追憶

『駅 STATION』(1981) 『夜叉』(1985) 『あ・うん』(1989) 『鉄道員』(1999) 『ホタル』(2001)と、日本映画史において数えきれないほどの名作を世に送り出してきた、監督降旗康男×撮影木村大作の黄金コンビ。

降旗監督は名実ともに日本を代表する映画監督であり、『鉄道員』では第２３回日本アカデミー賞最優秀監督賞を受賞。木村大作は過去日本アカデミー賞最優秀撮影賞を５回受賞、キャメラマンとしてだけでなく映画監督としても『劔岳 点の記』（2009）で第３３回日本アカデミー賞最優秀監督賞を受賞しています。

そしてこの度、日本映画界屈指の名匠二人が９年ぶりにタッグを組み、待望の１５作品目となる新作映画の制作が決定いたしました！高倉健をはじめ、長年にわたり時代を代表する映画俳優を撮り続けてきた二人が今回主演に迎えるのは、第３８回日本アカデミー賞で最優秀主演男優賞（『永遠の０』）、最優秀助演男優賞（『蜩ノ記』）をダブル受賞し、独自の存在感を持ち重厚な演技力にも定評がある国民的俳優の岡田准一。半世紀に渡り日本映画界の中枢的存在で在り続ける降旗康男と木村大作は、本作を『新しい旅のはじまり』だと断言します。全世代から幅広い人気を誇る俳優・岡田准一を主演に迎え、共演には映画では岡田准一と　初共演となる小栗旬をはじめ、柄本佑、長澤まさみ、木村文乃、安藤サクラ、吉岡秀隆など日本を代表する豪華俳優陣が集結、新たなステージへ挑戦し日本映画界に再び歴史を刻みます。

そして名匠二人が惚れ込んだ本作の脚本は、高倉健の遺作となった『あなたへ』（監督:降旗康男）で、　　夫婦の繊細な心の機微を紡ぎ出した脚本家・青島武と映画監督・瀧本智行による完全オリジナルストーリーです。幼少期を共に過ごした少年３人が、一つの殺人事件を通して、刑事、容疑者、被害者という形で再会を果たし、事件の真相、そして心に蓋をしてきた忌まわしい過去と対峙していく——ミステリーの中に過去と　現在の登場人物たちの心情が行き交い、切なさを超えた深い感動が待つヒューマンドラマとなっています。　　　過去から逃れるために刑事となったが、一つの殺人事件をきっかけに過去の自分と向き合っていく男・四方篤を岡田准一、少年時代を一緒に過ごした旧友であり、事件の捜査線上に浮かび上がる容疑者・田所啓太を小栗旬、その事件の被害者・川端悟を柄本佑が演じます。

降旗康男×木村大作作品といえば、圧倒的な自然の画が印象的に切り取られてきましたが、本作でも日本海の荒波を臨む景観が魅力の北陸の地を中心としたロケーションで撮影を敢行します。日本映画界屈指の名キャメラマン木村大作が撮影する、荒ぶる日本海、立山連峰を望む町並み、美しい間垣の集落、能登半島に沈む夕陽など、“厳しく、寂しく、美しい”景色が観客の心を揺さぶることになるはずです。正統派の品格を持つ日本映画として最高峰のスタッフ・キャストにより制作される本作にご期待ください。尚、本作は、2017年全国東宝系にて公開予定です。