原題:Dragonfly

“きっとまた逢える”この愛さえ信じていれば… 彼方から君が呼ぶ声、僕だけに聞こえる運命のメッセージ

2002年2月22日全米公開

2002年/アメリカ・ドイツ/カラー/104分/DTS / Dolby Digital / SDDS 配給:東宝東和

2003年10月16日よりDVD発売&レンタル開始 2003年10月16日よりビデオ発売&レンタル開始 2003年5月31日よりニュー東宝シネマほか全国ロードショー公開

(C)2001 UNIVERSAL STUDIOS

公開初日 2003/05/31

配給会社名 0002

解説


深く愛し合うふたりに訪れる突然の別れ。愛する人を失ったとき、愛は永遠に終ってしまうのだろうか?そんな問いに答えてくれる『コーリング』は人を愛しく想う心、そして、その心を最後まで持ち続けたときに舞い降りる奇跡を描いたラブ・ストーリーだ。

最愛の妻エミリーを事故で亡くし、悲しみに打ちひしがれるジョーの身の回りで起こる不可思議な出来事。それは彼女が生きていれば絶対に起こらないはずの奇妙なことばかり。なぜだかはわからない、しかし、現実に起こる現象の数々に畏れながらも、やがてジョーは思い始める。もしかしたら何か伝えたいことがあるエミリーが、様々な出来事を通じて自分に呼びかけているのではないか、と。何かが起こるたびに、ジョーはそこから“何か”を読み取ろうと必死になるが、その行動は周囲の人間にとっては、到底、理解に苦しむものでしかなかった。孤独と不安を噛みしめながら、その答えを見つけるため、ジョーはひとり新たな旅へ出る。エミリーへの一途な想いだけを頼りに…だが、その想いはやがて彼の運命を大きく変えるのだった。

この世では理屈では説明がつかない、不思議なことが起こる。自分の辿る旅でこの問題に直面したジョーは、どんなに苦難を強いられようとも、自身に課した想いをひたすら守り続ける。真心とも言える、その意思の力、すなわち<意思カ>が最後には信じがたい力を蓄え、やがて運命すらも変えていくさまをこの映画は描いている。

危険を顧みず、純情を一途に貫く男、主人公の医師ジョー・ダロウ役のケビン・コスナーが素晴らしい演技を見せる。その演技は『フィールド・オブ・ドリームス』でのシューレス・ジョーに熱中するあまり、アイオワ州のトウモロコシ畑を野球場に変えてしまう情熱的なレイ・キンセラを紡佛とさせ、さらに円熟味の増した大人の魅カで観る者の心を深く打つ、また、死んでもなおジョーに愛され続ける妻エミリーには『ランダム・ハーツ』のスザンナ・トンプソン、媒介を通じてエミリーがメッセージを送っているとの考えをジョーに確信させるシスター・マデリンには個性派女倭リンダ・ハント、ジョー夫婦を暖かく、時には厳しく見守る隣人ミリアムにはアカデミー賞女優キャシー・ベイツが扮し、物語に厚みを加えている。監督はこの作品には特別な思い入れがあると語るトム・シャドヤック(『パッチ・アダムス』)。壮大なスピリチュアル・ワールドを舞台に、感動的な人間ドラマを情緒豊かに描き切った。

『コーリング』は観る者を神秘の世界へと誘うばかりか、一度は潰えてしまったあのときの想いをふたたび胸に甦らせる——。「もう一度信じてみよう」そんな気持ちにさせてくれる。

今、愛を信じる心が奇跡を呼ぶ。

ストーリー



ともにドクターであるジョーとエミリーは互いの痛みや喜びを分かち合い、心から愛し合う夫婦だった。小児科に勤務するエミリーは、かねてより恵まれない子供たちのためのボランティア医療を希望しており、ジョーの反対を押し切って、遠くベネズエラに赴いた。ところがある日、豪雨のあおりで乗っていたバスが崖から転落、志半ばでエミリーは尊い命を落とした。ふたりの愛はエミリーの死で、あまりにも突然終わった。この世のものとは思えない悲しみに打ちひしがれ、ジョーの胸は張り裂けそうだった。

