原題:THEORY OF THE LEISURE CLASS

ファットマンがほしいよう アメリカの田舎町レイクマナー、 そこでおきた4件の不可思議な殺人事件、 唯一の手掛かりは被害者が全員ビリー・ボブの店でハンバーガーを 買ったことだけだった。

1998年/アメリカ映画/109min/カラー/ヴィスタサイズ(1:1.66) 配給:ファインアーツ エンタテインメント 配給協力:シネマ・キャッツ

2001年7月6日DVD発売/2001年7月6日ビデオ発売&レンタル開始 2001年1月27日より俳優座トーキーナイトにて独占ロードショー!

ビデオ時に変わった場合の題名 セオリー・オブ・マーダー

公開初日 2001/01/27

配給会社名 0419

公開日メモ この連続殺人事件での唯一の手掛かりは、被害者全員が同じファーストフード店でハンバーガーを買ったことだけだった…。事件について本を書くためにやってきた女性ジャーナリストの出す報酬につられ、バーの女主人ジュリーがこの事件のあらましについて語り始めた。それが『ファットマン』の物語である。

解説


アメリカ、アリゾナ州の田舎町レイクマナー。そこで起きた4件の不可思議な殺人事件とその背後にあった薄気味悪い世界。
この連続殺人事件での唯一の手掛かりは、被害者全員が同じファーストフード店でハンバーガーを買ったことだけだった…。事件について本を書くためにやってきた女性ジャーナリストの出す報酬につられ、バーの女主人ジュリーがこの事件のあらましについて語り始めた。それが『ファットマン』の物語である。

●不吉な思い出:LAタイムズ紙の女性ジャーナリストが、レイクマナーで起きた4件の殺人事件について、バーの女主人から聞き出した話を元にまとめた本、これが『ファットマン』について書かれた唯一の出版物である。価格は19ドル99セント。
なお表紙には、この事件を捜査した後に辞職した殺人課刑事が、事件の中心人物である女性キャリー・ライトを描いた肖像を使用している。

●ファットマン:映画の人気キャラクター、スーパーヒーロー。相棒はトビー。宿敵はネメシス氏。フィギュアも大人気。ビリー・ボブのハンバーガーショップではお子様ランチを買うとファットマン・シリーズのフィギュアがただで付いてくる。

●M16ライフルA1モデル:ベトナムで活躍したコルト社製のアサルトライフルの名品。バディ・バーネットの通販番組で先着10名までの特別セールで購入できる。これと同じ型の銃で75人を射殺した殺人鬼がいたらしい。

●エッシャーの騙し絵:オランダの版画家モーリス・エッシャーが描く、見る人の意識の違いによって印象が変わる幻想的な作品群。

●有閑階級の理論(THE THEORY OF THE LEISURE CLASS):商業主義の巨大な波は、やがて芸術や宗教、文化をも飲み込みアメリカ社会を崩壊させ、その結果モラルは存在しなくなると予言した経済学者ソースティン・ヴェヴレンの19世紀末の著作。

●スーザン・スミス:1994年10月25日、サウス・キャロライナで自分の2人の子供を車の中で溺死させ無期懲役の判決を受けた女性。

この映画のプロジェクトはチューズデイ・ナイト(『ファットマン』の主演女優)がガブリエル・N・ボローニャ監督の前作『THE ELEVATOR』の試写を観た時から始まった。ナイトはすぐにこの監督と仕事をしなければならないと確信し、試写会場で監督をつかまえ自分を主演に映画を撮ってくれるように頼んだ。その時は「いい脚本さえあれば」という返事だった。数ヵ月後、彼女は、友人でもある作家・女優のアンバー・ベンソンの書いた原作をボローニャ監督に見せ、スーザン・スミス系の物語にしたいと説明した。監督は若干20歳の作家の卵が書いた、このレイクマナーで起きた事件についての驚くべき斬新な物語を気にいり、映画化することを決定した。その原作を元に作られた映画が『ファットマン』である。

レイクマナーは退屈な田舎町だ。「聞いてるかい?ビリー・ボブのハンバーガーショップでお子様ランチを買うとファットマン人形がタダでついてくるんだぜ!」この町の人は、バーバラ・ビーまー司会のラジオを聞き、ビリー・ボブの店のハンバーガーを食べて、役に立たなそうな商品ばかり売る通販番組を見ている。車のワイパーにはつまらない広告が挟まっているし、どんなにつらい時でも、セールスの電話が掛かってくる。アルマゲドンが来るかどうかは別として、この町では確実に人々が普通ではなくなっている。

プロデューサーのアテナ・ステンスランドは語る、「この映画は、2人の子供のことが理性を失うほど重荷になってしまった1人の女性についての物語です。」監督は語る。「これは貧弱なショッピングセンターのような、機能障害な場所で機能障害的行動を起こす機能障害をもつ人間の映画です。」

出演は、『エルム街の悪夢4』のチューズデイ・ナイト、『依頼人』のブラッド・レンフロ、『クイズショウ』のクリストファー・マクドナルド、『ロスト・ハイウェイ』のマイケル・マッシー。

