ストロボ ライト
013年/日本/カラー/120分 配給:「STROBE LIGHT」製作委員会
2015年4月11日公開
(C)「STROBE LIGHT」製作委員会
公開初日 2015/04/11
配給会社名 1616
解説
関西発!! 日本映画界の大きなムーブメント、大阪芸術大学。
石井裕也(『舟を編む』)、熊切和嘉(『私の男』)、山下敦弘(『もらとりあむタマ子』)、呉美保(『そこのみにて光輝く』)に続き、またひとり大型監督が登場した!!
監督の片元亮は本作が劇場公開デビュー作となる完全無名の映画監督。中島貞夫に師事し、多くの映画監督を輩出、いまの日本映画界を支える大阪芸術大学出身の本格派の大型新人監督だ。
本作の制作は、2010年伊丹市の後援を受け開始した。東京を舞台にした物語でありながら伊丹市を中心に関西での撮影を敢行。スケールの大きな映画作りを関西という地域にこだわって実現させた。
自主製作の枠を大きく超えた、新人監督とは思えない、その本格的な作品は関西の映画界で大きな反響を呼び、大阪・京都・神戸での先行劇場公開では多くの観客が劇場につめかけた。その『ストロボ ライト』が満を持して東京に上陸する。
真実がズレている
記憶を失くした刑事
その事件の真相は23年前に決まっていた
閑静な住宅街で起こった殺人事件。それは遺体から手首を切り落とすという猟奇的なものだった。奇妙な殺人事件をめぐって繰り広げられる本格派サイコサスペンスでありながら、ラブストーリーの側面を持つ本作。緻密に展開されていく「刑事ドラマ」と主人公を支えようとする恋人との「純愛ドラマ」サスペンスとラブストーリーが交錯する、心に響くクリミナル・ラブストーリー、それが映画『ストロボ ライト』である。
映画という祭り
兵庫県伊丹市×完全無名の映画監督が世に打ち出す長編映画
監督の片元亮は本作が劇場公開デビュー作となる完全無名の映画監督。彼にとってなんの所縁もないはずの地で映画というお祭りが始まった。その場所が兵庫県伊丹市である。
自主制作体制による劇場公開映画制作プロジェクトは、2010年伊丹市の後援を受けロケを開始。東京を舞台にした物語でありながら伊丹市を中心に関西での撮影を敢行した。
“伊丹(まち)で遊ぶ。映画で遊ぶ”をキーワードに撮影前からサポーターズクラブが発足し、地元の人達と共に撮影そして完成へと歩みを共にした。
片元亮という新しき才能とタッグを組んだ地域の力。そして自らも世の中に這い出んとする個性豊かな俳優たち。それぞれの“本気と遊び”が結実したものをぜひ劇場で楽しんで欲しい。
関西から発信
関西からの発信が作り出す潮流、世界へ
通常の商業映画の枠を超えて作り出した祭りは確かな物語性を帯びて本作に焼き付いている。完全無名の監督にしか表現できない「何か」がそこにある。撮影そして配給まで自らの手で手掛け、こけら落としの場に選んだのは『STROBE LIGHT』が生まれた関西だ。
完成披露上映会での大盛況を受け、パイロット版でありながら招待作品として上映された第13回宝塚映画祭では劇場に入りきらない程の観客動員を記録。その反響は大阪へと拡がり、第8回大阪アジアン映画祭では映画祭初のオープニングムービーロゴを監督の片元亮が担当。それを機に大阪、兵庫での上映が決定した。その一方、京都映画祭で出会った立命館大学川村健一郎准教授の目に留まり、京都試写を決行。京都での上映へと繋がった。そしてハンブルグ日本映画祭に正式招待と浸透を始めた本作。今まさに関西で起きた祭りの波は地方や大都市へと飛び火せんとしているのだ。
ストーリー
