原題:PECKER

ハイ、チーズ!この1枚で、僕は天才?あなたは変人?

1998年トロント国際映画祭

1998年9月25日全米公開

1999年/アメリカ映画/ファイン・ライン・フィーチャーズ プレゼンツ/ポーラ・エンターテイメント製作/ カラー/ヴィスタ・サイズ/ドルビーSRD/87min/日本語字幕:林完治/ 提供:テレビ東京、日本ヘラルド映画/配給:日本ヘラルド映画/ オリジナル・サントラ盤:BMGファンハウス

2000年6月7日よりDVD発売 2000年6月2日よりビデオレンタル開始 1999年10月30日恵比寿ガーデンシネマ<開館5周年記念>ロードショー!

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公開初日 1999/10/30

配給会社名 0058

公開日メモ あのジョン・ウォーターズが新境地で皆さまにお届けする、最高にハッピーでラッキーでクレイジーなエピソードの数々!!

解説


あのジョン・ウォーターズが新境地で皆さまにお届けする、最高にハッピーでラッキーでクレイジーなエピソードの数々!!
そして、合言葉は…“SAY CHEESE!!(ハイ・チーズ)”
カメラを向けられ、この言葉をかけられた瞬間、どんなに元気がない人も、不機嫌な人も、気分は爽快、元気溌剌になり、満面の笑顔でレンズに顔を向けるというもの。劇場を出るとき、そんな楽しくて、幸せな気持ちにさせてくれる映画が登場した。それが、ジョン・ウォータース最新作『I LOVE ペッカー』。写真に夢中で、誰からも愛される心優しき青年ペッカーを主人公に、最高にハッピーでラッキーでクレイジーなエピソードが繰り広げられます。
自伝的ともいえるチャーミングで、愛すべきこの映画のメガホンをとるのは、あのジョン・ウォーターズ。ウォーターズといえば、一部の熱狂的なファンを持つ『ピンク・フラミンゴ』に代表されるアンダーグラウンドの曲者、カルト映画の帝王。しかし、監督13作目にあたるこの作品では一転して、新境地ともいうべきポジティブでハッピーな毒に包まれた映像ワールドを展開させた。映画の中のちょっと風変わりな登場人物達には、今までにない程の愛情と思いやりと情熱を注ぎ込み、さらに、一貫してホームタウン・ボルチモアにこだってきた彼が、今回初めて、ボルチモア以外の場所、ニューヨークを映画に登場させる。つまり、『I LOVE ペッカー』はジョン・ウォーターズにとって、ただ単に最新作というだけでなく、物理的にも精神的にも、映画の世界観を大きく広げさせた画期的作品なのである。
ジョン・ウォーターズが新世界への第一歩を踏み入れた、この記念碑的映画に出演するキャストがまた、最高に魅力的である。主人公の写真青年ペッカーを演じるのは、『ターミネーター2』『アメリカン・ハート』のエドワード・ファーロング。これまでの役柄とはまるっきり違った、全く能天気なキャラクターを明るくストレートに演じている。そして、彼のガールフレンドに『アダムス・ファミリー』『アイス・ストーム』のクリスティーナ・リッチ、ニューヨークのアート・ディーラーに『身代金』『アイ・ショット・アンディ・ウォホール』のリリ・テイラー、その他『旅立ちの時』『バックマン家の人々』のマーサ・プリンプトンや『ウェルカム・ドールハウス』のブレンダン・セクストンIIIなどキャリアを積んだ優れた俳優ばかりが、この映画を最高に盛り上げている。
さらにミンク・ストールやメアリー・ヴィヴィアン・ビアスなどウォーターズ作品の常連や、彼の友人であるシンディ・シャーマン、グレッグ・ゴーマンといった本物のアーティストたちも脇役で顔をそろえ、製作チームも、いままで常に一緒にやってきた、息の合ったスタッフばかりが集結。このジョン・ウォーターズの新しい魅力にあふれた新世界に大いに貢献している。
といいながらも、やはりジョン・ウォーターズ映画で、指定つきのR−15(15歳未満は鑑賞不可)。セックスも暴力もないこの作品がなぜそうなったのかも、お楽しみに。

