原題:MEN OF HONOR

2000年11月10日全米公開

2000年アメリカ/129分/シネマスコープ/ドルビーSR,SRD,DTS,SDOS/字幕スーパー翻訳:林完治 ステイト・ストリート・ピクチャーズプロダクション 提供:フォックス2000ピクチャーズ 配給:20世紀フォックス

2010年08月04日よりDVDリリース 2007年09月21日よりDVDリリース 2005年04月28日より特別編DVDリリース 2002年07月05日よりDVD発売開始 2001年5月26日より日比谷映画ほかにて公開

(C)2000 TWNTIETH CENTURY FOX

公開初日 2001/05/26

公開終了日 2001/06/22

配給会社名 0057

公開日メモ 1950〜60年代。まだアメリカ海軍に厳しい人種差別の壁があったころ。様々な障害や苦境を乗り越えて、アフリカ系アメリカ人として初めて栄誉ある"マスター・ダイバー"の称号を勝ち取った男がいた。

解説


1950〜60年代。まだアメリカ海軍に厳しい人種差別の壁があったころ。様々な障害や苦境を乗り越えて、アフリカ系アメリカ人として初めて栄誉ある”マスター・ダイバー”の称号を勝ち取った男がいた。彼の名はカール・ブラシア。海軍の歴史を変えた彼の勇気に満ちた物語は、今もアメリカで伝説的に語り継がれている。
ケンタッキーの貧しい小作農の家に生まれたブラシアが、海軍のダイバー養成所での過酷な訓練に立ぢ向かい、鬼教官サンデーとの確執、ケガによる片脚切断という試練の末に夢を実現させるまで。その数奇な半生の物語が、ロバート・デ・二一□とキューバ・プッディングJr.というアカデミー賞スターの共演で映画化された。
ブラシアとサンデー。海に、潜水に命を賭けた者だけが理解する苦しみと闘志。同じような境遇に育った者だからこそわかる家族への熱い思いとハングリー精神。互いの勇気と情熱への尊敬の念……。反目しあっていた二人の男はいつしか深い絆で結ばれ、差別と因習に染まった海軍の鉄壁を突き崩していく。
自分の夢を追い求めるブラシアの不屈の精神、どんな事態にあってもギブ・アップしないヒロイックな行動、エキサイティングな水中のアクション・シーン。そして何より、男同士の共感と友情。ここには単なる実話を超えた興奮と驚きがある。それは人間の精神の勝利であり、心に響く人間関係の物語。この男らしい生き様は、ただそれだけで映画の力強い牽引力となり、見る者の心を魅了し、感動させずにはおかない。

ストーリー


1966年、米軍の核弾頭搭載機が海に墜落した。回収に当たっている深海ダイバーの中に一人の黒人の姿がある。彼の名はカール・ブラシア(キューバ・グッディングJr.)。その様子をテレビで食い入るように見つめているのは最上級兵曹長ビリー・サンデー(ロバート・デ・二一ロ)である。

1943年、ケンタッキー州ソノラ。ブラシア少年は池に飛び込むと、水中を魚のように泳ぎ回った。貧しい小作農民の子ブラシアは父の仕事を手伝おうとするが、父は息子に自分と同じ道を歩んでほしくはない。成長したブラシアは海軍に入隊し、「ここに戻ってくるな」という言葉とともに父から手製のラジオを手渡された。そこには”ASNF”というイニシャルが彫ってあった。
海軍でブラシアを待っていたのは、黒人はコックか雑用係という現実だった。しかし艦艇ホイストに乗り組んだブラシアは、泳ぎの才能を見てとったプルマン大佐(パワーズ・ブース)から甲板兵にとりたてられる。おりしも来艦した郵便ヘリが墜落し、ハンクス大尉(デビッド・コンラッド)の制止を振り切って仲間を救出しようとしたビリー・サンデーは空気塞栓症にかかってダイバー
生命を断たれてしまう。
しかし、この一件がブラシアのダイバーへの夢を駆り立てた。2年にわたって100通以上の嘆願書を書いた末、彼はニュージャージーにあるダイバー養成所への入学を許可される。
ここには教官としてサンデーが赴任していた。検問所で会うなり「高望みするな」と言い捨てるサンデー。黒人に門戸を開いたばかりの養成所では、司令官ミスター・パピー(ハル・ホルブルック)を筆頭に露骨な人種差別が横行していた。ロ一ク(ホルト・マッカラニー)ら訓練生は同じ宿舎に寝ることを拒否し、ただ一人吃音症のスノーヒル(マイケル・ラパポート)だけがルームメイトになった。
サンデーのブラシアヘのイジメは徹底していた。訓練中に事故が起こったとき、ブラシアは訓練生アイザートを救い出すが、英雄としてサンデーから表彰されたのは途中で逃げ出したルークだった。サンデーはブラシアが大切にしていた父のラジオまで壊した。しかし、彼はくじけなかった。厳しい実地訓練に耐え、学科試験でのハードルも図書館での勉強でクリアしていった。それを支えたのは図書館で知り合った医学部志望の美しい女性ジョー(アーンジャニュー・エリス)の存在だった。しかし、間もなく郷里から父の死の報が届く。
ある日、ブラシアとジョーは街のバーでサンデーの妻グウェン(シャーリズ・セロン)に出会った。彼女は夫との不和で荒れていた。彼女にけしかけられるように、ブラシアはサンデーと呼吸制止時間を競うことになる。時間は4分を超え、勝利したのはブラシアだった。この死を賭した激烈な対決に耐えられずに店を出たグウェンは車で事故を起こし、ジョーも「もっと小さな幸せがほしい」とブラシアのもとを去ろうとする。
半年間の訓練も終わり、卒業試験の時がやってきた。司令官からブラシアを合格させぬよう命じられたサンデーは、海底で組み立てる工具の部品をわざとバラバラに散らして海に放り込む。冷たい水の中で作業が長引けば、体温を失って死んでしまう。既に9時間以上が経過した。もう限界だ。ブラシアがギブアップするまで放っておくよう命じる司令官。しかし、サンデーは引き揚げるよう指示し、ロークらがロープを引き始めた。その時、ブラシアから完成の合図が届く。彼はついにやったのだ。そんな彼を桟橋でジョーが見守っていた。
命令に逆らったサンデーは降格された。ある日、ブラシアは父のラジオが修理されてベッドの上に置いてあるのに気づく。”ASNF”という頭文字の横には、アルファベットが書き足されていた。そこに現れたのは”生涯忘れない息子(A SON NEVER FORGETS)”という言葉だった。
ブラシアとジョーは結婚し、子供も生まれた。数年後、グウェンとともにあるパーティに出席していたサンデーは、大佐に昇格したハンクスと再会し、口論になった勢いで殴りつけてしまう。サンデーは再び降格させられた。

