2015年/日本/カラ—/DCP/ 5.1ch/シネスコ/141分 配給:映画蛮族

2016年7月30日(土)より、渋谷ユーロスペース他全国順次公開!

(C)2015 映画蛮族

公開初日 2022/08/予定

配給会社名 0376

解説


女を拉致監禁し、裸の写真をネタに強請(ゆす)りで生計を立てるスキンヘッドの男。
ヤクの運び屋から足を洗ったものの、ストレート過ぎる性格が災いして過ちを繰り返すリーゼントの男。
自己主張が苦手で、流されるがまま生きてきた結果、苦界にはまり込んでしまう女。社会適応力ゼロな彼らが繰り広げる血と暴力と涙の物語を、凄まじい迫力で描き切った本作。

監督・脚本は、自主制作映画『青春墓場』三部作(08・09・10)が高く評価され、最終作『青春墓場〜明日と一緒に歩くのだ〜』は、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭オフシアター部門グランプリを受賞。若干24歳にして『東京プレイボーイクラブ』(11)で商業映画デビューを飾った異才・奥田庸介。

華々しくデビューしたものの、その後思うように作品を撮れず、日雇いや夜の世界に身を投じくすぶっていた彼が持てる全てのエネルギーを注入、本作は4年ぶりの長編新作となります。

自身の率いる「映画蛮族」のスタッフと共に原点である自主制作の現場に立ち戻り、製作資金はクラウドファンディングによって調達。スポンサーや映画会社の制約と庇護から一切解き放たれ、それゆえに、ひりつくようなリアリティと切実感が細部まで横溢。

しかも主役のスキンヘッドの男を自ら演じており、体重を15キロ減量、眉を剃り落とし、鼻ピアスを着ける肉体改造を施し圧倒的な存在感を見せます。
その徹底ぶりは鬼気迫るものがあり、アクションはすべてリアルファイト、流れる血は本物、本番中にビール瓶で自ら頭をカチ割って12針も縫う大けがを負い、そのまま病院送りになって撮影が中断したほど。

この通常の映画づくりを無視したような規格外の熱量に誰もが度肝を抜かれ、第16回東京フィルメックスではスペシャル・メンションを授与され(奥田庸介個人に対し)、第45回ロッテルダム国際映画祭にも正式出品されました。

共演は直情バカのリーゼント男に、『青春墓場』三部作時代から奥田映画となじみの深い板橋駿谷。
その恋人で理不尽な状況を必死に生きる女に、オーディションで選ばれ、これが本格的な女優デビューとなる岩田恵理。
さらに『その男、凶暴につき』(89)以来、多くの北野武作品や多数のTVドラマで活躍する芦川誠が、3人の運命を掌で転がすヤクザ役で出演しています。

ストーリー







寂れたダイニングバーで獲物を物色するスキンヘッドの男(奥田庸介)。彼は見知らぬ女性に声をかけては薬で正体不明にさせ、裸の写真を撮って強請りを働くサイテーの男。今夜もまたひとりの女が彼の毒牙にかかる。しかし女はヤクザ(芦川誠)の下で働く商売女だった。怒り狂ったヤクザ一味に、母親と住む自宅に押し入られたスキンヘッドは、1週間以内に200万円払わないと殺すと逆に恐喝されるハメに。行きつけのバーのマスターに強引に大麻を売りつけることで金を作ったスキンヘッドだったが、約束の金額には程遠い。

その大麻の運び屋となったのが、リーゼントの男(板橋駿谷)。現在は恋人(岩田恵理)のためにまっとうな職に就こうとしていたが、就職面接で意気揚々と前科を語るような究極のバカ男。恋人を愛する気持ちは誰よりも強いものの、彼女の誕生日プレゼントを用意する金もない。仕方なくバーのマスターに持ちかけられて運び屋稼業を再開、わずかばかりの金を手にした。

数日遅れて恋人の誕生日を祝うリーゼント。恋人は喜ぶものの、それが運び屋で得た金と分かり大喧嘩に。リーゼントのもとを飛び出し、独りダイニング・バーで傷を癒す女に近づくスキンヘッド。人恋しさから思わずスキンヘッドに気を許した彼女は、彼の罠にはめられる。

借金の肩代わりにされた女は、デリヘル嬢として客をとるようになった。おかしいとは思いながらも、負のスパイラルを断ち切ることができない流され易い女。一方、恋人が去って落ち込むリーゼントは、バーのマスターからたまたま彼女が男とホテルに入るところ見たと聞かされる。我を失ったリーゼントは、夜の歓楽街を猛然と走っていく。

ホテルから恋人を救い出したリーゼントは、彼女を地獄に突き落としたスキンヘッドの元へ向かう。愛する者を弄ばれたリーゼントの怒りが炸裂するが、スキンヘッドも負けじと対抗。そこにやってきたのは大事な商売道具に逃げられたヤクザ一味だった。彼らはふたりをまとめて拉致、凄惨なリンチを繰り返す。卑劣な者たちの壮絶で愚かな闘い。果たして彼らは、この汚れた街から脱出できるのだろうか……?

スタッフ

プロデューサー:奥田大介・小林 岳・福田彩乃 
撮影:矢川健吾 
編集:小野寺拓也 
録音:根本飛鳥 
照明:松永光明
監督・脚本・主演:奥田庸介

製作:映画蛮族 
配給:アムモ98

キャスト

板橋駿谷 
岩田恵理 
大西能彰 
カトウシンスケ 
芦川 誠

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