うまれる ずっと、いっしょ。
2014年/日本/カラー/??分/ 配給:ミモザフィルムズ/宣伝:Lem
2014年11月22日、 シネスイッチ銀座ほか全国ロードショー!!
©2014 Indigo Films
公開初日 2014/11/22
配給会社名 1399
解説
大ヒットドキュメンタリー『うまれる』の監督とメインスタッフが再結集
4年の歳月をかけ、笑って泣ける、
“家族”をみつめる感動のドキュメンタリー映画が遂に完成!
公開から瞬く間に広がり、40万人以上を動員、観る者を号泣させたドキュメンタリー映画『うまれる』。生命の誕生を見つめ、様々な人生の選択とそこから生まれるドラマに寄り添った感動から4年。さらにテーマを深めた第二章『うまれる ずっと、いっしょ。』が、うまれた。
本作には、“最愛の妻を喪った夫” “血の繋がりがない父と息子”、そして前作から続き “重篤な障がいを持つ子を育てる夫婦”の、3家族が登場する。とりわけ前作からのファンにとって嬉しいのは、あの小さな“虎ちゃん”が少し大きくなった元気な姿。ホッと胸をなでおろし、その愛らしさに頬を緩めずにはいられない。そしてどんな事態に陥っても、常に明るく前向きにあろうとする松本夫妻の手を、まるで自分の友人のように強く握り締めたくなるだろう。
彼ら3家族の姿を通し、観る者は、常に密接にある“生と死”を凝視しながらも、そこから脈々と受け継がれていく生命、生きる力、そして、その土台となる“家族の在りよう”に、深く感銘し、胸を打たれずにはいられない。
ナレーションを務めるのは、樹木希林。柔らかく慈愛に満ちた樹木の声音が、ほっこり心地よく、その言葉が心に響く。
監督は、初監督となる前作を企画から立ち上げ、成功に導いた豪田トモ。今作でも企画・撮影を兼ねる。自身の親との溝に悩み、家族の愛情やつながりを確信できずにいた豪田が、何十組もの家族の妊娠・出産を3年掛かりで撮り続け、自身が、「生まれてきてよかった」「産んでくれてありがとう」という実感を掴むまでの記録でもあった前作は、出産や生命誕生に対する怖れ、神秘、戸惑い、そして喜びという、感情の揺れが、まさにドキュメントとして生々しく伝わってきた。
一方、本作では、前作の公開と同時に一児の父となり、“いい父親になりたい、家族と幸せに一生を過ごしたい。でもそれは自分が期待するほど簡単な作業ではない”と実感した豪田が、3家族にじっとカメラを向ける。慟哭、迷い、たじろぎ、絶望……。本来なら人前では見せたくない表情や堪え切れずに涙を落とす生の瞬間を、彼らは豪田のカメラの前に許す。カメラは “死”というものを厳然と見据えながら、たとえ旅立ちをもってさえも断ち切ることなどできない、そして血よりも濃い、愛情と家族の繋がりを、見事なまでに浮かび上がらせる。
カメラをそむけずにどんな瞬間も見つめ続ける監督の信念と、登場人物の人間味と魅力を最大限に引き出す監督の愛と両者の信頼関係が、見応えのある作品の骨格を支えている。映画全体に漂うユーモラスで軽やかな空気は、登場する家族の人柄もさることながら、豪田自身の変化、さらに監督として確かな進化を遂げた力量も感じさせ、前作を凌ぐ会心作と確信させる。
公私共にパートナーである牛山朋子が引き続きプロデューサーを務めるほか、主要なスタッフが再集結し、志を共にした阿吽の呼吸でガッチリ映画作りを支えた。
異色のドキュメンタリー映画づくり
本作は、出演者もHPを通じて募集を行い、撮影を進めるという、前作と同じく“巻き込み型の映画作り”がされている 。そもそも当チームは、前作の製作途中から、一作単体の映画を作るのではなく、30年にわたり“命の大切さ、家族の絆、人との繋がり、生きること”を感じ、考える作品のシリーズ化を目指していた。前作を撮り終えると、速やかにHP上で次回作の構想とテーマを発表。撮影に協力できる出演者を募った。そしてテーマに合致した局面にある家族とじっくり信頼関係を育んだ上で、双方合意のもと撮影を開始する。だからこそ、登場する家族たちはまるでカメラを意識していないかのように、ありのままの姿を晒してくれるのだろう。
そして同時に私たちは、彼ら家族が映画を通して自分の思いを吐露し、整理することで、辛い局面に立ち向かう力を得ていく瞬間や過程を目撃する。まるで映画撮影が一種のセラピー効果をもたらしているかのようなそれは、私たちにも人間の可能性の強さ、大きさを目の当たりに感じさせてくれ、高揚させてくれるのだ。
たとえ血の繋がりがなくとも、そこに肉体がなくとも、常に死の恐怖にさらされていても、溢れんばかりの愛情を注ぎ続け、語りかけ、共に生きようとする。そんな3家族の姿に、またも胸を揺さぶられ、胸の奥底から湧き上がる感動に包まれる。そして観終えた後に大切な人を想い浮かべ、呟かずにはいられない、「ずっと いっしょ」と。
ストーリー
■血のつながりのない家族
安田家
慶祐(30歳)千尋(34歳)昊矢(5歳)
