原題:STEREO FUTURE

映画監督デビュー作「SFサムライ・フィクション」で一世を風靡した中野裕之監督最新作!!

2000年/日本/カラー/111分/ヴィスタサイズ/ドルビーSR/オリジナルサウンドトラック:ロックレコード 製作協力:シネバザール/エスワン・ティースリー 提供:東北新社/タキコーポレーション/TV東京 配給・宣伝:東北新社

2001年6月2日よりテアトル新宿ほかにて公開

公開初日 2001/06/02

配給会社名 0051

公開日メモ 映画監督デビュー作「SFサムライ・フィクション」で一世を風靡した中野裕之監督最新作!!

解説


数々のミュージック・クリップや映画『SF サムライフィクション』の映像作家、中野裕之監督第2作『StereoFuture』が遂に完成した。
日頃から中野監督が温めていた4つの”SF”のエピソード(“StereoFuture””Silent Female””SamuraiFighter””Sounds Funky”)を絶妙に織り交ぜながら、2002年という手に届きそうな”未来”を優しく描くピースフル・ストーリー。恋愛という普遍的な物語を軸にしながら、現在の私達が抱えている環境問題なども絡め、”明るい未来を選択するためにできることは何か”がメッセージとして届けられている。

時は2002年。売れない役者の圭介は、時代劇のオーディションでヒロイン役の美香に見初められ主役に大抜擢される。一方、圭介の元恋人エリは別れのショックで言葉を発することができなくなってしまい、失意の日々を過ごしていた。そんな時、エリの姉薫に連れられ参加した環境問題のシンポジウムで公演していた樹医のダニーと出会い、彼女の傷ついた心が次第に癒されていく…。
キャストには永瀬正敏、桃生亜希子、麻生久美子、緒川たまきのほか、竹中直人、風間杜夫、吹越満、ピエール瀧、松岡俊介など中野監督ならではの豪華な顔ぶれが集結。また中野監督作品の重要なファクターである音楽を清水靖晃、TOWATEl、FANTASTIC PLASTIC MACHINEなどの錚々たるメンバーが手掛ける他、ヤン富田、オーサカ=モノレール、SPEED KINGなどの楽曲も使用されている。