ストーリー


ちょっとピンボケの1枚に、1300ドル(約16万)の値がついた!!
心優しき青年ペッカー(エドワード・ファーロング)。小さい頃に食べ物を“ペッキング”(つっつく)していたからペッカーと呼ばれる彼には欲も上昇志向もない。流行にもファッションにも無頓着。その代わり写真に夢中で、中古のカメラを肌身離さず携えてホームタウンのボルチモアを行き交う人たちや街の何気ない風景を撮りまくっている。
今日もペッカーはボルチモアの中心部に撮影に来ていた。帰りのハムデン行きの市バスに乗り込むや、髪を大きくアップにした黒人女の子2人をパチリ。外を見るとバスを待つ中年男性が走ってきた少年にカツラを取られて大騒ぎ。これもパチリ。社内では超ミニを着た金髪の年増女がムダ毛を剃っている。これもパチリ。ボルチモアはペッカーが思わずシャッターを押してしまう愛すべき人たちで溢れているのだ。
でも、ペッカーが何よりも好んで被写体にするのは自分の身近にいる人たち。親友マット(ブレンダン・セクストンIII)は天才的な万引きの腕を誇る。コインランドリーを経営するガールフレンドのシェリー(クリスティーナ・リッチ)は仕事中毒で、つねに客に監視の目を光らせ、ルールを守らない客には一生出入り禁止を言い渡す。そしてペッカーの愛する家族たち。古着屋をやっている人のいいママ(メアリー・ケイ・プレイス)はホームレスも大切なお客様として扱う。妹のリトル・クリッシー(ローレン・ハルシー)は砂糖中毒でいつもお菓子を欲しがり駄目と言われると癇癪を爆発させるのが玉にキズ。パパ(マーク・ジョイ)はバーを経営しているが、向かいにできたレズビアンのストリップが売りの「裸の館」のせいで商売があがったりだ。おばあちゃんのミーママ(ジーン・シャートラー)はボルチモア一の味と評判のビーフサンドイッチを自宅前の屋台で売っている。ミーママは7歳の頃から祈り続けてきたマリア像が最近喋りだしたと興奮気味。「恵みあふれる」とマリア像が喋るが、なんおことはない。ミーママが腹話術よろしく喋っているだけ。でも優しいペッカーは心から驚くふりをしてパチリと撮影するのだ。姉のティナ(マーサ・プリンプトン)はホモ専門の男性ストリップバーでMCとして大活躍中。
ボルチモアでのささやかな幸福を謳歌しているペッカーだったが、バイト先のサンドイッチ店で個展を開いたことから運命が急変する。ニューヨークでギャラリーを経営しているローリー(リリ・テイラー)が、時にピントはずれだったり露出過多のペッカーのモノクロ写真をベタぼめ、その中の一枚を早速購入。さらにぜひニューヨークのギャラリーで個展をと言ったのだ。
ちょうど地元の新聞がペッカーのニューヨークでの成功を大々的に報じていた。だが、「文化を恐れぬ家族たち」と書かれてママは気分を害し、シェリーは「シミの女神」と名づけられてしまった。そして留守宅には泥棒が入っていた。ペッカーの名声はさらに災いをもたらす。児童福祉課の人間がリトル・クリッシーの砂糖中毒を「愛情不足の運動過剰症」と決めつけて押しかけてくる。顔が知られて万引きできなくなったマットに恨まれ、シェリーもペッカーと距離を置く。ミーママは聖母マリア会の女性にインチキと罵倒され、姉のティナも、ペッカーの写真が元で大好きな仕事をクビになってしまう。ペッカーも自由に撮影できなくなる。
ボルチモアが一番と悟ったペッカーは、店じまいした「裸の館」を「ペッカーの館」に変心させる。壁にはペッカーの写真を展示して、バーをパパとティナが担当、ミーママもマリア像をおごそかに飾り、隣室はママの古着屋だ。ここにニューヨークからアート界の御一行が“下品で卑猥な人たち”を見にやってくる。だが、大きく引き伸ばされたペッカーの新作は、彼らアート界の重鎮たちのぶざまな一瞬を捉えたものだった。最初はとまどいながらも、ボルチモア人と混じり合って楽しみはじめるニューヨーカーたち。水と油に見えたニューヨークとボルチモアの2つの世界が愉快に溶け合う瞬間が訪れたのだ。
…ペッカー、次は何を?
「そうだな、今度は映画でも撮ろうかな!」

スタッフ

監督・脚本:ジョン・ウォーターズ
製作:ジョン・フィードラ、マーク・ターロフ
製作総指揮:マーク・オーデスキー、ジョナサン・ウェイスガル
ジョー・レビット
撮影監督:ロバート・スティーブンス
編集:ジャニス・ハンプトン
美術:ビンセント・ベラニオ
衣装:ヴァン・スミス
キャスティング:パット・モーラン、ホプキンス・スミス・バーデン
音楽:スチュワート・コープランド

キャスト

ペッカー:エドワード・ファーロング
シェリー:クリスティーナ・リッチ
ドクター・クロンプ:ベス・アームストロング
ジミー:マーク・ジョイ
ジョイス:メアリー・ケイ・プレス
ティナ:マーサ・プリンプトン
マット:ブレンダン・セクストンIII
選挙投票所主任:ミンク・ストール
ローリー:リリ・テイラー
リン・ウェントワース:パトリシア・ハースト
ミーママ:ジーン・シャートラー
リトル・クリッシー:ローレン・ハルシー

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