原題:Attila Marcel

2013年/フランス/カラー/106分 配給:トランスフォーマー

2015年03月06日よりDVDリリース 2014年8月2日(土)よりシネライズ、シネ・リーブル池袋他にて全国公開

(C)2013 EUROWIDE FILM PRODUCTION-PATHE PRODUCTION FRANCE 3 CINEMA-APPALOOSA DEVELOPPEMENT

公開初日 2014/08/02

配給会社名 0248

解説


『ベルヴィル・ランデブー』『イリュージョニスト』で二度のオスカー候補となった
シルヴァン・ショメ監督、待望の実写初長編が遂に誕生。

  ティム・バートン、ジャン=ピエール・ジュネ、テリー・ギリアムetc…。アニメーション出身の監督はみんな個性的だが、そこに新たな才能が加わった。『ベルヴィル・ランデブー』『イリュージョニスト』で二度のオスカー候補になったフランス出身のアニメーション監督、シルヴァン・ショメによる初の長編実写映画『ぼくを探しに』(原題『アッティラ・マルセル』)が完成! ショメといえば、過去2作の日本盤DVDをスタジオジブリがリリースするなど、これまで彼が作り出すユニークな作品は国内外で高い評価を受けてきた。そんなショメが初めて実写を撮ったのは、オムニバス映画『パリ・ジュテーム』の中の短編『エッフェル塔』だったが、その時のプロデューサーが『アメリ』を手掛けたクローディー・オサール。それ以来、ショメの才能に惚れ込んで親交を深めたオサールは、ショメが実写映画に興味を持っていると知るとすぐにプロデュースをかって出た。
  
 物語の主人公は、幼い頃に両親を亡くし、そのショックで言葉を話すことができないまま大人になったポール。ダンス教室を経営している姉妹の伯母に世界一のピアニストになるように育てられたポールは、友達もいない孤独な日々を送っていた。そんなある日、ポールは同じアパルトマンに住む謎めいた女性、マダム・プルーストに出会う。彼女が淹れたハーブティーは、失われた記憶を呼び覚ます不思議な力を持っていた。無くしたはずの過去は固く閉ざされたポールの心を揺さぶり、彼の人生は少しずつ変化していく—。

 『ベルヴィル・ランデブー』のサントラで使われた曲「アッティラ・マルセル」にインスピレーションを得る一方で、フランスの文豪マルセル・プルーストの名作『失われた時を求めて』のエッセンスを織り交ぜながらストーリーを膨らませていったという本作。セリフがないポールを表現力豊かに演じたのはギョーム・グイ(『突然、みんなが恋しくて』)で、そのほか本作が遺作となったベルナデッド・ラフォン(『ママと娼婦』『ブロークン・イングリッシュ』)やアンヌ・ル・ニ(『最強のふたり』)、エレーヌ・ヴァンサン(『母の身終い』)らが出演。彼らが演じる個性豊かなキャラクターに加えて、主人公の記憶の中で繰り広げられるミュージカルやダンス、不思議なカエル楽団の演奏など、音楽と映像が一体となった演出はバーレスクな楽しみに満ちている。サントラを手掛けたのは作曲家/ピアニストのフランク・モンバレット。ショメ自身も楽曲を提供していて、クラシック、ラテン、ジャズ、ディスコなど多彩な音楽も本作の魅力のひとつだ。さらにポールがピアノを弾く時に必ず食べるシューケットや、ハーブティーに添えられたマドレーヌといったスウィートな小道具にも注目したい。

 カラフルで切なくて、シュールな毒もある本作は、『アメリ』『タイピスト!』『ムード・インディゴ うたかたの日々』などを思わせるフランス映画のエスプリがたっぷり。記憶の底にある本当の過去を見つけ出し、新しい人生の扉を開く鍵を手に入れる。
ファンタジックで奇想天外なハートウォーミング・ストーリー!

ストーリー













  今朝もポールは悪夢で目が覚めた。いつも夢に出てくるのは幼い頃に死んでしまった両親。ママはとっても優しくて美人だけど、プロレスラーだったパパは野獣のように乱暴でおっかない。幼い頃両親を失ったポールは、そのショックで言葉を話すことができなくなり、過去の記憶を封印したまま33歳の誕生日を迎えた。そんなポールを育ててきたのは、ダンス教室を経営する風変わりな姉妹の伯母たち。二人はポールのピアノの才能を伸ばし、世界一のピアニストに育てようと必死だ。ポールは伯母たちの教室を手伝い、ピアノを練習するだけの孤独な日々を送っていた。
 そんなある日、ふとした偶然から、ポールは同じアパルトマンに住むマダム・プルーストと出会った。部屋いっぱいに植物を育てているマダム・プルーストは、ポールに不思議なハーブティーを勧める。それは失われた記憶を呼び覚ますための“魔法”。ハーブティーを一口飲んだとたん、ポールの頭の中には、赤ん坊の頃の幸せな記憶が奇妙な夢のように浮かび上がってきた。その日から、ポールは伯母たちに隠れてマダム・プルーストの秘密の部屋を訪れるようになった。ハーブティーを飲んで記憶を遡るうちにポールの固く閉ざされた心は少しずつ開放されていったが、同時に痛ましい記憶も甦ってしまう。それはパパがママに乱暴をしている姿だった。両親の間に一体何があったのか? これ以上、過去を知ることをためらうポール。一方、ポールの行動を怪しみ始めた伯母たちは遂にマダム・プルーストの存在を嗅ぎつけて、マダムの部屋に怒鳴り込んで来た。自分の人生を取り戻すため、勇気を振り絞って最後のハーブティーを飲んだポールに予想外の真実が待ち受けていた……。

スタッフ

製作総指揮:フランソワ=ザヴィエ・デクレーヌ、ヘレン・オリーヴ
製作:クリス・ボルズリ、クローディー・オサール
監督・脚本:シルヴァン・ショメ
撮影:アントワーヌ・ロッシュ
プロダクション・デザイン:カルロス・コンティ
音楽:シルヴァン・ショメ、フランク・モンバレット

キャスト

ギョーム・グイ
アンヌ・ル・ニ
ベルナデット・ラフォン
エレーヌ・バンサン
ルイス・レゴ
ジャン=クロード・ドレフュス

LINK

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