これは喪失を抱えて生きる、私たちの物語。 世界が注目する鶴岡慧子監督、鮮烈なる劇場デビュー作。

第 15 回マラケシュ国際映画祭コンペティション部門 第23回PFFスカラシップ作品

2014年/日本/カラー/90分/ 配給:マジックアワー

2015年9月19日公開

(C)「過ぐる日のやまねこ」製作委員会

公開初日 2015/09/19

配給会社名 0651

解説


都会の喧騒から逃れるように、幼少期を過ごした田舎町に向かった21歳の時子。いつかそこを出ていく日を待ちながら、孤独にキャンバスに向かう高校生の陽平。緑深い山の中、長年放置されていた小屋で偶然に出会ったふたりは、かけがえのない人を失った者同士、互いの気持ちに感応し、癒されていく。そして失われていた記憶が蘇る時、ふたりを取り巻く「死」の真実が明らかになる——。

多くの映画監督の商業デビュー作を世に送りだしてきたPFFスカラシップ。その第23回作品である『過ぐる日のやまねこ』は、初長編『くじらのまち』(立教大学卒業制作)がベルリン国際映画祭ほか世界10カ国以上で上映され、二作目『はつ恋』(東京藝術大学大学院課題作)がバンクーバー国際映画祭ドラゴン&タイガー部門にノミネートされるなど、国際舞台でその才能を注目されてきた26歳の新鋭女性監督、鶴岡慧子の、待望の劇場デビュー作。
これまでここにいない人の面影を追い求める若者を登場させてきた鶴岡監督が『過ぐる日のやまねこ』で描くのは、遺された者たちの再生の物語。山奥に棲む幻のやまねこをモチーフに、過去と現在、この世とあの世、都会と田舎、記憶と忘却の狭間をさまよう主人公たちが、ささやかで心あたたまる交流を経て一歩前に踏み出していく姿を映し出す。また、喪失がもたらす痛切な思いを軸に、地域社会の親密さと息苦しさや、子供から大人への成長を観客の五感に訴えかける映像で見せるセンスは、今から18年前に河瀬直美監督の名を世界に知らしめた『萌の朱雀』を想起させる。
2015年、「不在」を受け止めて生きるすべての人に希望を与える珠玉のドラマが完成した。

ストーリー

スタッフ

監督・脚本:鶴岡慧子

キャスト

木下美咲
泉澤祐希
植木祥平
中川真桜
田中要次
西尾まり
田中隆三

LINK

□公式サイト
□この作品のインタビューを見る
□この作品に関する情報をもっと探す