原題:THE GUYS FROM PARADISE

もっとメチャクチャに生きた方が面白いじゃん

第12回東京国際映画祭第1回企画マーケット参加作品 映画製作支援サイトcinemoney.com第1回支援作品

企画:株式会社ケイエスエス 製作:テレビ朝日・株式会社ハマーズ・日活株式会社・株式会社ケイエスエス 協力:インフォアベニュー株式会社配給:日活株式会社

2001年12月7日ビデオレンタル開始 2001年6月16日より渋谷シネパレス、シネリーブル池袋にてロードショー

公開初日 2001/06/16

公開終了日 2001/06/29

配給会社名 0006

公開日メモ 日本発のアジア映画誕生!! 「日本からアジアに、そしてアジアから世界に向けた映画にしたい」 そう三池崇史は言った。

解説


日本発のアジア映画誕生!!
「日本からアジアに、そしてアジアから世界に向けた映画にしたい」
そう三池崇史は言った。

98年バンクーバー画祭で高い評価を得だ三池崇史監督のその言葉は彼のアジアへの熱い想いを十分に語っいた。
新宿にたむろする中国人を描いた『新宿黒社会チャイナマフィア』(95)。台湾の降りしきる雨が印象的だった『極道黒社会レイニードッグ』(97)在日韓国人の若者を描いた『日本黒社会レイレインズ』(98)。中国の雲南省で鳥のように飛べると信じている人々を描いた『中国の鳥人』(98)、チャイニーズズヤクザと日本人刑事との死闘を描き、その衝撃のラストシーンでやくざ映画の常識をぶっとばした『DEAD OR ALIVE』(99)等、三池崇史の映画はどっぷりとアジア臭い。
それはすでに日本映画を通り越し、世界に目をむけていることが良く分かる。そして今年秋には馳星周原作『漂流街』が公開される。
三池崇史は、あの淀川長治を”世界に通じる監督”と言わしめた大物なのである。
その三池崇史が『漂流街』の次に挑むのが,本作『天国から来た男たち』それはフィリピンの外国人収容所にいる日本人犯罪者たちである。
タガログ語から英語、日本語中国とあらゆる言語が飛び交うこの映画は、もう日本映画とは誰にも呼ばせない力を持つだろう。
無国籍なアジア映画”MADE IN ASIA”なのである。

「バハラナ」(なるようになる)な国フィリピン
フィリピンに少しでも暮らしたことのある人なら誰でもこの意味がわかるだろう。日本人は騙される、カモにされる..というイメージが強いと思う。だが誤解しないで欲しいのは、日本人なら誰でもカモな訳ではない、ということだ。
金のない人には金を渡し、金のある人からは金を奪う。何とも分かりやすい国なのだ。住むとこも一銭の金もない日本人には、フィリピンの人々は逆に自分の住まいに寝かせてくれ、余裕があればお金すらくれるのである。
家族が多く、ときには他人の子も自分の子のように面倒をみてくれるおおらかな国フィリピン。
その魅力にはまった日本人は数知れない。そのけたはずれにいい加減な気質・けたはずれに人類愛に深い気質。なるようにしかならない、という魅力溢れる気質は、悩み苦しんでる人を楽にするだろう。そんな魅力あふれる国、それがフィリピンである。
知る人ぞ知る楽園天国、フィリピンの外国人収容所。そこに流れついた日本人犯罪者たち、彼らの収容所生活は日本の常識を超えていた。囚人なのに彼等ってなんだかうらやましい…。

事実は小説よりも奇なり!
“もっとメチャクチャに生きた方が面白いじゃん”

