原題:High Fidelity

欲しいものは自分で手に入れろ!

2000年3月31日全米公開

2000年アメリカ映画/原題=HIGH FIDELITY/上映時間:114分、7巻、3,119m/ スクリーンサイズ:ビスタ/サウンドシステム:ドルビーSRD/翻訳:石田泰子 配給:ブエナビスタインターナショナル(ジャパン)

2005年06月08日よりDVDリリース(05年7月29日までの限定出荷) 2004年11月17日よりDVD発売開始 2003年01月17日よりDVD発売開始 2001年9月19日DVDレンタル開始/2001年9月19日ビデオ発売&レンタル開始 2001年3月3日より恵比寿ガーデンシネマにて公開

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公開初日 2001/03/03

公開終了日 2001/05/02

配給会社名 0069

公開日メモ 世界的なベストセラーとなった同名小説の映画化。中古レコード店を営む青年ボブは、恋人ローラとの破局をきっかけに精神的危機をむかえる。ローラを取り戻すためにも、”これまでに自分を捨てた女ベスト5”たちに、「なぜ自分の恋愛はうまくいかないのか」を聞き出そうとするのだが。

解説


 リアルな恋のホンネとポップなユーモア、そして極上のロック・ミュージック。そんな魅力をブレンドした一風変わったラヴ・ストーリー「ハイ・フィデリティ」が、いよいよ日本上陸。原作小説や輸入サントラ盤のヒットにより、早耳のポップ・カルチャー・ファンの間で話題となっていた注目作だ。イギリスの人気作家ニッタ・ホーンビィによる原作小説はロンドンを舞台にしているが、ここではアメリカ、シカゴに舞台を置き換え、原作のテイストを損なうことなく、人生の選択を迫られる年代の全ての人が抱える内面をビビッドに映し出している。
 好きな音楽に熱中したまま、なんとなく大人になって現在にいたり、誇れるものといえばレコード・コレクションだけ。主人公のロブは、そんな筋金入りのヴァイナル・ジャンキーであり、同時に他人の価値を人間性ではなく趣味で判断してしまいがちなオタク人間。映画は大人になりきれないこのキャラクターをシニカルに笑いつつ、同時に血の通った人物として温かい視点でとらえている。また、女性がそういう男をどうとらえ、どう思っているのか?というリアルな視線もポイント。夢見がちな男に対して、より現実的に愛をとらえる女性の内面が浮き彫りになり、愛に悩む人々に真摯なメッセージを提起している。
 このプロジェクトに挑んだのは、「グリフターズ詐欺師たち」のジョン・キューザックと監督のスティーブン・フリアーズ。製作総指揮に「フォーウェディング」のマイク・ニューウェル監督を迎え、ユーモアとウィットに富んだ作品に仕上げている。”100パーセント自分自身を重ねた”と言うほど原作に惚れこんだキューザックは製作、脚本にたずさわりながら主人公ロブを好演。「マルコヴィッチの穴」の好調をそのまま受け継ぎ、ダメ男の混迷を体現している。一方のフリアーズ監督は「スナッパー」などで発揮した、今を生きる人々をありのままにとらえる的確な演出を披露。会話の歯切れよさを損なわないリズミカルな語り口が、ここでも冴えわたる。
さらに驚くべきは豪華なキャスティング。「プリティ・ブライド」の好演が記憶に新しいキューザックの実姉ジョーン・キューザックや、「ミッション・トゥ・マーズ」のティム・ロビンス、「エントラップメント」のキャサリン・ゼタ=ジョーンズ、「ホーンティング」のリリ・テイラーなど、そうそうたる顔ぶれが結集。
また、「ミフネ」で注目された新星イーベン・ヤイレがヒロイン、ローラを繊細に好演しているのも見逃せない。
 そして忘れてならないのが、もうひとつの主役というべき音楽。ザ・キンクス、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドからステレオラブ、ベータ・バンドまで、ツウ好みの新旧ミュージシャンによるナンバーが全編を彩る。さらにブルース・スプリングスティーンを始めとするミュージシャン本人が劇中に登場。セリフにもロック・ジョークが多数登場し、音楽ファンならニヤリとさせられるに違いない。
ちなみに、”ハイ・フィデリティ”には2通りの意味がある。ひとつは、いわゆるHi-Fi(ハイ・ファイ)といわれる、原音に対する音の忠実度。

