原題:BILLY ELLIOT

僕がバレエ・ダンサーを夢見てはいけないの?

2000年カンヌ国際映画祭監督週間クロージング作品 第13回東京国際映画祭特別招待公式参加作品

2000年9月29日イギリス公開

2000年/イギリス映画/カラー/ヴィスタ/1時間51分/ドルビーSRD/6巻 /日本語字幕:戸田奈津子/サントラ発売:ユニバーサル・ミュージック 後援:ブリティッシュ・カウンシル /提供:アミューズピクチャーズ、テレビ東京、博報堂、日本ヘラルド映画 /配給:日本ヘラルド映画

2005年03月25日よりDVDリリース 2001年7月27日DVD発売/2001年7月27日ビデオ発売&レンタル開始 2001年1月27日よりシネスィッチ銀座、関内アカデミーでロードショー

公開初日 2001/01/27

公開終了日 2001/06/29

配給会社名 0058

公開日メモ 男の子がバレエ・ダンサーになりたいなんて!と炭坑ストライキで失業中のパパは猛反対した。パパは11歳のビリーにボクシングやフットボールで強い男になってほしかった。でも、ビリーが夢中になったのはクラシック・バレエ。バレエの先生だけが、ビリーのダンスの才能を信じていた。

解説


男の子がバレエ・ダンサーになりたいなんて!と炭坑ストライキで失業中のパパは猛反対した。パパは11歳のビリーにボクシングやフットボールで強い男になってほしかった。でも、ビリーが夢中になったのはクラシック・バレエ。バレエの先生だけが、ビリーのダンスの才能を信じていた。
「リトル・ダンサー」は小さな体で大きな夢に向かって羽ばたくビリーの物語。ひたむきなビリーの姿はすべての人に夢ということを思い出させ、ビリーに反対するパパが、やがて息子の夢を叶えるために、亡くなった妻の遺品さえもお金に換えてビリーを応援する姿は、家族の温かさを私たちに教えてくれる。
主人公ビリー役には2000人を超えるオーディションから、13歳のジェイミー・ベルが選ばれた。
演技もダンスもできて、イングランド北東部の訛りを話せる少年を探すのは最大の難題だったが、6歳からダンスを習っていたジェイミーは見事、期待に応え、怒りや悔しさや喜びをダンスで表現する素晴らしい演技を披露。
カンヌ映画祭監督週間でクロージング上映されるや、”無名の少年が一夜にしてスターに1″と絶賛され、涙と笑いと感動で大きな拍手を受けた。
「リトル・ダンサー」は脚本家リー・ホールの一枚のシノプシスから誕生した。炭坑町で育ったバレエ・ダンサー志望の少年というアイディアにプロデューサーたちは魅了された。ホール自身、英国の戦後史で重要な意味を持つ1984年の炭坑ストの真っ只中で少年時代を送った一人。バレエについては実際にロイヤル・バレエ学校でリサーチをして脚本を書きあげた。監督は、英国で最も成功している劇場であるロイヤル・コートの芸術監督を務め、”現代演劇界の顔”として既によく知られていたスティーヴン・ダルドリー。彼は脚本に感動し、本作で長編監督デビューを飾った。ダンス・シーンの振付は、『リチャード3世』などナショナル・シアターの舞台も数多く手がけているピーターダーリング。
ジェイミー自身の動きや、子供のダンス・ドキュメントフィルムを見て研究し、ビリーの気持ちを表現する激しい振付を考案。音楽は80年代に一世を風靡したグラムロックのT.レックスの名曲、そしてパンクロックのザ・クラッシュの代表作「ロンドン・コーリング」などが効果的に使われている。
撮影監督は「トレインスポッティング」や「シャロウ・グレイブ」といった先駆的作品を手がけているブライアン・トゥファーノ。
ウィルキンソン先生役には、舞台でも活躍しOBE(大英帝国四等勲章)を授与されている名女優ジュリー・ウォルターズ。ビリーのパパ役にはケン・ローチ監督の「マイ・ネーム・イズ・ジョー」のシャンクス役で国際的に知られるようになり、舞台でも活躍目覚ましいゲアリー・ルイス。
兄トニー役には「エブリバディ・ラブズ・サンシャイン」で映画デビューしたジェイミー・ドラヴェン。
心優しいおばあちゃん役には舞台・TVで尊敬すべきキャリアを築いてきたジーン・ヘイウッド。
親友マイケル役には、ローラーブレードをしているところをスカウトされ、オーディションに受かった新人スチュアートウェルズ。
そして特別出演しているのは、ロイヤル・バレエ学校からロイヤル・バレエ団に入りプリンシパルを務めた世界のトップ・ダンサーの一人、アダム・クーパー。本作で彼は、99年トニー賞ミュージカル部門最優秀男優賞にノミネートされたAMPの代表作「白鳥の湖」を披露し、さらに大きな感動を与えてくれる。
本作の撮影はイングランド北東部、イージントンの最後の炭坑で行われた。エキストラは地元の新聞紙上で募集され、大勢の元炭坑労働者たちが参加、臨場感あふれる群集シーンを生み出した。
「リトル・ダンサー」はジェイミー・ベルという素晴らしいスターを、キャリアのあるスタッフ・キャスト、そして地元の人々の手で誕生させた輝かしい傑作である。

