原題:Genji - A Thousand Year Love

東映創立五十周年記念作品

第14回東京国際映画祭特別招待作品::http://www.tiff-jp.net/

2001年/日本/カラー/35mm/143分/ 配給:東映

2002年09月21日よりビデオ発売開始 2002年09月21日よりDVD発売開始 2002年6月14日DVDレンタル開始/2002年6月14日ビデオレンタル開始 2001年12月15日より東映系にて公開

©『千年の恋』プロジェクト委員会

公開初日 2001/12/15

配給会社名 0004

公開日メモ 悠久の時を超えてなお、人々に愛され続ける『源氏物語』。400人を越す登場人物と全54帖にも及ぶ物語は、世界各国に読者を持ち、与謝野晶子、谷崎潤一郎、瀬戸内寂聴など数々の一流作家に訳され、様々な美術、音楽、映画に影響を与えてきた。

解説


悠久の時を超えてなお、人々に愛され続ける『源氏物語』。400人を越す登場人物と全54帖にも及ぶ物語は、世界各国に読者を持ち、与謝野晶子、谷崎潤一郎、瀬戸内寂聴など数々の一流作家に訳され、様々な美術、音楽、映画に影響を与えてきた。
 この日本文学が誇る奇跡の傑作を、数々の伝説に満ちた、未だ謎の多い作者・紫式部が執筆し始めてからちょうど千年といわれる今年、斬新な視点を導入して大胆に再構築し、豪華なキャストで映画化した壮大な歴史絵巻『千年の恋ひかる源氏物語』が誕生する。

 華やかな宮廷を舞台に語られる『源氏物語』の主人公は、帝の血をひく光源氏。最愛の女性・藤壺の面影を追いつづけながら数々の姫君と関係を結ぶ光源氏の果てしない愛と憂いの生涯は、千年も前に書かれたとは思えないほど高い思想と知識に裏打ちされている。
しかしそれだけでは永い時を超えて世界中で愛された理由にはなりえない。そこには物語の形を借りて、身分も決して高いとはいえない女性ながら、自らの運命をひたむきに切り拓き、誰も成しえない人生を成し遂げた作者・紫式部から21世紀を生きる私たちへの、確かなメッセージが込められていた…。映画は紫式部を真の主人公に据えることで、鮮やかな切り口で物語の魅力を見事に浮かび上がらせている。

歴史の中で最も華やかで優雅な平安時代を舞台に、実力・人気とも申し分ない、夢のような超豪華キャストが顔を合わせる『千年の恋ひかる源氏物語』。監督は過去に数々の名ドラマのプロデュースや演出を手がけ、今作が映画初監督となる堀川とんこう。さらに脚本の早坂 暁、美術の西岡善信、撮影の鈴木達夫、音楽の冨田 勲など屈指のスタッフが物語に新たな息吹を注ぎ、かつて誰も見たことのない幻想世界を描き出す。延べ300着にも及び、その半数を1着500万円ほどの女房装束が占める煌びやかな衣裳や、「源氏」美術の集大成を目指して3億円が費やされた絢爛豪華な建築美術など、日本映画の粋を集めて細部まで徹底的に再現した平安京を、特殊撮影用HD24Pカメラなど最新機器を導入し、ほとんど全ての映像にデジタル処理を施して
驚くべき精密さで映像化。CG特有の冷たさを排し、人間味のあるファンタジックな映像に、光源氏と紫式部=夢と現(うつつ)の二つのストーリーが絡み合い、荘厳なスケールで織り成す超大作が、日本はもちろん世界をも熱く魅了する。

ストーリー


今からちょうど千年前、紫式部は越前国(今の福井県)で、父・藤原為時と弟・惟規と娘・賢子と共に好きな書物を読み耽り、つれづれに物語を書きながら静かな日々を送っていた。その紫式部の元へ、宮中で内覧として権勢を振るっていた藤原道長から、娘・彰子の教育係として京の都へ来てほしいという文が届く。
源氏物語を完成させるという強い意志を抱き、越前国を後にする式部。京では道長とその兄・道隆とが覇権を争い、おのおのの娘に帝の御子を睦ませるために躍起になっていた。道隆の娘・定子の教育係は清少納言。式部は静かな闘志を燃やす。しかし、彰子の瞳の清らかさに式部は心を打たれ、いつしか自らが人生をかけて紡いでいる長く壮大な”女と男の物語”を説いてゆく——

