原題:W/O

東大駒場寮にスクウォッティングするイカレたヤツらがいた。 彼らの前をいったい どんな風景が通り過ぎていったのか?

2000年ロッテルダム国際映画祭招待 2000年ウイーンビエンナーレ国際映画祭招待 2000年グローバルゲットー展招待作品 2000年ソウルネットフェスティバル デジタル・エクスプレス特別賞受賞

2000年日本映画/60分/カラー/DV/ 配給:スタンスカンパニー/配給協力:スローラーナー

2001年2月24日よりユーロスペースにてレイトショー公開

公開初日 2001/02/24

公開終了日 2001/03/30

配給会社名 0038

公開日メモ 東大駒場寮にスクウォッティングするイカレたヤツらがいた。 彼らの前をいったい どんな風景が通り過ぎていったのか?

解説


ハセイコウキは知人の誘いで、すでに廃寮となっていた東大駒場寮に住みつく。何者にも邪魔されない表現の場になった駒場寮が壊されるまでの2年間を、日々スケッチした映像コラージュと音楽で構築していく。デジタルの可能性がみえてくる新世代アート作品。

ストーリー


スクウォッティングするヤツラがいた. 彼等の前を一体どんな風景が通り過ぎて行ったのか.

スクウォッティング=公有地に無断居住する.または無断居住地.
アーティスト達が廃屋になったビルに勝手に住み着き、そこを自分達のアトリエにしたり、
建物の中にクラブやギャラリーを作ったり、ライヴを開いたりしている. 
ヨーロッパでよく見られるこんな活動を東京でしている奴等がいた.
スクウォットしていた2年間、彼等はその建物の空気を、そして建物の持つ鼓動を感じ、どんな事を目にしたのだろう.

W/Oは、そこから始まる.

破壊される建物、病床の祖母、立っている犬の顔をした少年、
目にした時間は消え去るのではない.
それは今、ここにある.

東京大学駒場校の中にある駒場寮と呼ばれる建物.

1935年に建てられたこの建物の中に、取り壊しが決定した後も、学籍を持たない奴等が不法占拠していた. 
アーティスト、ジャンキー、バックパッカー、様々な国籍の外国人達、彼等は建物が壊されると別の棟に移動し そこに住んだ.
この建物でオブスキュアというギャラリーをオーガナイズしていた長谷井宏紀もその一人である.

彼等がそこで暮らした2年という歳月、今にも手から零れてしまいそうな日常の記憶.
現れては消えるカットアップされた映像の連続、
荒々しい粒子と滲んだ色の中に、浮かび上がる生と死、破壊と再生. 
視線の記憶はこのW/Oという作品の中で、断片化され、カットアップされ、時間軸から解き放たれ、カオスのように渦巻いている.

デジタルビデオで撮影されコラージュされた映像の色は滲み、荒々しい粒子で構成されている.
そこに浮かびあがる長い建物の廊下、交わされた会話、スクワッターの抵抗、死に行く祖母、犬の死体、舞い落ちる花.

言葉はいらない.

口から吐き出される前の記憶とは、もしかしたらこのようなものかもしれない.
白く枯れた一輪の花を胸に、犬の顔をした少年はどこへ行くのだろう.
そして、記憶のかけらは透明化し、東京の上空へと拡散して広がっていく.

スタッフ

製作:スタンスカンパニー、大宮映像製作所、OBSCURE TECHNICAL VOMIT
監督:長谷井宏紀
音楽監督・音楽:藤乃家舞+Kujun
音響技術:白井知樹
編集:鹿志村茂
翻訳:藤岡朝子
制作:安彦さちえ
制作補助:鷹野依登久、中瀬健次、HACH

キャスト

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