1945年、日本敗戦—— そして、もうひとつの戦いが始まった

2001年/上映時間:2時間2分/ビスタサイズ/ドルビーデジタル 配給:東宝

2002年1月25日DVD発売 2001年5月12日より全国東宝系にて公開

公開初日 2001/05/12

公開終了日 2001/06/08

配給会社名 0001

公開日メモ 「プライド 運命の瞬間」('98)で映画製作に参加した東京映像制作が製作する映画第2弾作品。テーマは、インドネシア独立運動に賭けた元日木人将校を主人公に描く。2000年初夏、インドネシア・ジャワ島で大ロケーションを敢行したインドネシアの解放、独立を夢見た1人の日本人青年を通した、戦争スペクタクル・エンターテインメント作品。

解説



『プライド 運命の瞬間』(98)で映画製作に参加した東京映像制作が製作する映画第2弾作品。

《インドネシア独立のために、誇り高く戦った日本人兵士たち。祖国への想いを断ち、彼らはなぜ戦ったのか。——これは、真実の物語である。》
1945年8月15日——
無条件降伏で終戦を迎えた大日本帝国。激しい混乱と動揺のなか、日本は平和国家として祖国再建への一歩を踏み出そうとしていた。そして同じ日。遥か南方の地では、銃を手に異国の人々と運命を共にすることを決意した日本兵たちがいた。スカルノらが勝ち取った「インドネシア独立」の陰には、祖国に帰ることを選ばず、自らの意志で異国の地に残った名も無き幾千の日本人兵士の姿があった。

映画初主演となる山田純大が主人公の島崎中尉を演じ、その戦友・宮田中尉を保坂尚輝が演じる。ヒロインのアリヤティ役のローラ・アマリヤ他インドネシア人キャストはすべてオーディションで採用。ほかに、山名通訳役に六平直政、島崎らの行動に理解を示す上官・片岡大尉に榎木孝明。インドネシア占領政策を巡って対立する武藤軍務局長と今村中将役に、夏八木勲と津川雅彦といった重厚で存在感豊かなキャストを揃えた。
監督は、市川崑監督、増村保造監督に師事した新鋭・藤由記夫がメガフォンを取り、2ヶ月以上にわたるオール・インドネシア・ロケを敢行。美しく壮大で叙情的な映像表現で、戦争という苛酷な状況下でひとりの人間としてどう生きるべきかを描く、感動巨編が誕生した。

《ムルデカ=MERDEKAとは》
インドネシア語で「独立」を意味する言葉。激しい独立戦争を戦い抜いたインドネシアの人々の精神的な支えとなった合い言葉。

《17805の意味》
後の正副大統領・スカルノとハッタは、日本への感謝を表し、インドネシア独立宣言文に日本の皇記「2605年(=西暦1945年)8月17日」で年号を書き入れ署名した。これを、日・月・年の順に並べた5ケタの数字は、独立を宣言した日として、いまもインドネシア国民に記憶されている。

ストーリー



《遥か南方の地を舞台に、壮六なスケールで描かれる感動巨編》
1941年12月8日、太平洋戦争開戦その翌年、南方戦線進攻部隊・第十六軍の島崎中尉(山田純大)と宮田中尉(保坂尚輝)らは、オランダ軍と激しい戦闘を展開、進軍を続けていた。軍司令部・片岡参謀(榎木孝明)の指令の下、島崎はオランダ軍司令部のあるバンドン要塞に単身乗り込み、敵将に迫って、見事オランダ軍を降伏させる。

そこで島崎は、将来の独立と自治を目指し、インドネシアの青年たちを軍事教練する機関・青年道場を開設。ヌルハディ(ムハマド・イクバル)、アセップ(アウリア・アクサン)ら理想高き青年たちが集った。だが、筋金入りの日本軍人の厳しい指導は、青年たちから強い反発を招き、対立することがあった。しかし、身をもって行動する島崎の姿に感銘を受け、初めは強硬だったヌルハディたちもついには理解を示し、自分たちで独立を勝ち取ることを誓い合う。

1945年8月15日、ついに迎えた終戦。これを機に、〈ムルデカ=独立〉の気運が一気に沸き起こるインドネシア。しかし間もなく、旧宗主国オランダと連合国側からの援軍イギリスが、再びこの国を統治下に置くべくインドネシアに進攻し、独立戦争が勃発した。島崎の教えを受けたインドネシアの青年たちは、真っ先に独立軍に身を投じた。

「青年道場」の教え子たちを案ずる気持ちと、部下を日本へ復員させる責務との間で苦悩する島崎。ついには、連合国側の命令を無視し、残った武器・弾薬をヌルハディたちに引き渡す決断を下す。その結果島崎は、反逆罪でオランダ軍に捕えられ、拷問の日々を送ることになってしまった。しかし、ヌルハディたちが決死の覚悟で収容所を奇襲、奇跡的に島崎を救出することに成功した。自らの命と引き換えに助けてくれた教え子たち。島崎は、日本にいる母(藤村志保)を想いながら、この国に残り、彼らのために戦うことを心に決めるのだった。一方、同じくオランダ軍に捕われ、地獄のような拷問を受けていた宮田は、やがて、捕虜虐待という無実の罪を着せられ処刑されてしまう。遺言は、「インドネシア独立に幸あれ」だった。

いつ果てるともなく続く激しい戦闘に倒れていく独立軍の兵士たち。その中にはヌルハディらインドネシア人兵士の姿だけでなく、かつては島崎と共に日本軍として戦った部下の日本人兵士たちの姿もあった。そして、女性でも独立のために戦えることを示そうとするアリヤティ(ローラ・アマリア)の姿も。日本人とインドネシア人が、国や民族の違いを超えて、独立という悲願に向けて共に戦う同志たちとなった。やがて、インドネシアの未来をひらく、最後の戦いの朝がやって来た……

スタッフ

製作:浅野勝昭
プロデューサー:藤井浩明/福島聡司
脚本:石松愛弘
監督:藤由紀夫
監修:『ムルデカ17805』製作委員会
撮影監督:高間賢治(JSC)
撮影:戸澤潤一
照明:上保正道
美術:中澤克己
録音:宮本久幸
編集:川島章正
音楽プロデューサー:石川光
音楽:国吉良一
装飾:神田明良
衣裳:高木利昭
ヘアメイク:小沼みどり
アクション監督:斉藤英雄
視覚効果:橋本満明
操演・特殊効果:岸浦秀一
スクリプター:赤澤環
助監督:猪腰弘之
製作担当:宿崎恵造

キャスト

島崎中尉:山田純大
宮田中尉:保坂尚輝
片岡大尉:榎木孝明
塚本軍曹:塚本耕司
栗山上等兵:阿南健治
黒川上等兵:山中聡
阿部伍長:保木本竜也
及川一等兵:堀文明
山名通訳:六平直政
川村通訳:水橋研二
唐木中佐:石田太郎
武藤軍務局長:夏八木勲
今村中将:津川雅彦
宮田文子:松原智恵子
宮田早苗:藤谷美紀
島崎房代:藤村志保
アリヤティ:ローラ・アマリア
ヌルハディ:ムハマド・イクバル
アセップ:アウリア・アクサン
パルト:ファジャール・ウンバラ
アユー:アニ・マハラニ

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