主人公は、桐壷帝の子・光源氏。武芸学問に優れ、この世のものとは思えないほど美しい容姿を持ち、誰からも愛され羨まれている。わずか十二歳にして四歳上の葵の上を娶り、宮中ではその葵の上の兄で親友でもある頭の中将らと蹴鞠に興じ、香を楽しむ。何不自由のない人生を送っているかに見えた源氏だったが、心の底には誰にもうちあけられない深い苦悩を抱えていた。どうしても抑えられない恋心。しかも相手は、実母・桐壷更衣に似た、帝の寵愛する義母・藤壷中宮だった。
その想いを止めることが出来ず、源氏は里に下っていた藤壷の館を訪れ、なかば強引に一夜を共にする。その夜、藤壷は源氏の子を宿してしまう。言い知れぬ罪の意識に苛まれ、次第に光源氏を遠ざける藤壷。だが、一度きりの逢瀬はかえって源氏の煩悩を刺激した。藤壷への悩ましいほどの憧れは、六条御息所や源典侍などの年上の女性にも向けられる。若い源氏は、さらにあまたの姫君と関係を持つが、その代償として、嫉妬に狂った六条御息所により正妻・葵の上が呪い殺されてしまう。また、帝に仕える女房・揚げ羽の君は、抑圧された生活に耐えかね、屋敷を飛び出してこの時代を生きる女性の苦悩の化身となり、あてどなくこの世を寂しく歌い彷徨うのであった。

紫式部の教育により、女として成長していく彰子であったが、定子がまず先んじて中宮になった。道長は動揺し、早急に彰子を中宮にすべく奔走する。そして晴れて彰子が中宮に上がる頃には、道長は他の女房たちとは明らかに異なる紫式部の不思議な魅力に、心を奪われはじめていた。

自責の念にかられた藤壷に拒否され、失意のあまり出家しようと北山深くの庵に篭った源氏だが、そこで藤壷の面影を持つ少女・紫の上に出逢い、彼女を連れ帰り自らの手で理想の女性に育てようと決意する。京に戻った源氏は、十条帝の即位式で”源氏の子である”と噂される香月王子と初めて対面した。香月王子が桐壷帝の息子である源氏に似ていてもなんの不思議もない。真実を知るのは藤壷中宮のみ。それを確かめるため、藤壷の部屋を訪れようとした源氏の前に立ったのは十条帝の愛する朧月夜だった。右大臣家出身でもある朧月夜と関係を持ったことにより、大后と右大臣の逆鱗に触れた源氏は、降りかかる身の危険を予見し、愛する紫の上を残して惟光ら側近数名と須磨に流れる。嵐の翌日、海辺に源氏を迎えに来たのは明石の入道で、一行は豪壮な海の御殿に招かれる。入道の娘・明石の君と結ばれる源氏。その頃、宮中では十条帝が病に伏し、弟である源氏の元に帰京を促すたよりが届く。十条帝の頼みにより、即位した玲瀧帝(香月王子)を補佐する太政大臣の位についた源氏は、四季とりどりの花(女性)を集める六条邸の建設に着手するのであった…

中宮となった彰子が帝の御子を妊り、実権を掌握する道長。その道長に密かに惹かれはじめていた紫式部は、ある想いを胸に京を離れる決心をするのであった・・・。

スタッフ

監督:堀川とんこう
製作総指揮:高岩 淡
製作:広瀬道貞、塚本 勲、里見 治、菅 徹夫、後藤 亘、箱島信一、柴田俊治
企画:岡田裕介、早河 洋、飯田貞志、気賀純夫、山内久司
プロデューサー:妹尾啓太、冨永理生子、木村純一、遠谷信幸、古川一博、依田正和
「千年の恋」プロジェクト委員会:
 佐藤雅夫/長谷川貞雄/多田憲之/上松道夫/森岡茂実/福吉 健
 志摩良一/高木博徳/出口文雄/橋田一高/羽賀秀則/千野毅彦
 小松賢志/佐野俊広/白濱なつみ/黒澤 満/大河内悟
 内海紀雄/鈴木俊昭/西村嘉郎/和田省一
脚本:早坂 暁
音楽:冨田 勲
撮影:鈴木達夫
美術:西岡善信
照明:安藤清人
特撮監督:佛田 洋
東映/加賀電子/サミー/丸紅/テレビ朝日/電通/日本出版販売
/東映ビデオ/TOKYOFM/朝日新聞社/朝日放送
配給/東映

キャスト

光源氏:天海祐希
頭中将:風間トオル
十条帝:風間杜夫
絵師:片岡鶴太郎
大后:かたせ梨乃
右大臣:加藤  武
源典侍:岸田今日子
藤原為時:神山  繁
藤壺中宮:高島礼子
桐壺更衣:高島礼子(二役)
六条御息所:竹下景子
明石の入道:竹中直人
藤原惟規:段田安則
紫の上:常盤貴子
葵の上:中山  忍
明石の君:細川ふみえ
桐壺帝:本田博太郎
賢子:前田亜季
揚げ羽の君:松田聖子
彰子:水橋貴己
朧月夜:南野陽子
清少納言:森 光子
惟光:山本太郎
紫式部:吉永小百合
藤原道長:渡辺 謙
藤原宣孝:渡辺 謙(二役)

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