禁忌
第24回アジアフォーカス・福岡国際映画祭
2014年/日本/カラー/73分/ 配給:太秦
2014年12月6日より新宿武蔵野館にてレイトショー
(C)2014「禁忌」製作委員会
公開初日 2014/12/06
配給会社名 0864
解説
プロデューサー・女優、杉野希妃。2010年に深田晃司監督の『歓待』をプロデュース、超低予算ながら、世界中の100以上の映画祭からオファーを受け、2011年には東京国際映画祭でアジア映画のミューズとして特集された。2012年には世界6ヶ所の映画祭で審査員をし、プロデュース、主演した内田伸輝監督の『おだやかな日常』も数多くの国際映画祭で上映されたほか、日本映画プロフェッショナル大賞で新進プロデューサー賞を受賞、またこの6月に始まる台北国際映画祭でも杉野の特集が組まれるなどアジア映画界から期待を集めている。
監督するのは和島香太郎。この作品が長篇デビュー作となる。2012年に『小さなユリと 第一章・夕方の三十分』がSKIPシティ国際Dシネマ映画祭で奨励賞受賞と観客アンケート一位を獲得。独特な感性と美的センスの持ち主で、今もっとも長篇作品が待たれている若手の一人である。『禁忌』は和島監督のオリジナルで、昨年の秋から杉野と共に一から企画開発した作品である。
この作品のテーマ「少年愛」を基に、深淵に取り囲まれた孤独者の祈りのような、モーツァルトの音楽が全編を通じて流れる。作風としてはルーマニア、ポーランドといった最近勢い盛んな東欧映画のように、やや色調を抑えた風景の中での乾いた人間模様を描く。
杉野は今作で少年をレイプするという複雑な役どころを体当たりで演じている。『桐島、部活やめるってよ』、『私の男』、杉野作品である『ほとりの朔子』、『マンガ肉と僕』など話題作に多数出演し、注目を集める若手実力派の太賀が少年役を演じる。さらにベテラン俳優・佐野史郎が脇を固め、監禁、レイプ、同性愛、少年愛、セクシャルマイノリティの禁断の世界をモーツァルトの楽曲にのせ、儚く美しいタッチで描く衝撃作。
ストーリー
恋人がいながらも自分を慕う女生徒と関係を持つ女子高教師サラ(杉野希妃)はどこか満たされない日々を送っていた。ある日、幼いころに離別した父親・充(佐野史郎)が暴行事件に巻き込まれたと警察から連絡が入る。唯一の身寄りであるサラは負傷し入院中の父親の身の回りの世話のために自宅を訪れると、そこにいたのは監禁され、充と性的な関係を持つ少年・望人(太賀)であった。暴行事件の被害者であった充だが、加害者の少年の証言により買春の容疑がかかり家宅捜査を求められた。望人の存在が発覚することを恐れた充はサラに望人を匿ってほしいと頼む。サラは父親の申し出を受け入れ望人と生活を共にする。少年と触れ合うことで自身に父親と同じ少年愛者の血が流れていることを自覚したサラは望人に激しく欲情し、犯してしまう。満たされた官能を知り、望人を手放したくないサラは充に望人との関係を暴露すると脅し、恋人とも別れ、二人の生活を手に入れる。歪んだ関係ではあるが二人は心を通わせ奇妙な共同生活を送る。しかし、サラが望む少年であった望人は次第に成長し少年ではなくなっていってしまう。彼の腕や足には体毛が目立つようになり、変声期の兆候が表れ、性への好奇心も芽生える。サラの求めていた純粋さは次第に失われ、そのことが彼女をひどく失望させた。そして事件が起きる。サラに捨てられ逆上した恋人・菊田が来訪し、彼女を犯したのである。隣の部屋には望人がいたが、体を拘束されているために声を上げることも出来ず、事が終わるまでもがき続けた。この出来事がきっかけで、サラは男に対する恐怖心が芽生え、望人との生活も困難となる。数日後、サラは望人を連れて充の自宅に引き渡しのため向かっていた。サラに対する思いを恋と錯覚する望人が少年であり続けるために自らとった行動とは—。
スタッフ
監督・脚本:和島香太郎
撮影:古屋幸一
製作:重村博文、藤本款
プロデューサー:杉野希妃、山口幸彦
Coプロデューサー:小野光輔
撮影:古屋幸一
録音:岩間翼
音楽監督:富森星元
キャスト
杉野希妃
大賀
佐野史郎
山本剛史
藤村聖子
森岡龍
月船さらら
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