葬儀を終え、ジョーは喪失感を埋めるために不眠不休で仕事に打ち込む。しかし、それを見かねた上司は休暇命令を出した。
そんな折、ジョーはエミリーから頼まれていた用事を思い出した。それは留守中、患者の子供たちを見舞ってほしいということだった。ジョーはこっそり小児ガン病棟のICUへやって来た。
「ジョー、ジョー!」
入院中の少年ジェフリーが自分の名を呼ぶ声を耳にしたのは、そのときだった。瀕死状態でうわごとを言っているのかもしれない、しかし、彼は確かにジョーの名前を叫び続けたのだ。
翌朝、幸運にも持ち直した少年に、ジョーはどんな夢を見ていたのかと尋ねる。すると、ジェフリーは憑かれたように十字架のような波線を紙に描きながら、無邪気に話すのだった。
「エミリーが虹の内側にいて、落ちていく僕を助けてくれたの」
一方、自宅にエミリーが生前オーダーしていたトンボのオモチャが届いた。彼女はトンボが大好きだった。彼女を想って、ジョーが目頭を熱くしたとき、どこからか、季節外れのトンボが飛来し、家の周りを浮遊し始めた。
次の日、ジョーは別の患者ベンを訪問する。その少年も、初対面のジョーを以前から知っているかのように話し出した。
「エミリーはあなたに来てほしいって言ってたよ」
「どこへ?」
ベンが指差した先には奇妙な波線があった。それはジェフリーが描いたものとまったく同じものだった。
なぜ少年たちは揃ってこんな話をするのだろう?あの波線は一体何を意味するのだろう?あまりにも偶然で不可解な出来事に動揺しながら、自宅に戻ったジョーはある作業にとりかかる。いつまでもエミリーのものがあると彼女を思い出してしまう、いっそ過去は忘れて新しい生活を始めるように、と隣人のミリアムから再三言われていたからだ。夫婦共通の友人であるミリアムの厳しい言葉の中に、自分を思う優しさを感じとったジョーは、重い腰をあげ、エミリーのものを整理することにしたのだった。
初めに、エミリーが愛用していたトンボの透かしの入ったガラスのペーパーウェイトを薄紙に包み、大切に引き出しの奥にしまった。そして、彼女の衣服はすべてクローゼットから取り出した。ところが、ほんの少し目を離した瞬間、ジョーは信じがたい光景を目の当たりにする。しまったはずのペーパーウェイトが床を転がり出し、衣服はクローゼットの元の場所に秩序よく戻っていたのだ。まるでエミリーの思い出を封印することを遮るかのように…
一連の不思議な出来事には何か理由があるに違いない。さまざまな媒介を通じて、エミリーは自分に何か大切なことを伝えようとしているのではないか、とジョーは考え始める。しかし、手がかりを得ようと躍起になるジョーに対するミリアムの反応はそっけないものだった。
「…それでエミリーには会えたの?」
「こうなったら、僕が死の淵まで追いかけて、エミリーに会いに行くしかない!」
自分の気持ちに解決がつかないまま、エミリーが残したベネズエラの地図に何気なく目をやったとき、ジョーは“あること”を発見する。
確証など何ひとつなく、あるのはエミリーへの一途な気持ちだけだった。しかし、ジョーは決意する。彼女が本当に自分にメッセージを送っているならば、追いかけてみよう、どこまでも…と。
翌朝、ジョーはベネズエラ行きのチケットを握りしめ、ただひとり、迷うことなく旅立った。

スタッフ

監督:トム・シャドヤック
脚本:デヴィッド・セルツァー、ブランド・キャンプ、マイク・トンプソン
原案:ブランド・キャンプ、マイク・トンプソン
製作:マーク・ジョンソン、トム・シャドヤック
   ゲイリー・バーバー、ロジャー・バーンバウム
製作総指揮:ジェームズ・D・ブルベーカー、マイケル・ボスティック
撮影監督:ディーン・セムラー
プロダクシィンデザイン:リンダ・デセンナ
編集:ドン・ジマーマン,A.C.E.
視覚効果監修:ジョン・ファーハット
衣装デザイン:ジュディ・ラスキン・ハウエル
音楽:ジョン・デブニー
音楽監修:ジェフ・カーソン

キャスト

ジョー・ダロウ:ケビン・コスナー
エミリー・ダロウ:スザンナ・トンプソン
ヒュー・キャンベル:ジョー・モートン
チャーリー・ディッキンソン:ロン・リフキン
ミリアム・ベルモント:キャシー・ベイツ
ジェフリー:ロバート・ベイリー,jr.
ベン:ジェイコブ・スミス
シスター・マデリン:リンダ・ハント
パイロット:ジェイコブ・バーガス

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