講師を務めるフラダンス教室で、慶祐は、習いに来ていた千尋と出会い、恋に落ちる。千尋には、2歳になる息子、昊矢(そうや)がいた。昊矢はすぐに慶祐になつき、そんな昊矢に慶祐も愛情を感じ、2人は結婚し、ステップファミリーになる。昊矢は慶祐を実の父親と信じて疑わず、まっすぐな瞳で「お父さん、大好き」といつも一緒に居たがる甘えん坊だ。だが周囲のパパたちに出産時のことを聞かれ、自分が本当の父親でないことを痛感する。昊矢と過ごしていない空白の2年が、父親の実感と自信を与えてくれない。“親子関係”に絶対的な自信を持てない慶祐は、千尋との間に血を分けた実の子を持ちたいと望むようになる。だがそんな思いと裏腹に、なかなか子どもは授からない。焦る2人は不妊治療を選択し、病院に通い始める。
約1年後、遂に千尋が妊娠する。喜びながらも慶祐の心には常に、昊矢が血のつながりがないと知ったら、今まで築いてきた関係がこわれるのではないか、昊矢の愛情を失うのではないか、という不安が重くのしかかっていた。というのも慶祐自身、血のつながりのない父親に育てられた経験があり、「母親を奪われた」という気持ちから、10年以上も義理の父に長く反発してきた過去があるのだ。思春期に浴びせていた「お前は本当のお父さんじゃない!」という言葉が、今、自分を苦しめていた。葛藤し、悩み苦しむ慶佑を、千尋は黙って見つめながら、そっと背中を押す。昊矢に事実を知らせるなら、早い方がいい。5歳の今しかないのではないか。今では良好な関係を結んでいる義父からも、今がベストタイミングだとアドバイスを受ける。不安に押しつぶされそうになりながら、慶祐は昊矢に大事なことを伝えたい、と遂に重い口を開く。
■最愛の妻を失った夫
今家
賢蔵(65歳)順子(享年65歳) 長女:真由美 次女:美奈子
賢蔵は、42年間連れ添った妻・順子を自宅で看取る。
末期の大腸がんを患っていた妻・順子は、1年間の闘病の末、最期の時間を家族と過ごしたいと自宅に戻ることを選択したのだ。結婚して家を出た2人の娘も子どもを連れて実家に戻り、久しぶりに皆が一つ屋根の下に暮らすことに。長女・真由美のお腹には4人目の孫がいて、順子はその誕生を何より楽しみにしていたが、順子は家族に見守られながら、「家族に囲まれて幸せ。ありがとう」と涙を流し、息を引き取った。賢蔵は「妻を喪った悲しみを乗り越える器量が僕にはない」と肩を落としながら、遺影に向き合い、涙にくれる。
娘に心配を掛けてばかりかけていられないと、賢蔵は気丈に振る舞う。そんな父を心配しながら、2人の娘は元の生活に戻っていく。少しずつ賢蔵は2人で築いてきた自宅で、家事をし始め、日々を生きようとしはじめる。「僕は家内と一緒になって、最高の人生だったよ」と順子の写真をテーブルに置いて話しかけ、順子が教えてくれたつまみを作り、酒を飲みながら思い出話やその日の報告をするように。
賢蔵は少しずつ、自分の人生を生きる力を取り戻しはじめた。じっと余生を送るなんて自分らしくない、何か自分のやりたい事に取り組もう。賢蔵は、順子と一緒に乗っていたバイクに再び乗ることを決める。
賢蔵のグリーフプロセスを追う。
■不治の障害を持つ子を育てる夫婦
松本家
哲(40)、直子(41)、虎大(2)
1歳まで生きられる確率が約10%と言われる、18トリソミーという染色体の障害を持って生まれてきた虎大、愛称・虎ちゃんは、前作『うまれる』で1歳の誕生日を迎えた。2歳になり、日増しに表情が豊かになり、できることも少しずつ増えていく虎ちゃんの成長に、哲も直子も幸せを感じていた。「短距離走を全力疾走している虎ちゃんは、青春まっただ中」と直子が語れば、「欲を持たずに目の前のこの子を可愛がるというのは一つの修行」と哲も穏やかな表情で語る。管を通してしか栄養を取れなかった虎ちゃんは、口からミルクを飲めるようになっていた。
だが突然、虎ちゃんが危篤状態に陥る。いつ果てるか分からない小さな命に常々怯えながらも、成長を実感していただけに2人は呆然とする。「こんなにも簡単に人って死んでしまうのか。死というのは身近です」と、直子は気丈にカメラに向かって答える。去年、虎ちゃんと約束した桜を、今年の春は一緒に見ることはできないのか……。哲も直子も、虎ちゃんの死を覚悟する。
その後、奇跡的に持ち直した虎ちゃんは、3度目の桜を眩しそうに見つめていた。次なる目標は、虎ちゃんと一緒に旅行に行くこと。大それた挑戦かに思えたが、虎ちゃんは飛行機に乗って、元気に沖縄に到着。両親の心配をよそに、青い海にふれ、食欲旺盛に離乳食を食べ、元気な笑顔を見せてくれた。
それから2年。
5歳になった虎ちゃんは、晴着を身に着け、ちょっと誇らしそうな表情をしながら両親に抱かれ、七五三のお祝いで神社を訪れるーー。
スタッフ
企画・監督・撮影 豪田トモ
ナレーション:樹木希林
プロデューサー:牛山朋子
アートディレクター:溝田明
編集:増渕俊満・豪田トモ
構成:上村直人
CGプロデューサー:吉川高徳
音楽:古田秘馬
▽主題歌
「ずっと、いっしょ。」
作詞:豪田トモ
作曲:古田秘馬
歌:河波浩平
▽企業サポーター
OMG PARTNERS株式会社
江崎グリコ株式会社
江戸川病院
フジハラレディースクリニック
製作:インディゴ・フィルムズ
配給:ミモザフィルムズ
配給協力:スターサンズ
宣伝協力:レム
キャスト
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