『ラヂオの時間』に続く監督作品第2弾 おーい、家が建つぞー

2001年/日本/カラー/ビスタサイズ/ドルビーデジタル/上映時間1時間55分 配給:東宝

2005年12月23日よりDVDリリース 2002年1月25日DVD発売/2001年12月21日ビデオレンタル開始 2001年6月9日より全国東宝邦画系にて公開

公開初日 2001/06/09

配給会社名 0001

公開日メモ 『ラヂオの時間』に続く三谷幸喜監督作品第2弾

解説



《三谷幸喜監督最新作は「ホームコメディ」》
三谷幸喜の新作コメディが完成した。タイトルは『みんなのいえ』。満を持して挑んだ最新作は「家を建てる」ことをテーマにした「ホームコメディ」——お酒落なマイホームを夢見る若い夫婦。新進気鋭のインテリア・デザイナーに設計を依頼する。一方施工の方は妻の父親で頑固な大工が行うことになり、混乱の日々が始まった。デザイナーと大工、全く正反対なふたりの男の対立と葛藤・暴走。夫婦に襲い掛かる想像を絶するトラブルの数々……。はたして理想の新居は完成するのだろうか。新居建築の様々なエピソードを描きながら、ふたりの男の葛藤のドラマであり、家族と夫婦の物語でもある「ホームコメディ」。三谷監督ならではの「笑いとあたたかい感動」を併せ持つ映画がここに誕生した。

この題材は・新居を建築する際に三谷監督自身が体験した騒動を、大きく飛躍させ書き下ろした。前作『ラヂオの時間』は三谷主宰の劇団・東京サンシャインボーイズの上演戯曲の映画化だったが、この作品『みんなのいえ』は、映画のための完全オリジナル作品となる。

《新居建築というドラマ性溢れるイベント》
ほとんどの日本人にとって・人生の中で「家を建てる」「家を買う」ということは大きなイベント。それは結婚や就職、出産と並ぶ喜ばしいことでありながら、それに関わる人々の意識のぶつかり合い、普段は気づかない家族の本音、引き返せない決断を迫られる極めてドラマ性溢れるイベントだ。
三谷監督自身も、昨年初めて東京・世田谷に家を建てた。そこで経験したおもしろおかしい人間ドラマ、自分自身の苦悩と危機・やがてそこに関わった人全員に最後には訪れる達成感と一体感。それらをひとつの映画に作り上げようと決心する。三谷監督の最も得意とする、限られた時間と空間でのコメディ、今回は家を建てるというスタートとゴールの間で展開していく。間々に地鎮祭・上棟式・そしてラストのお披露目と、日本の古くて優しい慣習を織り混ぜながら、ストーリーは進んでいく。大工とインテリア・デザイナーのかみ合わなさ、ふたりの暴走になすすべもない夫婦。その他のとぼけた面々。常に緊迫感をもってドラマは展開し、最後には一途に生きる人間の姿に胸が熱くなることだろう。

ストーリー



飯島直介(田中直樹)は30歳台半ばの脚本家。妻民子(八木亜希子)と一生暮らす家を建てることに夢膨らませている。緑豊かな高台の土地にセンスのいい家を建てようと、2人が設計を頼んだのは、新進気鋭のインテリアデザイナー柳沢(唐沢寿明)。家の設計は初めてだが、海外の建築様式に精通し、最先端のセンスを持つ柳沢に2人は期待を寄せる。そして施工の方はというと、民子の父で大工の棟梁長一郎(田中邦衛)に依頼する。仕事は丁寧で頑丈な家を建てる長一郎だが、最近はあまり仕事に恵まれていなかった。久々の大仕事、しかも娘夫妻の頼みとあっては、いやが上にも力が入る。早速古い仲間を召集する。

それぞれ素晴らしい資質を持つ2人、だがデザインに精通しているものの現場経験のない柳沢と、現場経験は人一倍だが柳沢の口から出るカタカナがさっぱり解せない長一郎、さらに少々ボケも始まっているその仲間達。お酒落で開放感溢れるアメリカ建築をデザインする柳沢と、とにかく頑丈な和風建築を建てようとする長一郎。妥協を許さないアーチスト感覚の柳沢と、職人としてなんとしても納期に間に合わせようとする長一郎。そんな2人に共通しているのは頑固さだけ。ことごとくぶつかり合う2人の間で、おろおろしてその場しのぎの解決を図ろうとする直介。ここでの仕切り能力は夫としての威信も懸かっているのだが、迫力溢れる2人の前に直介はひたすら無力だった。
やがて直介の母セツ子は風水を元に設計に口をはさみ、民子は暴走する長一郎に怒りを爆発させ、直介は仕事どころではなくなる。出来つつある家も当初の予定から随分と狂ってきている。自分の意図を組んでもらえず、妥協を強制される柳沢は、ついに壁にペンキをぶちまけ、長一郎に現場から放り出される。状況は混沌を極めていくばかり。

しかし、事態に変化が現れる。長一郎に少しずつ柳沢の意図することがわかるようになったのだ。ありきたりでない味わい深さを愛し、古きよきものに拘る柳沢のテイストを長一郎は理解できるようになる。
ある夜、完成直前の家が暴風雨に見舞われる。長一郎は心配して現場の様子を見にやって来た。その長一郎の目に映ったのは、大雨の中現場に駆け込んで来る柳沢だった。柳沢もこの家を責任持って愛していたのだ。お互いを心の中で認め合う長一郎と柳沢。直介も遅れて現場に向かう。
ところが、そこで想像もしないハプニングが発生する……

スタッフ

脚本と監督:三谷幸喜
製作:宮内正喜/高井英幸
企画:石丸省一郎/島谷能成
エグゼクティブ・プロデューサー:石原隆/増田久雄
プロデューサー:佐倉寛二郎/空閑由美子/重岡由美子
音楽:服部隆之(オリジナルサウンドトラック SMEJ lnternational)
撮影監督:高間賢治(J.S.C.)
照明:上保正道
録音:瀬川徹夫
美術:小川富美夫
編集:上野聡一
助監督:酒井直人
演出補:白井美和子
アソシエイト・プロデューサー:臼井正明
製作担当:久家豊
スクリプター:杉山昌子

製作:フジテレビ東宝
製作協力:プルミエ・インターナショナル/クロスメディア
配給:東宝

キャスト

柳沢英寿(デザイナー):唐沢寿明
岩田長一郎(大工の棟梁):田中邦衛
飯島直介(シナリオライター):田中直樹
飯島民子(長一郎の次女・直介の妻):八木亜希子

荒川Jr.(大工):伊原剛志
須賀(設計士):白井晃
荒川Sr.(土建屋):八名信夫
佐野(大工):江幡高志
八木田(ペンキ屋):井上昭文
米田(鳶):榎木兵衛
松前(電気屋):松山照夫
永井(左官屋):松本幸次郎

飯島セツ子(直介の母):野際陽子
岩田光代(長一郎の妻):吉村実子
青沼実栄子(長一郎の長女):清水ミチコ
青沼菊馬(実栄子の夫):山寺宏一

中井貴一:彼自身
堀ノ内修司:布施明
マンション管理人:近藤芳正
火星人:遠藤章造

ケントちゃん:梶原善
バーの客:戸田恵子/梅野康靖
エプロンのマスター:小日向文世
背の高い男:松重豊
携帯電話の女:佐藤仁美
ナオミ:エリカ・アッシュ

特別出演:明石家さんま

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