裁かれるは善人のみ
原題:Leviathan
ゴールデングローブ賞外国語映画賞受賞
2014年/ロシア/140分 配給:ビターズ・エンド
2015年10月31日 新宿武蔵野館他、全国順次ロードショー
© 2014 Pyramide / LM
公開初日 2015/10/31
配給会社名 0071
解説
<第67回カンヌ国際映画祭 脚本賞> <第72回ゴールデングローブ賞 外国語映画賞>
世界中の映画祭を席巻し、圧倒し、叩きのめし、26の賞を獲得!
力強い筆致で描かれる、重厚で壮大な人間ドラマ。
カンヌ国際映画祭脚本賞、ゴールデングローブ賞外国語映画賞受賞、アカデミー賞(R)外国語映画賞にもノミネートされ、各国の主要映画祭を席巻した『裁かれるは善人のみ』。監督は『父、帰る』で、デビュー作にしてヴェネチア国際映画祭金獅子賞に輝き、続く『ヴェラの祈り』『エレナの惑い』と2作連続でカンヌ国際映画祭で賞を受賞した、世界が認めるロシアの鬼才アンドレイ・ズビャギンツェフ。ロシア北部バレンツ海に面する荒涼とした小さな町を舞台に、そこで暮らす善なる市井の人々と、権力を振りかざし土地の買収をもくろむ行政との対立を描く。
そこから数珠繋ぎのように悲劇的に綻んでいく人間模様——。罪のない人に降りかかる、抗っても決して勝つことのできない非情な程の困難。秀逸な構図と、ロシアの広大で荘厳なロケーションが、人と国家と神、そして悪についての深淵で普遍的な物語を際立たせる。
権力をまとった陰謀か、無慈悲な神の裁きかー—
静かな入り江の町に人々の嘆きがこだまする。
入り江のある小さな町。自動車修理工場を営むコーリャは、若い妻リリア、息子ロマと共に、住み慣れた家で暮らしている。1年後に選挙を控えた強欲な市長のヴァディムは、とある計画のため権力に物をいわせ、彼らの土地を買収しようと画策する。自分の人生のすべてともいえる場所を失うことが耐えられないコーリャは、強硬策に抗うべく、友人の弁護士のディーマを頼ってモスクワから呼び寄せる。そして漸く市長の悪事の一端を掴み、明るみに出そうとするのだが……。穏やかだった海はすべてを飲み込むかの如く荒々しく姿を変え、潮が引いた海辺には、巨大なクジラの白骨が横たわる。圧倒的な自然の前で人間が非力なように、欲が肥大化した権力を前に闘うコーリャもまた、なすすべもなく打ちのめされていく。正直に生きる矮小な人間に、神は微笑むのだろうか——。
実在の事件、数々の書物から浮かび上がる“義人の苦難”
難作を生み出した監督、キャスト、スタッフを世界が賞賛!!
本作は、アメリカで実際に起きた土地の再開発をめぐる悲劇的な事件をベースに、無実の罪を問われて財産を奪われた男の物語「ミヒャエル・コールハースの運命」、旧約聖書「ヨブ記」、そしてトマス・ホッブズによって書かれた国家についての政治哲学書「リヴァイアサン」などから着想を得て作られた。世界のいたるところを舞台にした作品群であるにも関わらず、統一された世界観の脚本を監督と共に執筆したしたのは、『ヴェラの祈り』『エレナの惑い』に続き、オレグ・ネギン。人間が抱える普遍的な緻密に描き出した脚本は、第67回カンヌ国際映画祭で脚本賞に輝き、賞賛された。
また、キャストには主演アレクセイ・セレブリャコフをはじめ、演技力が高く評価されている役者陣を起用。運命に翻弄される主人公の妻リリアを演じたエレナ・リャドワは、『エレナの惑い』に続いてズビャギンツェフ作品に出演、本作でロシアのアカデミー賞であるニカ賞で最優秀主演女優賞受賞を果たした。また、音楽には、『クンドゥン』(97)、『めぐりあう時間たち』(02)、『あるスキャンダルの覚え書き』(06)などの映画音楽を担当し、アカデミー賞(R)作曲賞に3度ノミネートされた作曲家フィリップ・グラスのオペラ「アクナーテン」の楽曲を使用。壮麗なオーケストラが本作の世界観に見事にマッチしている。
ストーリー
入り江のある小さな町。自動車修理工場を営むコーリャは、若い妻リリア、そして先妻との間に生まれた息子ロマと共に、住み慣れた家で暮らしている。1年後に選挙を控えた市長のヴァディムは、権力に物を言わせ、彼らの土地を買収しようと画策する。
自分の人生の全てともいえる場所を失うことが耐えられないコーリャは、強行策に抗うべく、友人で弁護士のディーマを頼ってモスクワから呼び寄せ、市長の悪事の一端を掴み、明るみに出そうとするのだが……。穏やかだった海はすべてを飲み込むかのごとく荒々しく姿を変える。
圧倒的な自然の前では人間が非力なように、欲が肥大し強大になった権力を前に闘うコーリャもまた、なすすべもなく打ちのめされていく。
正直に生きる矮小な人間に、神は味方をするのだろうか——。
スタッフ
監督:アンドレイ・ズビャギンツェフ
製作:アレクサンドル・ロドニャンスキー
セルゲイ・メルクモフ
製作指揮:エカテリーナ・マラクーリナ
脚本:アンドレイ・ズビャギンツェフ
オレグ・ネギン
撮影:ミハイル・クリシュマン
美術:アンドレイ・ポンクラトフ
衣装:アンナ・バルトゥリ
編集:アンナ・マス
音楽:フィリップ・グラス
キャスト
アレクセイ・セレブリャコフ
エレナ・リャドワ
ウラジーミル・ヴドヴィチェンコフ
ロマン・マジャノフ
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