警視庁捜査一課の刑事、小林秀(福地教光)は地下鉄のホームに立っていた。自らの担当する患者に暗示を掛け殺人を促した精神科医・藤堂明(塚本修)の殺人教唆を立証できず、その藤堂に自らの手で制裁を下した小林の謹慎明け初日のことだ。
その日の夜、小林が相棒の先輩刑事倉田(木下聖浩)と臨場したのは閑静な住宅地。被害者は依田幸助(速水英城)46歳。別居中の妻(及川規久子)の通報で小林ら捜査一課七係が事件の担当となった。豪邸のリビングに横たわる遺体には犯人に抵抗したことで傷付いたと思われる両腕に残された無数の切創があり一見すると強盗殺人と思われたが、鑑識の本間(太田清伸)の指摘で現場に動揺が走る。遺体から右手首が切り落とされていたのだ。
その頃、松岡美咲(宮緒舞子)は美容学校の授業中だった。授業を終え購入した蛍光灯を手に帰ってきた美咲は真っ暗な部屋に溜息を漏らす。引っ越してきたばかりの誰もいない新居。しかし部屋の中から自分の呼ぶ声があった。積み上げられた段ボール箱の傍らにいたのは小林だ。「ただいま」と笑顔を交し合うふたりは同棲を始めた恋人同士だった。
片付かない荷物の中から過去事件のスクラップを探している小林の横で美咲が落書きだらけのボロボロの段ボール箱を見付ける。それは小林が幼少期に玩具箱として使っていた物だ。恋人の過去を嬉しそうに物色する美咲の姿に和まされる小林だったが美咲の取り出した一枚の写真に自らの過去を思い出し一瞬顔が曇る。伯父と伯母に挟まれ並ぶ小学校の卒業式の写真。小林には両親がいない。今の小林にとって美咲だけがかけがえのない存在だった。
捜査が進むにつれ、事件は混迷を極め始める。遺体の外傷は致命傷になったとされる後頭部の陥没痕。両腕の切創そして切断された右手首。それぞれ使用された凶器が違う。目撃証言もなく、現場の指紋なども全て拭き取られていた。唯一出てきた足痕もルミノールによる血液反応でようやく出てきた程だ。
一方、被害者周辺を調べていた長谷川(中村哲也)は官(槇徹)に被害者の素性を調べさせ、解雇されたと思われていた八橋建設から被害者が多額の退職金を受け取っていた事実を突き止める。そして自らは元冨吉組構成員田端二郎(今西洋貴)と仁木則之(長山浩巳)に疑いの目を向け瀬田(有田洋之)と共に田端の住処を張り込むことで突破口を切り開こうとしていた。
そんな中、過去に今回の事件はなぞるように進んでいる事件があったことに気付いた小林は、殺人教唆事件の捜査協力者でもあり、美咲の実兄でもある精神科医の松岡(松本壮一郎)を倉田と共に訪ねる。紛失した手首、ひとつだけ残された足痕、拭き取られた指紋。共通点が余りにも多い23年前の殺人事件。プロファイリングの結果、同一の犯人像である可能性が高いとの松岡の指摘に、小林は被疑者死亡のまま処理された23年前の事件への疑問を募らせる。倉田、吉行(坂城君)と共に捜査方針を切り替えたその時、小林宛に一通の封書が届く。それは犯人と名乗るものからのタレコミだった。
現在と過去。事件に翻弄される刑事たち。全ての謎が解けた時、見えてくる真実。小林と美咲がその先に見たものは光か?それとも闇か?
スタッフ
監督:片元亮
脚本:片元亮
撮影:小澤勇佑
演出:補梶田智之
照明:北川泰誠
録音:松原直子
美術:decchi-s
編集:片元亮
記録:釜坂章子
制作進行:押川雅也
スタイリスト:辻礼子
新井都也子
吉田謙一
スチール:中野雨衣子
特殊造形:川喜田美紀
CG:宮本浩司
劇中映像:長坂公太
視覚効果:北野高宏
音響効果:鈴木宗寿
キャスト
福地教光
宮緒舞子
木下聖浩
松本壮一郎
坂城君
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