能楽師・津村禮次郎の身体と活動を通して、伝統文化「能」の 新たな魅力と表現の可能性を発見するドキュメンタリー映画

2015年/日本/カラー/110分 配給:究竟フィルム

2015年6月27日公開

Copyright:究竟フィルム KUKKYO FILMS

公開初日 2015/06/27

配給会社名 1649

解説


《そこに、出会いと発見があるから面白い》

70歳を超えてなお、古典能だけでなく、新たな表現を求めて異なる文化・人種・世代を軽やかに、大胆に踏み越えていく能楽師・津村禮次郎。バレエやパントマイム、バリ舞踊など様々なジャンルのアーティストとのコラボレーションから見えてくる、能の魅力と表現の可能性。津村の精力的な活動を5年間に渡って追ったドキュメンタリー。
観る者の心も躍らせる、この旅路に終わりはない。

出演の観世流能楽師・津村禮次郎は、「国指定重要無形文化財(能楽総合)保持者」。
古典に没頭した30代から一転、40歳を過ぎてから現在に至るまで、創作能の発表や異なるジャンルとのコラボレーションを精力的に行っている。2010年に劇場公開した『朱鷺島-創作能「トキ」の誕生』(三宅流監督)は、津村が佐渡の小学生が書いた作文を原案に佐渡の太鼓集団・鼓童と共に創作した「トキ」の制作過程を追ったドキュメンタリー映画で、この時の出会いと経験が今作の基になっているといえる。

監督の三宅流は、身体性を追求した実験映画からそのキャリアをスタート、その後『面打men-uchi』『朱鷺島-創作能「トキ」の誕生』『究竟の地-岩崎鬼剣舞の一年』を製作し、伝統芸能とそれが息づくコミュニティ、また表現におけるコミュニケーションと身体の在り様をドキュメンタリーで描き続けてきた。『躍る旅人−能楽師・津村禮次郎の肖像』は「身体」「伝統芸能」「コミュニケーション」といったこれまでのテーマの集大成ともいえる作品となった。
劇中には、コンテンポラリーダンサーの小㞍健太、森山開次、酒井はな、平原慎太郎、パントマイムの小野寺修二、そしてバリの民族舞踊団WBスダマニと多岐に渡るアーティストが出演。
多種多様な表現の協演は、それぞれの魅力の再発見と新たな作品世界の誕生の喜びに満ちている。また音楽家の石田匡志が本作のために書き下ろしたテーマ曲にもご注目ください。

ストーリー







躍動する能楽師の、果てしなき冒険の旅

70歳を迎えた能楽師・津村禮次郎。古希を祝う記念能が国立能楽堂で行なわれた。津村はここをひとつの通過点と捉え、これから出てくる自らの可能性と、今後の活動への期待感に胸を躍らせていた。
津村禮次郎は19歳の時、初めて能に触れる。当時女流能楽師のパイオニア・津村紀三子の芸能に強く惹かれ、内弟子となった。以後、ひたすら古典能の研鑽に没頭し、40歳を過ぎたあたりから、創作的な活動を行うようになった。津村が様々なコラボレーションで発揮する身体表現の広がりと力強さは、能という芸能における、長い間の厳しい修行と鍛錬に裏打ちされたものである。

伝 統 を 厳 し く 習 得 した上での新しい創造的な表現へのチャレンジ、そして、各地で会 っ た人々とのしなやかなコミュニケーションの取り方は、表現に関わる人間だけではなく、いまの時 代 、 異なる文化、人種、宗教を持つもの同士のコミュニケーションのあり方にも通ずるのではないだろうか。
人生も、芸道も、留まらないからこそ出会いがあり、出会いがあるからこそ新たな発見がある。津村禮次郎の旅は、まだ終わらない。

スタッフ

監督・撮影・編集:三宅流
出演:津村禮次郎、小㞍健太、酒井はな、森山開次、平原慎太郎、小野寺修二、
Ni Wayan Sekariani ほか
音楽:石田匡志
整音:種子田郷
撮影協力:与那覇政之
編集助手・予告編:上原拓治
タイトル・クレジットデザイン:成瀬慧
制作助手・英語字幕:細谷由依子
写真提供:森田拾史郎、桜沢哲夫
宣伝美術:成瀬慧
協力:緑泉会 スタジオ・アーキタンツ オフィス・ルウ カンパニー・デラシネラ
佐渡観光協会 小金井薪能実行委員会 一橋観世会 セルリアンタワー・能楽堂
国立能楽堂 喜多六平太記念能楽堂 せんだい演劇工房10-BOX 高橋泰裕
利尻麒麟獅子舞保存会 小池博史ブリッジプロジェクト 熊野本宮大社 熊野鬼城太鼓
古澤巌 石田一志 ふじたあさや
プロデューサー:加瀬修一、田村昌裕
製作:究竟フィルム KUKKYO FILMS、contrail、株式会社アースゲート
助成: 文化庁文化芸術振興費補助金
配給:究竟フィルム KUKKYO FILMS 配給協力・宣伝:contrail

キャスト

津村禮次郎
小尻健太
酒井はな
森山開次
平原慎太郎
小野寺修二

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