原題:Windtalkers

暗号を“生きて”敵に渡してはならないーー魂に響く男と男の熱い絆のドラマ

2002年6月14日全米初公開

2001年/アメリカ/カラー/シネマスコープ/ドルビーSR、SRD、DTS、SDDS/上映時間:2時間14分/日本語字幕:松浦美奈/配給:20世紀フォックス

2007年11月21日よりDVDリリース 2005年04月22日よりスペシャル・エディション版DVDリリース 2005年03月16日よりDVDリリース 2003年01月24日よりDVD発売開始 2002年8月24日より丸の内ルーブル系にて公開

(C)2001 METRO-GOLDWYN MAYER PICTURES INC.

公開初日 2002/08/24

配給会社名 0057

公開日メモ 暗号を“生きて”敵に渡してはならないーー魂に響く男と男の熱い絆のドラマ

解説



『M:1-2』のジョン・ウーが新たに世界に放つ!激しい戦火の中で出会った男と男の熱いドラマ

《ウインドトーカーズ、自らが”暗号”のナバホ族の兵士たち》
第ニ次世界大戦中、”ウインドトーカーズ”と呼ばれるナバホ族の兵士たちがいた。
ナバホ族、それは誇り高きアメリカ先住民族。白人に虐げられ、悲劇の歴史をつづってきた彼らは、それでもなお、独自の文化を守ってきた。その文化の特徴のひとつが文字を持たないこと。それは、通信兵としてまさに最適だった。なぜなら、アメリカ軍の暗号をことごとく解読してしまう日本軍であっても、ナバホ族の通信兵同士の会話は傍受できても、理解することは不可能だったからだ。ナバホ族の言葉自体が、暗号となったのである。

《アクション映画の詩人ジョン・ウーが描く史上最も独創的な戦闘シーン》
激戦地で芽生えた友情と軍への忠誠心との狭間で葛藤する男と男。この男たちの絆のドラマを謳いあげる監督は、『男たちの挽歌』以来、このテーマを追求してきた香港出身のジョン・ウー。『M:1-2』で世界中でメガヒットを飛ばした彼が、史上最も激しく独創的な戦闘シーンと魂に響く人間ドラマを描き切る。

そして、『フェイス/オフ』でジョン・ウー監督とコンビを組んだニコラス・ケイジが、前の部隊でただひとり生き残り、左耳の障害ばかりか心に深い傷を負った海兵隊伍長ジョー・エンダーズを演じる。また、妻と子をアリゾナの保留地に残してきた知的なナバホ族の青年カール・ヤージ一役は、サンダンス映画祭で観客賞を受賞したネイティブ・アメリカンのロード・ムービー『スモーク・シグナルズ』に主演したアダム・ビーチ。ヤージーのナバホ族の仲間チャーリー・ホワイトホース役は、新人ロジャー・ウィリー。彼の護衛役の海兵隊兵士オックス・アンダーソン役は、ジョン・ウー監督の『ブロークン・アロー』でヒーローを演じたクリスチャン・スレーター。エンダーズと恋に落ちる従軍看護婦リタ役は、『A.l.』のフランシス・オコーナーが演じている。

《ジョン・ウーの最高傑作!戦争映画の概念をこえる感動のドラマ》
太平洋戦争の秘話をもとに、力強い人間ドラマの脚本を書き上げたのは、『ブローン・アウェイ 復讐の序曲』のジョン・ライスとジョー・バッター。プロデューサーは、ジョン・ウー監督とともにハリウッドに進出し、『アンナと王様』『M:1-2』を手掛けたテレンス・チャン。撮影は『M:1-2』のジェフリー・キンボール。ハワイのオアフ島のプライベート・ビーチでロケし、1400人ものエキストラを使って迫力ある5種類もの戦場シーンの特殊効果を担当したのは、『スピード』『パーフェクト・ストーム』などを手掛け、『アルマゲドン』でアカデミー賞候補になったジョン・フレイジャー。彼は『パール・ハーバー』に続いて太平洋戦争を再現した。
第二次世界大戦から半世紀以上が経ち、21世紀に入ってもあの戦争を描く作品が数々生まれているが、製作費1億ドルを投じた『ウインドトーカ一ズ』は、これまでの戦争映画の概念を塗り替える、緊迫と感動に満ちた男たちの絆のドラマなのである。