ストーリー


時は2002年。売れない役者圭介(永瀬正敏)は、オーディションで売れっ子女優の美香(麻生久美子)に見初められ、時代劇映画『怪傑主水之介 血祭り七変化』の若侍役に抜擢される。はりきって撮影に挑むのだが、主演・高山(竹中直人)の台本無視のアドリブギャグに翻弄され、困惑してしまう。助監督(赤星昇一郎)には怒鳴られ、監督の槙野(風間杜夫)にも愛想を尽かされる。衣装もカツラも顔も血のりで汚れ、帰宅途中は冷たい目でじろじろ見られ、何をやってもうまくいかない。撮影前、圭介は結婚を考えていた恋人のエリ(桃生亜希子)と別れたばかり。彼女のために役者をやめて職に就こうとしたことが、かえって二人の溝を深めてしまうことに。そのこともあって美香の強引なアプローチにまんざらでもない、という中途半端な気持ちを抱いていた。
美香と初めて寝た夜のこと。圭介の悪友で出所したばかりの健吾(ピエール瀧)と、子分の俊介(松岡俊介)がタイミング悪く圭介の家にやって来る。健吾は悪い奴ではないのだが、「人間は何か大切なことを忘れていないか?」という真っ当なポリシーを持ちつつ、俊介とつるんで偽物高級スピーカーを路上販売している。そして、圭介が映画に出演していることを知り撮影所に売り込みに行くことに。ところが守衛の制止を振りきったために大乱闘に。その様子を目撃した監督に気に入られた健吾は、圭介と一緒に映画出演を果たすことに。やっと役をもらえた圭介は内心面白くない。だんだん「人生の花火を打ち上げるんだ」という理想と現実のギャップに打ちのめされ「一番大事なもののために花火を上げるべきだ」という健吾の言葉にトドメを刺された気分に。
一方、インターネットで同時通訳をしているエリは、別れのショックから言葉を失っていた。エリの姉であるTVディレクターの薫(緒川たまき)は環境問題を扱った番組取材の為にエリと共にシンポジウムに出席。エリはそこで講演していた植物専門医のダニー・モレノ(ダニエル・エズラロウ)の顔に見覚えがあり、電車でしつこくつきまとったイタリア系の外国人と同一人物だと気付く。樹医であるダニーは世界中の木と対話を続けていて、エリと近くにあった美しい森へ一緒に出かけることに。話すことのできない植物に自分を重ね合わせ、エリは少しずつだが癒されていく。信じがたいことだが、空気は少しずつ汚染され、2010年には世界中の樹木が光害や様々なストレスから一斉に枯れてしまうという説まで存在し、街には新鮮な空気をブレンドする”酸素BAR”まで出現。ダニーとエリはその酸素BAR”H20″に立ち寄ってみる。次第に元気を取り戻していたエリはダニーと一緒に踊っていたのだが、気分が悪くなり倒れてしまう。ソファに横たわるエリに駆け寄ってきた店員は偶然にも圭介だった。エリの意識が戻り、視界に圭介が…エリにとって思いがけない再会だった。
薫は、取材で彗星捜索家木内鶴彦氏、京都の植木屋のおじさん、自然洗剤の開発者と会うにつれて、この問題の重要性に気づくのだがなかなか伝えきれない現実を目の当たりにしていた。明るい未来と、そうでない未来が見え隠れする。些細なことでも意識してもらいたい、そのために伝えたい、と働きかける薫だったが、編成局長(大杉漣)からの「個人的意見の押し付けか目立つ」という言葉に悩み、さらにTV局という枠組みの中での軋礫にぶちあたっていた。
一方圭介は、自分にとって一番大切なものは何なのかに悩んでいた。美香の「愛してる?」の問いかけに沈黙してしまった圭介。嘘の目を美香に見破られたかもしれない。念願の映画出演だったはずなのに、曇り空のような気分は依然として続いていた。撮影は、いよいよクライマックスヘ。圭介が捕らわれた姫と若君を救いに向かうシーンだ。現場は緊張感が漂う。圭介の登場、宝刀を抜き、姫達を助け出し一件落着、となるはずだった…。ところが圭介は一世一代の大芝居で、台本無視のアドリブで締めくくる。そして”自分にとって一番大切なもの”へ向かって、走り出していた…明るい未来のために・・・。

スタッフ

監督・脚本・撮影・編集:中野裕之
プロデューサー:滝田和人/古賀俊价/南里幸
脚本:木村雅俊
撮影:多田勉
美術:林田裕至/吉田悦子
照明:椎原教貴
録音:橋本泰夫
フィルム編集:冨田編集室
スタイリスト:望月唯(EIGHT PEACE)/近田まり子
ヘアメイク:菊地正(RITZ)
VFX Supervisor:石井教雄
助監督:芹澤康久
製作担当:鶴賀谷公彦
音楽:清水靖晃/TOWA TEl/FANTASTIC PLASTIC MACHINE/ワタナベ・ノブタカ/TSUKADA/野崎貴潤
タイトルデザイン:立花ハジメ
製作:東北新社
製作協力:シネバザール/エスワン・ティースリー
提供:東北新社/タキコーポレーション/TV東京
配給・宣伝:東北新社

キャスト

桂圭介:永瀬正敏
桃崎エリ:桃生亜希子
桃崎薫:緒川たまき
安藤美香:麻生久美子
高山龍太郎:竹中直人
黒木涼:吹越満
槙野監督:風間杜夫
藤沢助監督:赤星昇一郎
川瀬健吾:ピエール瀧
山本俊介:松岡俊介
ダニー・モレノ博士:Danlel Ezralow

忍者・影丸:谷啓
ビデオ編集者の和田:大竹まこと
テレビ局編成部長の黒岩:大杉漣
テレビ局編成部長の黒岩:きたろう
撮影所の守衛:梶原善
謎の中国人:斉木しげる
彗星捜索家:木内鶴彦
仕掛け屋の屋野:村上淳
かつら職人:杉本哲太
郵便配達人:中村有志
運転手の女性:YOU

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