ストーリー



アメリカ、アリゾナ州の田舎町レウィクマナー。ある日その町のカウボーイ・バーに店とは不釣合いの都会的な美人が入ってきた。彼女の名前はシンディ・マッケンナ。LAタイムズ紙のコラム記者である。この町で起きた連続殺人事件について聞かせてほしいと、店の女主人でレズビアンのジュリーに頼みに来たのだ。1000ドルの報酬につられ、ジュリーはその事件について語り始める…。

キャリーは元恋人であるジュリーの店で今日もマリリン・モンローなどのものまねショーをしている。ジュリーは、キャリーが夫の暴力に悩まされていることを彼女から聞いており、なんとか手助けしたいと思っている。キャリーの男の恋人バーロウも、暴力夫と子供とクソみたいなに退屈なこの町を捨ててどこかで一緒に暮らそうとキャリーを誘っている。
キャリーの夫ジョーは、2人の借金を返すため朝から晩まで働き、その間に子供の世話をして、夜はいつも遅く帰ってくる最愛の妻を待っている。もちろん愛する妻に手を上げたことは1度もない。
キャリーの妹のマーラはキャリーが大嫌いだ。それに母親のジョナが自分よりキャリーの方を愛していることも知っている。昇進してフェニックスの本社に異動が決まったら弟のビリーと2人でこの家を出て行くつもりだ。

ビリー・ボブのハンバーガーショップでは、イタリア人観光客夫婦に一人の男が怒鳴り散らしている。なっぜなら、その男ベン・エカハートは19年勤めた会社をクビになって世の中を呪っていたところであり、その上アメリカのハンバーガーなんかもう食べたくないという外国人野郎の不満声が聞こえてきたからだ。
そこへ子供たちを乗せたキャリーのバンがやって来た。ビリー・ボブの店でお子様ランチを買うと、映画のスーパーヒーロー、ファットマンの人形がタダで付いてくる。でも子供たちのお子様ランチに付いてきたのは相棒トビーの人形だった。トビー人形だったらもう持っている。「ファットマンがほしいよう!ファットマンをちょうだい!」子供たちが騒ぎ始めた。後ろの車がクラクションを鳴らす。キャリーがバンのアクセルを踏んでドライブスルーから飛び出すと、いまだに怒鳴り散らしているベン・エカハートを危うく轢きそうになった。ベンは今度はキャリーの車に対して怒りを爆発させる。

ジョーが1人で待っていると電話がかかってきた。キャリーの車が何者かに襲われて子供たちが殺されキャリーが重傷を負ったというのだ。ジョン・マクミラン刑事がジョーに容疑者の名前を漏らしてしまう。“バーロウ・ジョーンズ”。ジョーはバーロウを撃ち殺した。ジョーは留置所の中でキャリーから「バーロウは自分の恋人であり、まったく無実だ」と聞いて自殺する。

マーラーとビリーはマクミラン刑事に、姉のキャリーが怪しいから調べて欲しいと頼む。「キャリーはまともじゃない。次の被害者は自分たちかもしれない。」マクミラン刑事はキャリーの調査を始める。しかしどうやらキャリーはシロらしい。
そこへ観光客が殺されたという連絡が入る。被害者はビリー・ボブの店でベン・エカハートに怒鳴り散らされていたイタリア人夫婦だ。キャリーの子供たちと同様、首筋を切られていた。
第一容疑者となったベン・エカハートの家に踏み込んだマクミラン刑事が目にしたのは、床に転がったベンの死体だった。捜査報告書には、キャリーの子供たち及びイタリア人夫妻殺害の犯人はベン・カハートと断定、と書かれ捜査は終了した。
この事件がきっかけで警察を辞めたマクミランがキャリーを家に招いた。マクミランの家にはキャリーの肖像画があった。捜査の過程でキャリーを愛してしまったマクミランが描いたのだ。だがマクミランはセックスの途中でキャリーの本当の姿を知ってしまう。

ビリー・ボブ・ハンバーガーのクジに当たり10万ドルを手にしたキャリーはハリウッドに旅立つ。弟のビリーはキャリーの燃料タンクに異物を流し込む。キャリーの車はしばらく走ったニューメキシコ辺りで爆発する。

バーの女主人ジュリーはシンディにすべてを話した夜に自殺した。シンディはジュリーから聞いた話をまとめ、今回の連続殺人事件についての本を出版した。タイトルは「不吉な思い出」。価格は19ドル99セント。その後シンディはテレビのトーク番組に出演した。そこで彼女が自分の本の宣伝をしたかって?当たり前だろ。もちろんしたさ。

スタッフ

監督:ガブリエル・N・ボローニャ
キャスティング:ジーン・スコッシマーロ
衣装:ケビン・アッカーマン
撮影:クリス・タフティ
プロダクションデザイン:オラ・ステンスランド
編集:ミッシェル・ベレンソン
音楽:ハワード・ドロッシン
共同制作:エリカ・ブラナン
原作:アンバー・ベンソン
脚本:アンバー・ベンソン、ガブリエル・N・ボローニャ
製作総指揮:カルロス・ペレスーゴメス、ロジャー・メンデ
製作:アテナ・ステンスランド、ジェフ:ライス

キャスト

キャリー・ライト:チューズデイ・ナイト
ジュリー:アテナ・ステンスラッド
ビリー:ブラッド・レンフロ
バディ・バーネット:クリストファー・マクドナルド
ジョン・マクミラン:マイケル・マッシー

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