再び1966年——謹慎を命じられたサンテーが見ていたテレビに、スペイン沖の公海で核弾頭の回収作業に携わるブラシアの姿が映し出されていた。
ブラシアは接近してきたソ連の潜水艦にロープを引っかけられて危うく命を落としそうになるが、そのおかげで核弾頭を見つけた。しかし、艦に引き揚げる際に起きた事故で脚に大けがを負う。切断は免れたものの、経過は思わしくなく、ダイバーとしての生命は断たれたも同然だった。
その頃、アルコール依存症のリハビリ施設でブラシアの事故を知ったサンデーは、ある雑誌の切り抜きを送った。それは脚を切断しても飛行士として活躍した人物の記事だった。ブラシアはこれを読んで再び夢に賭けた。ジョーが止めるのも聞かず、脚を切断し、義足をつけてリハビリを開始した。
ある日、ブラシアのもとにサンデーが現れた。2級ダイバーの訓練所で働くサンデーは、ハンクス大佐がブラシアをクビにするつもりだと知っていた。彼の陰謀に勝つために、サンデーはワシントンの人事部長を交えた聴聞会を開くよう根回しする。今や、二人の問には信頼が芽生えていた。彼らは共犯者になった。聴聞会の日、傍聴席にはグウェンの姿があった。リハビリ開始以来家を出たままだったジョーも息子を連れてやってきた。ブラシアが現役を続ける条件としてハンクス大佐が要求したことは、最新式の85キロもある潜水服を着て、12歩を歩き切ることであった。義足を使い始めたばかりのブラシアにとって、それは過酷
な試練だった。聴聞会の無慈悲な要求に抗弁するサンデーだが、彼の言葉は聞きいれられなかった。その上、ブラシアが失敗した時には、サンデーまでもが退役を強いられることとなった。
人々が固唾を飲んで見守る静寂の中、ブラシアは歯を食いしばり、最初の一歩を踏み出した。ブラシアとサンデーの”誇り”を賭けた闘いが、今、始まろうとしていた……。

スタッフ

監督:ジョージ・ティルマンJr.
脚本:スコット・マーシャル・スミス
製作:ロバート・テイテル/ビル・バダラート
製作総指揮:ビル・コスビー/スタンリー・ロバートソン
撮影:アンソニー・B・リッチモンド/ASC・BSC
プロダクション・デザイナー:レスリー・デイリー
編集:ジョン・カーター/A.C.E.
衣裳デザイナー:サルバドール・ペレス
音楽:マーク・アイシャム
実在のモデル:カール・ブラシア

キャスト

ビリー・サンデー:ロバート・デ・二ーロ
カール・ブラシア:キューバ・グッディングJr.
グウェン・サンデー:シャーリズ・セロン
ジョー:アーンジャニュー・エリス
ミスター・パピー:ハル・ホルブルック
スノーヒル:マイケル・ラパポート
プルマン大佐:パワーズ・ブース
ハーティガン大佐:デビッド・キース
ローク:ホルト・マッカラニー
アイザート:ジョシュア・レナード
ハンクス大佐:デビッド・コンラッド

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