ストーリー

 以前クラブでDJをしていたころ。今や弁護士として成功をつかもうとしている彼女に虚勢を張りながら、ロブは別れの理由を問い詰める。”あなたは昔のまま。人や自分が変わることをあなたは許さない”。
彼女の訴えに返す言葉がないロブ。追い打ちをかけるように、共通の友人リズ(ジョーン・キューザック)からイアン(ティム・ロビンス)というローラの新しい恋人の存在を知らされる。以前ロブの上の部屋に住んでいた、精力絶倫のあのイアン!?ロブの胸に言いようのない嫉妬心が沸き起こり、気づけばローラはロブの失恋トップ5に、しっかりチャートインしていた。
確かにロブは浮気もしたし、それが原因でローラが中絶したこともあった。彼女に多額の借金もしている。しかし、もっと根本的なところに問題があるはず。意を決したロブは失恋トップ5の女の子たちを訪ね、自分の何が問題だったのかを問い正そうとする。
 最初は、ローティーンのころに3日間だけつきあった初恋の相手アリソン。彼女の母親によると、アリソンは”初恋の相手”と一緒にオーストラリアに移住したらしい。”これは運命で、僕のせいじゃない”そう思うとロブの心は軽くなった。
 お次は16歳の時の恋人で一度もセックスをさせてくれなかった、映画ライターのペニー(ジョエル・カーター)。久しぶりに再会した彼女は最初こそ穏やかだったが、ロブから別れを切り出された当時のことを思い出し、怒りもあらわに、あの失恋後の出来事でセックス恐怖症になったことを訴える。何はともあれ、自分がフッたらしいことが判明して疑問は解決。
 3番目は、ローラの前に交際していたサラ(リリ・テイラー)。だが、彼女はずい分とサエない暮らしをおくっており、そんな姿を目にしたロブはなんだか相談してはいけない気持ちになってしまった。
ローラが訪ねてきた。”もうイアンとは寝たんだろうか?”そんな不安を思い切って彼女にぶつけてみると、帰ってきたのは、まだ未体験との返事。復縁の可能性は残ってる!すっかり安心し、男としての自信も取り戻したロブは、はずみでマリーと一夜を過ごしてしまう。しかし、途端にローラの言葉が気になりだした。”まだイアンとは寝ていない”…”まだ!?”ということは今後、寝る可能性があるということか?またしても不安に取りつかれたロブは、バーでローラと会い詰問するが、時すでに遅し。ローラはイアンと同棲生活を始めていた。この時からロブはローラにしつこく電話するようになる。ストーカーと化した彼は、リズにたしなめられ、店にやって来たイアンにも警告を受ける始末。

スタッフ

音楽:ハワード・ショア
衣装デザイン:ラウラ・カニングハム・バウワー
編集:ミック・オーズレイ
プロダクション・デザイナー:デビッド・チャップマン,テレーズ・デプレス
撮影監督:シーマス・マクガービー,B.S.C.
共同製作:ジョン・キューザック,D.V.デビンセンティス,スティーブ・ピンク
製作総指揮:マイク・ニューウェル,アレン・グリーンスパン,リサ・チェイスン
製作:ティム・ビーヴァン,ラッド・シモンズ
原作:ニッタ・ホーンビィ
脚本:D.V.デビンセンティス,スティーブ・ピンク,ジョン・キューザック,スコット・ローゼンバーグ
監督:スティーブン・フリアーズ
タッチストーン・ピクチャーズ提供
ワーキング・タイトル・フィルム プロダクション
協力:ドッグスター・フィルム,ニュークライム・プロダクション
スティーブン・フリアーズ フィルム

キャスト

ジョン・キューザック"HIGH FIDELITY"
ジャック・ブラック
ジョエル・カーター
リサ・ボネット
ジョーン・キューザック
サラ・ギルバート
イーベン・ヤイレ
トッド・ルイーゾ
リリ・テイラー
ナターシャ・グレグソン・ワグナー

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