6億円保険金詐欺事件の森隆を覚えているだろうか?フィリピン警察と手を組み、中国人の死体で偽造死に成功、まんまと6億円の保険金を手にいれた男。と、思いきや、騙しとったのは一部金500万のみ。保険会社に疑われ、あげくにフィリピンで生きてることが発覚!!現在大阪で、公判待ちである。あれだけ世を騒がし、さも重大犯罪人のようであるが、よくよく考えて見ると500万の詐欺事件であり、残りは未遂である。なんとも情けない男だ。森の事件はほんの氷山の一角で、時折写真週刊誌を賑わす、さまざまな日本人たち。麻薬不法所持で死刑を言い渡された鈴木英二、少女ワイセツで禁固42年の刑を言い渡された丸山尚義、オンライン事件でフィリピンに逃亡した伊藤素子、借金地獄から逃れてマニラに潜む日本人は後をたたない。
日本人どころか、フィリピンの居心地の良さに流れつく外国人犯罪者の多さには驚かされる。
その、日本の常識を超えたフィリピンの収容所のメチャクチャさ。そこは、お金があれば、酒も・たばこもOK。携帯電話も使えれば長期外出だって出来るのだ。そこに居着く犯罪者たちのメチャクチャな生活ぶりはまさに楽園と、頭が楽園な人々。制限の多い日本の中で、縮小してしまった日本の中で、動けなくなってしまっている人々に送る、楽園探しのメッセージ。もっと、おもいきってやろうよ!諦めることないじゃん。今からでもやり直せるよ。人間はどんなところがらでも立ち上がれるのだから!底辺に生きる男たちを描いて定評のあるあの三池崇史が、今度はフィリピンに住み着く日本人犯罪者を描く、衝撃のエンタテインメント傑作ここに誕生!!

ストーリー


商社マンの早坂幸平(吉川晃司)は、フィリピンとの取り引き成立の為に、会社から大統領候補に賄賂を渡す任務を受けて、フィリピンに来ていた。ところが税関で麻薬不法所持として捕まってしまう。
身に覚えのない早坂は、すぐに釈放されると信じていたが、なんと無実であるにもかかわらず、終身刑を言い渡される。
「馬鹿な!?」
「早坂さん、裁判官に賄賂を渡さなかったんですか?」
一貫の終わりがと思ったが、早坂の収容された外国人収容所には同じ様な日本人囚人達がいて、楽しくのびのびと暮らしていた。ワイドショーや写真週刊誌で見たような犯罪者達(大塚寧々、水橋研二、遠藤憲一、翁華栄等)もちらほら姿を見せる。日本の常識を飛び越えたここの収容所内では看守に賄賂をわたせば外出可・女も抱き放題なのである。
しかし、それは金の続いている間だけであり、賄賂の金が切れたら豚の様な扱いに戻ってしまう。
賄賂こそがこの国のすべてなのだった….。
その為、彼等は巧みに収容所内で金を稼いでいた。
リーダーの吉田克明(山崎努)は早坂に手伝えと言う。犯罪者の仲間になる気はないと断わる早坂。だが助けてくれると信じていた会社や妻、そして日本大使館員にすら裏切られた早坂はようやく会社人間になっていた自分に気付き、会社の肩書き、国籍のなくなった自分と、犯罪者である囚人達との違いなどほとんど無いことを知った。
「人をあてにしていても何も起こらない。自分の道は自分で切り開くしかないのだ!」日本人囚人のリーダ吉田と手を組み刑務所から出るために金を稼ぎ始める。今まで軽蔑していた犯罪者たちとも友情が深まり、資金稼ぎも順調に行ったように見えたが日本からの追っ手薮本の出現、そして吉田の裏切りにより早坂はピンチを迎えることになる。

破天荒な国・フィリピンで、破天荒な奴らを相手に、はたして早坂はどんな人生の選択をすることになるのか!?
(この物語はフィクションです。実在の人物・名称等とは関わりありません)

スタッフ

監督:三池崇史
脚本:橋本以蔵、江良至
原作:林洋司
撮影:山本英夫
美術:尾関龍生
録音:小原善哉
音楽:吉川晃司
編集:島村泰司


制作協力:エクセレントフィルム
協力:インフォアベニュー株式会社
製作:「天国から来た男たち製作委員会」
配給:日活株式会社

キャスト

早坂幸平(濡れ衣で捕まった商社マン):吉川晃司
三島奈美恵(横領犯の元銀行OL)
:大塚寧々
フィリピン太郎(囚人仲間):水橋研二
坂本淳(囚人仲間):翁華栄
海野俊幸(囚人仲間):遠藤憲一
早坂美由紀(幸平の妻):及川麻衣
杉森弘治.(早坂の同僚):金山一彦
吉田克明(日本人囚人のリーダー):山崎努

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