ストーリー


1984年。イングランド北東部、ダラム州の炭坑町に住む11歳の少年ビリーは、去年の暮れにママを亡くしたばかり。バパと兄のトニーは炭坑労働者で、今はストライキ中のため生活は苦しい。その上、おばあちゃんは物忘れがひどくなり、目を離すとすぐに迷子になってしまう。
そんなある日、ビリーに将来を変えてしまうような出会いが訪れる。彼がボクシングの練習に通っている地元のホールに、ウィルキンソン夫人のバレエ教室が引っ越してきたのだ。ボクシングの練習が終わり、ビリーはウィルキンソン先生に鍵を渡すようコーチに頼まれるが、まごついているうちにデビーという少女に言われてレッスンに飛び入り参加することになる。デビーのママでもあるウィルキンソン先生はそれを見て無愛想に、「やるならバレエ・シューズに履き替えなさい」と叱る。しかし、ビリーのぎごちない動きの中にもダンサーとしての天性の素質があるのを見抜いた先生は、バレエ教師としての情熱を取り民す。
踊ることで、これまでにない解放感を覚えたビリーは、パパには内緒でボクシングの代わりにバレエを習い始めた。その日からビリーの生活はすべてダンスが中心となり、お風呂に入るときも学校へ行くときもステップを踏むようになる。ウィルキンソン先生も、他の生徒たちはそっちのけでビリーを熱心に指導する。しかし、チュチュ姿の女の子たちに混じってレッスンを受けているところをパパに見られてしまったから大変。バレエなんか男のやることじゃないと思っているパパは、ビリーを無理やり家に連れ戻してしまう。
バレエ教室に通うのを禁じられても、ビリーは踊りたい気持ちを抑えることができなかった。パパに理解されない悔しさを激しいステップに込めて、ひとり踊るビリー.ウィルキンソン先生はそんなビリーを見かねて手を差し伸べてくれた。彼にニューカッスルで行われるロンドンの有名なロイヤル・バレエ学校のオーディションを受けさせようと、先生は無料で個人レッスンを始める。毎日、厳しい練習が続いた。ところが、オーディション当日の朝、スト中の炭坑労働者たちに対し大勢の警官隊が役人され、トニーが逮捕された。ビリーはパパと警察へトニーを迎えに行かなくてはならなくなり、ウィルキンソン先生との待ち合わせ場所に行けなくなってしまう。先生は思い切ってビリーの家に話し合いに訪れるが、パパもトニーも無理解で頑固だった。
クリスマスがやってきたが、ストはまだ続いていた.生活は窮乏し、パパはママが愛用していた古いピアノを壊して薪代わりにする。ビリーは夜中に親友のマイケルとホールに,忍び込み、踊り始める。そこへ偶然通りがかったパパが入ってきた。ビリーは怒りをぶつけるかのように力いっぱい踊ってみせる。その姿を見て初めて息子の素晴らしい才能に気づいたパパは、オーディションを受けさせる費用を稼ぐためスト破りを決意する。だが、それは仲間たちへの裏切り行為だ。
スト破りの労働者を乗せたバスを、いつものようにピケを張って阻止しようとする仲間たち。パパはバスの中で顔を伏せ、人生で初めて屈辱を味わっていた。トニーがパパの姿を見つけてバスを追いかけ、必死で止めると、パパは泣き崩れた。しかし事情を知った仲間たちがお金を集め、パパもママとの大切な思い出の品を質に入れた。
こうしてビリーはパパとロンドンへ行き、ロイヤル・バレエ学校のオーディションを受けることができた。やがて、家族みんなが待ち望んだ結果通知が届き、ビリーが封を切った……。15年後、パパとトニーはロンドンのウエスト・エンドの劇場の客席に座っている。隣の席にはマイケルもいる。そして舞台裏には25歳になったビリーが。完壁に引き締まったその肉体は、スポットライトの中に飛び込んだ瞬間、大きな白鳥に姿を変えた。

スタッフ

監督:スティーヴン・ダルドーリー
プロデューサー:グレッグ・ブレンマン、ジョン・フィン
脚本:リー・ホール
エグゼクティブ・プロデューサー:ナターシャ・ウォートン、チャールズ・ブランド
テッサ・ロス、デイヴィッド・M・トンプソン
振付:ピーター・ダーリング
撮影監督:ブライアント・トゥファーノ、BSC
編集:ジョン・ウィルソン
美術:マリア・ジュルコヴィック
衣裳デザイン:ステュワート・ミーチェム
作曲:スティーヴン・ウォーベック
キャスティング:ジーナ・ジェイ
ラインプロデューサー:トーリ・パリー
ヘア&メイクアップ・デザイン:イヴァナ・プリモラック

キャスト

ビリー:ジェイミー・べル
ウィルキンソン先生:ジュリー・ウォルターズ
パパ:ゲアリー・ルイス
トニー:ジェイミー・ドラヴェン
おばあちゃん:ジーン・ヘイウッド
マイケル:ステユアート・ウェルズ
ジョージ:マイク・エリオット
デビー:ニコラ・ブラックウェル
ウイルキンソン氏:コリン・マクラクラン
ビリーのママ:ジャニーン・バーケット
マイケル(25歳):メリン・オーウェン
特別出演:アダム・クーパー

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