原題:cosl ridevano

トリノに移住したふたリのシチリア出身の兄弟、 ジョヴァンニとピエトロの物語

イタリア映画際2005上映作品::http://www.asahi.com/event/it05/ ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2000出品作品 1998年ヴェネチア映画祭グランプリ金獅子賞受賞作品

1998年10月2日イタリア公開

1998年/イタリア映画/カラー/上映時間124分/ 配給:オンリー・ハーツ

2001年1月27日より俳優座トーキナイトにて特別全日ロードショー 2001年5月25日ビデオ発売

公開初日 2001/01/27

公開終了日 2001/02/26

配給会社名 0016

公開日メモ トリノに移住したふたリのシシリア出身の兄弟、ジョヴァンニとピエトロの物語

解説


 この映画はもはや今では存在することのないイタリアについて描いています。そして、僕たちが今日生活しているイタリアについてより多くのことを知ることができます。かつてイタリアの人々はこの映画に描かれているように笑い、そして泣いた。この映画は、ひとつの時代に終止符を打つ映画というわけではなく、前の世代から次の世代への深い愛情を込めた掛け橋のような映画です。そして、イタリアという国が戦後の大きな変化、つまり農業国から都会的な産業国へと変化を遂げたとき、僕たちの生活にとって決定的だった終止符というものを正面から据えた映画です。
 僕たちは、急激に高度成長を遂げた経済が作りあげた登場人物たちのキャラクターやその対比、そしてこの時代の暗い側面について描こうとした。僕たちはこの時代の若者たちが勝ちえたこと、そして失ったこととほ何だったのかということを発見したかった。そして、仕事と教養を身につけることによって強く約束された将来、つまり裕福な社会に到達する過程で、第一線に立たされたこの時代の若者たちを見つめたかったのです。

 トリノに移住したふたリのシチリア出身の兄弟、ジョヴァンニとピエトロの物語は、文化的なユートピア、つまり巨大な妄想についての物語です。兄は読み書きが出来なかった。彼にとって電話番号でさえも難儀なものであり、道路表示を読むことも出来ない。さながら盲人のようだった。彼は本をもって道を歩くだけでほっとした気持になり、自分自身を勘違いし、自信づけられた。教養だけが自分たちを裕福にしてくれる唯一の手段と確信していた。そして、どんな犠牲を払ってでも弟に教養を身につけさせたい一心で、弟を学校に通わせるために、どんなにつらい仕事でも、どんなに貨金が安い仕事でも、あらゆる仕事をこなした。やがて、彼はやって良い仕事と悪い仕事の区別がつかなくなってしまい、どこまでを犠牲にしてよいのか、どこまでが合法であるのかが分からなくなっている自分に気づかなくなってしまった。
 時が経つにつれて兄弟は変わっていく。そして最後に、この兄弟は、彼らが変わってしまったと同時にイタリアという国も変わってしまったことに気づく。もはや教養によって裕福になるという夢はこの国から永遠に消え去っていた。

ストーリー



この映画は、トリノの移民したシチリア出身のふたりの兄弟の物語だ。1958年から1964年までの6年間のそれぞれの年のある1日を描いています。
 これらの6日問は、6つの章として物語を構成しています。
 Arrivals(到着)−−−Betrayals(裏切り)−−−Money(金)−−−letters(手紙)−−−blood(血)−−−Familles(家族)
 兄のジョヴァンニは密かに野心的な計画を立てていた。しかし、彼の野心は彼の能力を超えたものだった。彼は読み書きが出来なかったので、弟のピエトロに教員免許を取らせて小学狸の教師にさせようとしていた。別に彼は金持ちになりたかったわけじゃない。ただお金を稼いで、しかも簡単な方法でお金を稼いで生計を立てたかっただけだった。彼の計画を実現するためには、息子のように愛している弟が学問を身につけることが必要たった。学問とは本当に人問を裕福にしてくれるものだ。
 ジョヴァンニの計画は達成した。そして、結果は悩ましいものとなってしまった。おそらく最後までこの兄弟は、彼らが勝者それとも敗者になったのか、経済的に裕福な暮らしを手にするためにどれほど多くの犠牲を払ったのか知ることは決してないだろう。

スタッフ

監督・脚本:ジャンニ・アメリオ
製作:ヴィットリオ・チェキ・ゴリ、リタ・チェキ・ゴリ
撮影:ルカ・ビガッジ
美術:ジャンカルロ・バシリ
衣装:ジャンナ・ジッシ
音楽:アレッサンドロ・ザノン

キャスト

ピエトロ:フランチェスコ・ジュフリッダ
ジョヴァンニ:エリンコ・ロ・ヴェルソ

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