原題:God's Own Child

第7回大阪アジアン映画祭 グランプリ・ABC賞 W受賞 SIIMAアワード 男優賞 ヴィジャイ・アワード 最優秀男優賞・審査員特別賞・人気女優賞 ジャヤ・アワード 最優秀男優賞・最優秀子役賞・人気女優賞・人気監督賞・最優秀作詞家賞 ヴィカタン・アワード 最優秀男優賞・最優秀子役賞

2011年/インド/カラー/149分 配給:太秦

2014年2月15日より 渋谷ユーロスペース、シネマート六本木 3月シネマート心斎橋 ほか全国順次ロードショー

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公開初日 2014/02/15

配給会社名 0864

解説


6歳児の心を持った父と5歳の娘
互いを想い合うひたむきな親子の人生讃歌!

チョコレート工場で働くクリシュナは、6歳児程度の知能しか持っていないが、嘘のつき方も知らない正直者でみんなに愛されていた。そんな彼も結婚をして子どもを授かるが、妻は娘を残して亡くなってしまう。娘にニラー“お月様”と名づけたクリシュナは、周囲の助けを借りながら彼女を育てるのだった。
時は流れ、ニラーは素直で可愛らしい5歳の女の子に成長した。そんなある日、町の有力者である亡き妻の父は、クリシュナ親子の存在を知り、「子どものような親に子育てはできない」と、ニラーを連れ去ってしまう。クリシュナはニラーとの穏やかな毎日を取り戻すことができるのか。そして、ニラーの幸せを心から願うクリシュナが初めてついたあまりにも切ない嘘とは…。

南インドの牧歌的な美しい自然を背景に親子の深い愛を描く
新たなるインド映画が、ぬくもりに溢れた涙を届けます

舞台となる南インドのウッティーは、芸術的な美しさを誇る豊かな自然が見事な土地で「避暑地の女王」と呼ばれています。優美で素朴な魅力あふれる街で描かれる本作は、派手なダンス・シーンやスタント・シーンが満載のこれまでのインド映画のイメージを打ち砕く、感動のヒューマンドラマです。本国インドでの公開時には、映画を観終わるやいなや家族や恋人に電話する観客が続出。第7回大阪アジアン映画祭で上映されると、思わぬラストに会場は感動の涙で包み込まれ、史上初のグランプリ&ABC賞(朝日放送が最も優れたエンターテインメント性を有すると評価した作品に授与)の同時受賞を果たしました。
陽ざしのように温かい無垢な父と、月のように希望を照らす娘。カミナリの夜はベッドの下にもぐり、晴れた日は緑の丘で歌い、眠る前は指人形でおしゃべりする。素敵な仲間に支えられて過ごすふたりの愛らしい毎日はとってもユーモラス。そして、互いを想い合うひたむきな姿と親の愛の深さを思い知る予想を超えるラストには、涙せずにいられません。

インドを代表する実力派俳優ヴィクラムが難役を熱演

“インドのロバート・デ・ニーロ”と評されるヴィクラムは、インドのアカデミー賞にあたるナショナル・アワードをはじめとする数々の賞に輝き、その演技力は折り紙つき。脳に損傷を受け正気を失った男(『セードゥ』)から、盲目の土俗シンガー(『カーシ』)、野性児として育った墓掘り(『ピターマハン』)、多重人格の仕置き人(『アンニヤン』)に至るまで、他のスターが尻込みする特異な役柄を演じてきました。そんなヴィクラムでも、今作の役柄は「僕のキャリアの大きな転換点になるだろう」と語るほど、挑戦的なものでした。役になりきるために施設を訪れて、知的障がいを持つ人たちと交流しながら、その振る舞いや話し方を数カ月にわたり学びました。あまりにもこの役に没入しすぎて、クランクインから10日ほどは、撮影後も普段の自分になかなか戻れずに苦労したそうです。

世界一の映画大国から可愛すぎる贈り物・子役のサーラー

ヴィクラムに負けず劣らず注目を集めたのが、ニラー役の子役ベイビー・サーラー(ちなみに、インド映画では子役の名前の前に「ベイビー」と付けることが多い)。本格的な映画出演はほぼ初めての5歳が、堂々たる、しかも愛くるしい笑顔と涙を誘う演技で観客を魅了しました。本作で使われているタミル語を一切話せない彼女は、撮影に入る2カ月前から特訓を続け、自分のセリフだけでなく、台本を丸暗記したというから驚き。ヴィクラムとは英語でコミュニケーションをとり、親子の絆を作り上げていきました。いくつもの子役賞を受賞し「サーラ—なくして、この映画はありえない」と絶賛されました。誰もが彼女の虜になるに違いありません。

ストーリー


一番大切なものは、いつでもパパが教えてくれる——。

南インドの避暑地ウッティーに暮らすクリシュナは、同じように障がいを持つ仲間たちとチョコレート工場で働いている。赤信号はぜったい渡らないし、嘘をついたことがない正直者のクリシュナは、みんなに愛され、心優しい女性バーヌマティと結婚をする。やがて子どもを授かるが、バーヌマティは娘を産み残して命を落としてしまう。
ひとり子どもを育てることになったクリシュナは、娘を“お月様”の意味があるニラーと名づける。おなかを空かせて泣く赤ちゃんに混乱しながらも、周囲の協力を得て男手ひとつで大事に大事にニラーを育てていく。

5歳になり素直で愛らしい娘に育ったニラーは学校に通いはじめ、事務局長のシュヴェータと仲良くなる。あるときシュヴェータは、ニラーが家出して音信不通となっていた自分の姉バーヌマティの子であることを知り、ショックを受ける。そして、ニラーを育てている父親が子どもの知能しかないと知ったシュヴェータとその父で資産家のラージェンドランは、ニラーをチェンナイの自宅へ連れ帰ってしまう。

ニラーを捜し求めて街をさまようクリシュナがたどり着いたのは、まだ裁判経験が浅い未熟な若手弁護士アヌとその相棒ヴィノードのところだった。クリシュナの境遇を知ったアヌは、正義感からニラーを取り戻すため法的措置に訴えることにする。だが、裁判の相手は冷酷無比で知られる名うての弁護士バーシャム。

果たして、クリシュナはニラーを取り戻すことができるのか?
何よりも娘の幸せを心から願う父親が最後に選んだ結末とは——。

スタッフ

監督:A・L・ビジャイ
脚本:A・L・ビジャイ
音楽:G・V・プラカーシュ・クマール

キャスト

ビクラム
ベイビー・サーラー
アヌシュカー
アマラー・ポール
ナーセル
サンダーナム

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