2016年/日本/カラー/??分/ 配給:東映

2016年08月03日よりDVDリリース 2016年2月27日公開

(C)2016 映画「女が眠る時」製作委員会

公開初日 2016/02/27

配給会社名 0004

解説


 狂っているのは自分なのか。それとも、目の前の現実か。
 美しい海辺に佇むリゾートホテルに滞在していた小説家の健二は、処女作のヒット以来、良き題材に恵まれず自らの才能に苦悩していた。ある日彼はプールサイドで初老の男性・佐原と若く美しい女性・美樹という親子ほど年の離れたカップルを見かける。ほんの好奇心から始まった健二の「覗き」はやがて常軌を逸した行動へと変化していく。

  本作のメガホンを取るのは、映画『ジョイ・ラック・クラブ』で映画ファンの注目を集め、1995年の『スモーク』がベルリン国際映画祭銀熊賞に輝いた名匠ウェイン・ワン。ニューヨーカー誌に掲載されたスペイン人の著名作家ハビエル・マリアスによる短編小説を日本映画にすることを自ら提案、ワン監督にとって初となる日本映画の監督に挑む。

 ワン監督のもとには日本を代表する豪華な演技派俳優陣が集結。謎めいた初老の男・佐原を、自作以外での映画主演は実に12年ぶりとなるビートたけし、佐原の行動に振り回されていく作家・健二を映画『CUT』での鬼気迫る演技がヴェネチア国際映画祭にて絶賛された西島秀俊が演じる。ミステリアスな若い女性・美樹には、オーストラリア出身で国際派女優としての期待も高い忽那汐里、健二の妻・綾役に現在ニューヨークに拠点を移して活動している小山田サユリ。ほかにも、佐原たちの過去を知る謎の居酒屋店主にリリー・フランキー、健二に疑いの目を向ける刑事役に新井浩文、綾の友達でホテルの従業員役に渡辺真起子など国内外で活躍中の俳優が名を連ねている。

 キャスト同様、製作陣も日本映画界を代表する精鋭スタッフが参加。プロデューサーは、イーサン・ホークが主演・監督しヴェネチア国際映画祭に正式出品された映画『痛いほどきみが好きなのに』ほか、海外作品を多数手がけてきた木藤幸江。エグゼクティブプロデューサーは『座頭市』『十三人の刺客』など数々のヒット作を生み出した白石統一郎。ワン監督の要求するカメラワークを実現させたのは、映画『軽蔑』『さよなら歌舞伎町』など多くの作品で撮影を務めた鍋島淳裕。また、2011年に癌告知を受けた父を主演としたドキュメンタリー『エンディングノート』で注目された砂田麻美がオリジナルの英語脚本を、監督の意志を汲みながら繊細な日本語の脚本に昇華させている。

若く美しい女性と男との異常な関係、覗きへの罪悪感と止まらない好奇心、隠された衝撃の過去……、リゾートホテルという閉塞的な場所で次第に自分自身を見失っていく男。「狂っているのは、自分なのか。それとも<あの男>なのか」。少しずつ狂気に冒されていく男の姿を描く、セクシー・サスペンス。

ストーリー







DAY1
 作家の清水健二(西島秀俊)は1週間の休暇を取り、妻の綾(小山田サユリ)と共に郊外のリゾートホテルを訪れる。初めて書いた小説がヒットしたもののスランプに陥り、今後就職することが決まっていた健二は、妻との関係も倦怠期を迎え、無気力な時間を過ごしていた。滞在初日、彼はプールサイドで異様な存在感を放つ、初老の男・佐原(ビートたけし)と若く美しい女性・美樹(忽那汐里)のカップルに目を奪われる。

DAY2
 翌日、健二はホテル内で彼らを見かけるたびに、後をつけていくようになる。二人を追ううちにたどり着いた場所は、異様な雰囲気を放つ店主・飯塚(リリー・フランキー)がいる民宿。そこで健二は佐原と幼い美樹と両親が写っている写真を見つける。その日の夜、眠れずにプールサイドを散歩していた健二は、思わず佐原たちの部屋を覗く。部屋の中では、美樹の産毛を綺麗に剃り、眠る姿を撮影している佐原の姿があった。その後、プールサイドで佐原と初めて言葉を交わした健二だったが、美樹が眠る動画を見せながら彼が言った「あの子の最後の日を記録しようと思ってる」という言葉に底知れない恐怖を覚える。

DAY3
 朝食会場で佐原たちカップルと相席になった健二と綾。美樹は、佐原との関係について「佐原とは小さい時からずっと一緒にいるの」と話す。皿いっぱいに朝のビュッフェを盛り付けてきた美樹を見て「若いっていいわね」と皮肉交じりに言い放った綾に「じゃあもっとセックスすればいいのに」と奔放な態度を見せていた美樹だったが、「いつかこの子がわたしを裏切る日がくる……」と異様な目で佐原が見た瞬間、怯えた表情を浮かべる。その後、佐原の部屋に呼ばれた健二は「君は若くて無垢な女が寝ているところを見たことがあるか?」と聞かれ、彼が幼い頃から現在まで、美樹が眠っているところだけを撮影したテープを見せられる。その日の夜、プールサイドで「愛が死ぬなら、あの子を殺したほうがいい」と独り激昂する佐原の姿に健二は言葉を失う。

DAY X
 危険を感じながらも止まらない好奇心。狂気をはらむ佐原に恐怖を感じながらも、健二の行動は次第に常軌を逸していく。しかしある朝、健二の元に伊豆署の刑事・石原(新井浩文)が訪れ、美樹の失踪を告げ——。美樹への執着、綾への疑惑、そして佐原への恐怖。さまざまな思いが健二を追い詰めていく中、狂気は思わぬ結末を招く。

スタッフ

監督:ウェイン・ワン
原作:ハビア・マリアス
脚本:マイケル・レイ
シンホ・リー
日本語脚本協力:砂田麻美
撮影:鍋島淳裕

キャスト

ビートたけし
西島秀俊
忽那汐里
小山田サユリ
リリー・フランキー
新井浩文
渡辺真起子

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