ローマの教室で 我らの佳き日々
原題:Il rosso e il blu
答えはひとつじゃない。人生は色とりどり。それぞれ好きな色があっていい。
2012年/イタリア/カラー/101分 配給:クレストインターナショナル
2015年04月03日よりDVDリリース 2014年8月23日公開
(C)COPYRIGHT 2011 BiancaFilm
公開初日 2014/08/23
配給会社名 0096
解説
風爽やかな春から緑豊かな夏へ、ローマの公立高校を舞台に、教師と生徒の交流を描く本作は、人と人生へのあたたかい眼差しに満ちている。女性校長、新米教師、ベテラン教師と、タイプも経験もまったく異なる3人が、2学期に関わることになる生徒は、母親が蒸発し身寄りがなくなった男子生徒、素行不良の女子生徒、押しかけ同然で現れる教え子だった女性と、手に余る子や人ばかり————。教師もそれぞれに考えがあり、生徒もそれぞれに個性がある。
教師として、人間として、どう向き合えばよいのか。3人の教師は生徒たちとの交流をとおして、教え、教えられ、しだいに教育の奥深さや人生の真実に気づいてゆく。晴れときどき曇り、思い通りにならないのが人生————。しかし、そこには驚きや発見があり、光り輝く果実のような出会いがいくつもある。劇中、教師たちが引用するレオパルディやエミリー・ディキンソン等の名詩に包まれて、本作は教育現場をとおして人生の豊かさを描いた、ちょっぴりほろ苦く甘美な味わいがいつまでも心に残るイタリア映画の傑作だ。
監督は日本でもヒットを記録した『もうひとつの世界』など、人と人の出会いから生まれるドラマを撮り続けてきたジュゼッペ・ピッチョーニ。ローマの高校で30年以上教鞭を執ってきた作家マルコ・ロドリのエッセイ「赤と青」に感銘を受け映画化。イキイキとした教育現場のエピソードとピッチョーニ監督の確かな観察力と詩情あふれる演出がひとつになり、類まれなヒューマンドラマが誕生した。
女性校長ジュリアーナには、ピッチョーニ監督作品『もうひとつの世界』の他、『ローマ法王の休日』『はじまりは5つ星ホテルから』
などの実力派女優マルゲリータ・ブイ。国語補助教員ジョヴァンニには、『あしたのパスタはアルデンテ』『ローマでアモーレ』で人気の高い若手俳優リッカルド・スカマルチョ。さらに、老教授フィオリートに『夜よ、こんにちは』『グレート・ビューティー/追憶のローマ』の
ベテラン俳優ロベルト・エルリツカなどイタリア映画界をリードする豪華キャストが集結。瑞々しい演技をみせる生徒たちと最高のアンサンブルを奏でている
ストーリー
ローマの公立高校。
校長をつとめるジュリアーナは、「教師は学校内の教育だけすればいい」と
いう考えの持ち主だ。二学期に入り、「生徒にやる気を起こさせる!」という若き熱血漢ジョヴァンニが国語の補助教員としてやってくる。ジョヴァンニ
とは逆に、教育への情熱を失い「生徒はみんな頭が空っぽ」と嘆く美術史の
老教師フィオリートは、他の教員とも交流を持たずに孤立していた。
ジョヴァンニは4年F組を受け持つことに。クラスには、お調子者のチャッカや、授業中でもイヤホンをはずさないシルヴァーナ、どこか挑戦的なサフィラ、ルーマニアからの移民でクラス一番の優等生アダムなど個性豊かな生徒が揃っていた。
中でも素行不良の女子生徒アンジェラに、ジョヴァンニは手を焼く。しかしアンジェラの無関心や授業放棄は、最近父親が失業し、母親も亡くなったことが原因しているということを知ったジョヴァンニは、なんとかして彼女を支えようとする。
独り暮らしをするフィオリートは、かつての生徒だという女性エレナから電話を受ける。なぜ今頃になって? なんの為に? 不思議な気持ちになるフィオリートだったが、その後ふたたび電話をかけてくるエレナにフィオリートが応えることはなかった。留守番電話には、自分は近くの臨床検査室に勤めて
いて、会いたいというメッセージが残されていて…。
ジュリアーナ校長は、ある日体育館で寝袋にくるまっていた男子生徒エンリコをみつける。母子家庭に育ったこの生徒は、三日前から母親が失踪していた。咳がとまらないので病院につれていくと、呼吸器疾患で検査入院に。 天涯孤独の彼の世話を仕方なくみる羽目になるジュリアーナは、必要最低限の
ことをし、校長としての義務を果たすだけと言い切るのだが…。
そして二学期の終わりの日も近づき、3人はそれぞれある選択を迫られる。
スタッフ
監督・脚本:ジュゼッペ・ピッチョーニ
製作:ドナテッラ・ボッティ
原案:マルコ・ロドリ
脚本:フランチェスカ・マニエーリ
撮影:ロベルト・チマッティ
美術:ルドビカ・フェラーリオ
編集:エズメラルダ・カラブリア
音楽:ラッチェフ&カッラテッロ
キャスト
マルゲリータ・ブイ
リッカルド・スカマルチョ
ロベルト・ヘルリッカ
LINK
□公式サイト□IMDb
□この作品のインタビューを見る
□この作品に関する情報をもっと探す