ストーリー



1943年、南太平洋ソロモン諸島ガダルカナル。日本軍の猛攻を受け、エンダーズ伍長(ニコラス・ケイジ)ら4人の兵士が苦戦を強いられていた。まだ若い部下たちは、恐怖に顔を歪めながら次々に敵の銃弾に倒れ、エンダーズも手榴弾の爆発に吹き飛ばされてしまう。しかし、彼は唯一生き残った。左耳に重度の障害と心に深い傷を
負いながら。海軍病院でリハビリを受けながら、平衡感覚まで失っているのに、一日も早く復隊しょうと必死のエンダーズ。脳裏から離れない戦友たちの死に様を思い、責任を埋め合わせたかったからだ。そんな彼を気遣う従軍看護婦リタ(フランシス・オコーナー)。同情から聴力テストのごまかしに手を貸してくれたリタのおかげで、エンダーズは復隊を許される。新しい任務はナバホ族の通信兵とペアを組んで護衛し、彼の戦場での安全を確保することだった。ただし、最優先すべきは暗号の秘密の死守。いざ、通信兵が生きて日本軍の手に渡る事態になれば、いかなる犠牲を払っても阻止せよ、という極秘旨令も含まれていた。一瞬、躊躇したが仕方なく承服したエンダーズに、軍曹昇進が告げられる。
 1943年、ハワイ島キャンプ・タラワ。ここでヤージーとホワイトホースは、自分たちの護衛に任命されたふたりの白人軍曹と出会う。屈託のない笑顔でエンダーズに近づくヤージー。しかし、エンダーズの反応は冷たく、距離を感じさせるものだった。一方、ホワイトホースとペアのオックス(クリスチャン・スレーター)は、すぐに心を通わせていく。そんなオックスに、極秘指令のことを考えて深入りするなとエンダーズは忠告する。彼らの第2偵察隊には、一等曹長のイェルムスタッド(ピーター・ストーメア)と、ナバホ族に偏見を持つチック(ノア・エメリッヒ)、興奮すると呼吸困難になるパパス(マーク・ラファロ)、残してきた新妻を心配するネリー(マーチィン・ヘンダーソン)、いかにもアメリカ人的で健康な若者ハリガン(ブライアン・ヴァン・ホルト)ら新兵たちがいた。
 1944年6月16日、マリアナ諸島の最前線サイパン島に上陸した第2偵察隊は日本軍のサイパン守備隊と激しい銃火を交える。新兵たちが初めての戦場にひるむ中、エンダーズは阿修羅のごとく銃を撃ちまくり、敵をなぎ倒していく。一方、ヤージーもナバホ語の暗号で銃撃位置を知らせ、受信した戦艦カリフォルニアの艦砲射撃で敵陣が吹き飛ぶ。しかし、敵兵とばったり遭遇したヤージーは互いに銃を突き付けあったまま、体が硬直してしまう。人を殺せない,引き金を引けない。業を煮やしたエンダーズの一撃で敵兵は倒れる。
 長い殺戮が終わった夜、月明かりの中でヤージーはホワイトホースから死者の霊を払う儀式を受ける。額に灰を塗ってもらい、戦士としての誇りを取り戻す。そんな儀式をあざ笑うエンダーズに「霊を見たことはあるでしょ?」と聞き返すヤージー。エンダーズの脳裏に再び死んだ戦友たちの顔が浮かぶ。オックスのハーモニカととホワイトホースの縦笛の合奏が静かに夜の中を流れていった。進軍する部隊の野営地跡には、おびただしい十字架の墓標が残される。一方、戦闘を生き抜くたびに兵士たちには連帯感が生まれていく。ヤージーはヘルメットの中に入れてある妻と患子の写真をエンダーズに見せる。相変わらず冷静に振舞うエンダーズだが、護衛の相手の愛するものを必要以上に知ってしまった動揺が見られた。
 ある日、進軍中の第2偵察隊はふいの砲撃にあい、ヤージーの無線機も銃弾を浴び壊れてしまう。それはなんと味方の砲弾だった。部隊は誤った地区に入りこんでいたのだ。窮地に陥った隊のため、ヤージーは自分が日本人と見分けがっかないことを逆手に取る策略を思いつく。そして、ヤージーは日本兵の服を着て、エンダーズを捕虜として敵地に乗り込むことにまんまと成功し、敵の無線機で連絡を取って砲撃をやめさせる。しかし、その時ヤージーは銃剣で初めて敵兵を殺してしまう。この戦いの功績でエンターズに勲章が授与されるが、彼は上官に武勲はヤージーのものだといい、差別的な発言をする上官からヤージーをかばう。そして、勲章を戦死したネリーの妻に送るようにパパスに託すのだった。山間の日本人村でしばしの憩いの時を過ごすエンダーズたち。しかし、またしても日本軍の奇襲に合う。ホワイトホースに危機が迫ったとき、オックスは軍の命令に従うより、彼の命を守ろうとして逆に殺されてしまう。日本軍の手に陥ちかけたホワイトホースは、エンダーズに自分を殺せと合図する。悩みながらも手榴弾を投げるエンダーズ。戦闘が終わって駆けつけたヤージーは、ホワイトホースの死を嘆き悲しむ。彼を殺したのは自分だと告白するエンダーズに銃を向けるヤージー。護衛の本当の任務を知った今、ふたりの絆は切れた。上陸から3週間、あの日から別人のように敵を追撃するヤージーがいた。その自暴自棄な姿はかつてのエンダーズにそっくりだった。盲進するヤージーを追って敵陣に乗り込んだエンターズが気がつくと、味方はたった4人。ソロモン諸島での悪夢と同じ状況だった。いまや無線機も見失い、絶体絶命の危機。ヤージーに対し、軍の至上命令に従うか、それとも。エンダーズは究極の決断を下す。

スタッフ

監督:ジョン・ウー
製作:ジョン・ウー、テレンス・チャン、トレーシー・グラハム、アリソン・ローゼンワーグ
製作総指揮:C.O.エリックソン
脚本:ジョン・ライス、ジョー・バッター
撮影:ジェフリー・キンボール、A.S.C.
音楽:ジェームズ・ホーナー
プロダクション・デザイナー:ホルガー・グロス
特殊メイクアップ効果:ケヴィン・イエガー

キャスト

ジョー・エンダーズ:ニコラス・ケイジ
カール・ヤージー:アダム・ビーチ
チャーリー・ホワイトホース:ロジャー・ウィリー
イェルムッスタッド:ピーター・ストーメアー
リタ:フランシス・オコーナー
オックス・アンダーソン:クリスチャン・スレーター

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