ゼメキス監督とは10本目の作品になる。また、本作で絶海の孤島として登場するのは、フィジーの北西部にある小さな火山島だ。この島の荒削りな美しさが、主人公の孤独と絶望を痛切に浮かび上がらせている。

ストーリー



チャック・ノーランド(トム・ハンクス)は、メンフィスに本社を置く宅配便”フェデックス”のシステム・エンジニアだ。配達時間を短縮するためならモスクワまでも飛んでいく。帰国便の中で、チャックは同僚のスタン(ニッタ・サーシー)の妻が深刻な病気だと聞き、急に恋人ケリー(ヘレン・ハント)のことが気にかかる。チャックはメンフィスへ着くとその足で彼女のもとへ駆けつけた。学位論文に取り組むケリーもまた時間に追われる生活だ。慌ただしいながらもくつろいだ一時を過した二人は、クリスマスプレゼントを交換する。ケリーからは自分の写真を入れた祖父のロケット式懐中時計。チャックからは小さな箱が贈られた。ケリーはその場で箱を開けなかった。そして、「すぐ戻るよ!」という言葉を残し、チャックは再び南米行きの飛行機に乗り込んだ。
 その飛行機が太平洋上で墜落した。凄じい衝撃。嵐の海への不時着。火を吹く機体…。どれくらいたったのだろう。切り立った岩山にヤシの木立。気がつくとチャックは無人島に流れ着いていた。近くを通る船もなく、浜に書いた「HELP」の文字もむなしい浅瀬に漂流する人影も、墜落機のパイロットの遺体だった。チャックはそのパイロットを埋葬する。夜、闇の中で、チャックはパイロットの持ち物だった懐中電灯をつけては消し、消してはつけ、時計の中の愛するケリーの写真を照らし出した。
 ある夜、チャックは、遠くに船の灯りを見つける。壊れかけた救命ボートを漕ぎ出してはみるが、荒波に太刀打ちできるわけもない。珊瑚礁にしたたかに打ちつけられ、足に大けがをする。しばらくして、チャックは漂着したフェデックスの小荷物を次々に開けてみた。中から出てきたアイススケートのエッジはナイフとして使い、ドレスのチュールは魚獲りの網に変身した。だが、“ウィルソン”社製のバレーボールだけは使い道がなさそうだ。また、チャックは最後のかすかな希望を託すかのように、天使の羽のついたひとつの箱だけは開こうとしなかった。
 水はヤシの実や葉の朝露から得たが、獲った魚を食べるためには火が必要だ。チャックは石や木をこすり合わせ、必死で火を起こそうとした。しかし、手がぼろぼろになっても火は起きなかった。彼は血だらけの手でバレーボールを叩きつける。ふと自分の血の手形のついたそのボールに目をやったチャックは、手形の部分を顔に見立て、指で目鼻を描き入れる。それから、その”ウィルソン”がチャックの唯一の心の友になった。そして、彼は、新しい友人に話しかけながら、ついに火を起こすことに成功した。
 それから4年……。すべての希望を捨て、まるで原人のような姿になったチャックは、それでもケリーへの愛と”ウィルソン”との友情を支えに生き延びていた。そして、ある日、ついに、自分で作った筏でこの無人島を脱出する。大海原へ出たチャックは、力強く擢を漕いだ。嵐に遭っても彼はあきらめなかった。しかし、眠っている間に”ウィルソン”が海に落ちて流れていってしまう。チャックは唯一の友さえも失って、筏の上でさめざめと泣いた。幾日か波間を漂った後、チャックはようやく通りかかった船に救出される。
 それから4週間後、チャックはメンフィスへ帰る飛行機に乗っていた。4年の空白は何を意味するのか?メンフィスではかっての同僚や家族、そして、この4年間思い続けた
愛するケリーとの再会が待っていた・…。

スタッフ

製作・監督:ロバート・ゼメキス
プロデューサー:スティーブ・スターキー&ジャック・ラプケ
脚本:ウィリアム・ブロイルス・Jr.
撮影:ドン・バージェス
プロダクション・デザイナー:リック・カーター
音楽&作曲:アラン・シルベストリ
視覚効果スーパーバイザー:ケン・ラルストン

キャスト

チャック・ノーランド:トム・ハンクス
ケリー:ヘレン・ハント
スタン:ニック・サーシー

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