原題:Camp 14 – Total Control Zone

ジュネーブ人権映画賞 オスロ・ヨーロッパドキュメンタリー最優秀映画賞 ブカレスト最優秀政治映画賞 ヒューマンライツウォッチ・ネストル・アルメンドロス賞 “Movies that Matter”ゴールデンバタフライ賞/学生観客賞

2012年/ドイツ/HD/カラー/1:1,85/104分 配給:パンドラ

2014年3月1日公開

公開初日 2014/03/01

配給会社名 0063

解説


『北朝鮮強制収容所に生まれて』は、実際に北朝鮮の強制収容所に生まれ育った一人の青年が、その後脱北し、収容所での驚くべき出来事と暮らし語るのを、ドイツ人監督がとらえたドキュメンタリー映画である。

「私たちは収容所の規則に従って生き、そして死ぬだけでした。外部の人々から‘完全統制区域’と呼ばれる場所でした。外のことは何も知りませんでした。知っていたのは、私たちの両親や先祖に罪があるということ、そしてその償いのために重労働をしなくてはならないということだけでした。時々、新しい人々が入所してきましたが、罪を赦され出所する人は見たことがありません。飢えと暴力を恐れて逃げ出そうとする人々もいましたが、彼らは公開処刑され、残された私たちの憎悪の対象になりました」
シン・ドンヒョク

 シン・ドンヒョクは1982年11月19日に北朝鮮の強制収容所で政治犯として生まれた。彼の両親は、看守の命令により強制的に結婚させられた収容者だった。シンが子供時代と青年時代を過ごした14号管理所は、事実上、死の収容所だった。子供たちは6歳の時から労働を強いられ、飢え、暴力、拷問にさらされて生きている。常に看守たちの気分で扱いを決められ、鉄条網の外の世界について何も知らされない。シンは、みんながそのように生きていると思っていた。23歳の時、年上の収容者の助けにより収容所を脱出。北朝鮮から中国に入り、何ヵ月も逃げ続けたのち韓国にたどり着き、全く見知らぬ世界に出会う。

 映画“Camp 14 – Total Control Zone”はシンの過酷な半生を描き出し、CGIアニメーションによりその記憶に命を吹き込む。監督のマルク・ヴィーゼは元収容所関係者2人にもインタビューした。

 ヒュン・クワンはかつて14号管理所の警備員を指揮しており、収容者たちへの虐待、拷問、殺人を行っていた。彼の目には収容者たちが国の敵と映っており、動物のように殺しても平気だったのだ。処刑を行った日は、2本の酒と肉を支給されたという。クワンは管理所内部を撮影した映像を持っていた。

 オウ・ヤンナムはかつて北朝鮮の秘密警察で働いており、数百人を逮捕し、収容所に送った。移送のあとは尋問と拷問を行った。現在は韓国に住み、南北統一を恐れている。かつて拷問した人々が、自分を捜しに来るのではないかと思っているのだ。

 現在、シンは韓国に住んでいる。人権保護団体のLINKに協力し、時々国際会議に出席する。しかし、今もなお自由な世界で自分の居場所を見つけられていない。心はまだ囚人だ。1人でいると、時々、北朝鮮に戻って収容所で人生をやり直したいという思いに駆られる。

ストーリー




スタッフ

監督:マルク・ヴィーゼ
撮影:ユルグ・アダムス
録音:ルパート・シーレ
編集:ヨハン・マルク・レスギロン
アニメーション:アリ・ゾーサンデ
プロデューサー:アクセル・エングストフェルト
製作助成:Film und Medien Stiftung NRW, FFA, Deutscher Filmfoerderfonds,Filmstiftung NRD, BKM und DFFF
共同製作:ARTE,BR,WDR,
製作:Engstfeld Film

キャスト

シン・ドンヒョク

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