原題:Third Person

2013年/イギリス/カラー/137分 配給:プレシディオ、東京テアトル

2015年01月06日よりDVDリリース 2014年6月20日(金) TOHOシネマズ 日本橋ほか全国ロードショー

(C) Corsan 2013 all rights reserved

公開初日 2014/06/20

配給会社名 0830/0049

解説


 パリのホテルにこもって最新作を執筆中の小説家と、作家志望でもある若き愛人。ローマのバーで、密輸業者に娘を誘拐されたというロマ族の女と出会ったアメリカ人の男。ニューヨークのホテルで客室係として働きながら、離婚した夫から息子を取り戻そうとする元女優と、売れっ子現代アーティストの元夫。一見、何の接点もないようなエピソードが並行して描かれていくが、クライマックスに向けて物語は衝撃的な形で交差していく。タペストリーのように織り上げられていた3つの物語の糸がほどけたとき、思いも寄らない真実が浮かび上がり、ラブストーリーを超える愛と絆が観る者の胸をしめつける。

 監督、脚本、製作をつとめたのは、脚本家として『ミリオンダラー・ベイビー』などを手がけ、監督・製作・原案・脚本も手がけた2004年の監督一作目『クラッシュ』でアカデミー賞Ⓡ作品賞、脚本賞を受賞したポール・ハギス。クリスマスを控えたロサンゼルスの街を舞台に多様な人間たちの憎しみと救いを描き出し、差別や人種問題を浮き彫りにしたこの群像劇は、長く人々の記憶に残る名作となった。『サード・パーソン』では3つの場所で起こる別々の物語を綴りながら、愛、信頼、そして裏切りが交錯するミステリーのような世界を構築。2年半に渡ってこの作品と向き合い、50回以上も草稿を書いて完成へとこぎつけたというポール・ハギスは、ある巧妙な“しかけ”を用意して、またもや人間の心理の奥底まで入り込んでいる。

 パズルのピースが埋まるラストを見届ける頃、きっともう一度この物語の登場人物たちに会いたくなることだろう。そしてそのとき、自分にとってこの上なく大切な存在が胸のなかに浮かんでくるはずだ。「私は自分が理解できない事象について執筆するのが好きだ。だから愛の本質を描くことは自然なテーマに思えた」と語るポール・ハギス。二度と立ち上がれないほどの喪失感を抱いたとき、人はそれをどのように乗り越え、再び歩き出していくのか。痛みとともに描かれる愛の物語の向こう側に、ほのかでも確かな希望の灯りと、魂が浄化されるような感動が待っている。

 『クラッシュ』以降、脚本家として『父親たちの星条旗』『007/慰めの報酬』などで活躍し、監督として『告発のとき』『スリーデイズ』を発表してきたポール・ハギス監督の最新作に、ハリウッドを代表する魅力的なキャストが集結した。作家として大きな成功を収めながらも葛藤を抱える主人公を演じるのは、「ひねりと驚きのある、とてもめずらしくて見事に書かれた脚本に魅了された」と語るリーアム・ニーソン。野心的な愛人には『トロン:レガシー』で脚光を浴び、『her/世界でひとつの彼女』など話題作への出演が続くオリヴィア・ワイルド。これまで『オズ はじまりの戦い』などで共演しているミラ・クニスとジェームズ・フランコが、息子の親権を争う元夫婦を演じた。イタリアで運命的な出会いをする男を演じる、オスカー俳優のエイドリアン・ブロディ、弁護士役のマリア・ベロ、主人公の妻を演じるキム・ベイシンガーなど、ポール・ハギスとの仕事を熱望していたという俳優たちが、絡み合う3つの物語にこの上ないリアリティを与えている。
 

ストーリー





パリ。最新小説を書き終えるために、ホテルのスイートルームにこもって仕事をしている、ピューリッツァー賞受賞作家のマイケル(リーアム・ニーソン)。妻エイレンとは別居して、野心的な作家志望のアンナ(オリヴィア・ワイルド)と不倫関係にあるが、アンナにも秘密の恋人がいる。
ローマ。いかがわしいアメリカ人ビジネスマンのスコット(エイドリアン・ブロディ)は、ファッションブランドから
スーツのデザインを盗もうとしていた。あるバーで美しくエキゾチックな女性に一瞬にして目を奪われたスコットは、彼女が娘と久しぶりに再会しようとしていることを知る。そして密輸業者から娘を取り戻すためのお金を盗まれたと聞いたスコットは、彼女を助けたい衝動に駆られる。
ニューヨーク。昼メロに出演していた元女優のジュリア(ミラ・クニス)は、6歳の息子をめぐって有名なアーティストである元夫のリック(ジェームズ・フランコ)と親権争いの真っ最中だった。
経済的支援をカットされ、膨大な裁判費用を抱えたジュリアは、かつては頻繁に泊まっていた高級ホテルでメイドとして働きはじめる。ジュリアの弁護士であるテレサ(マリア・ベロ)からは、裁判所の心証を変えるため、精神科医の鑑定を受けることをすすめられているが——。

スタッフ

監督・脚本・製作:ポール・ハギス
製作:マイケル・ノジック、ポール・ブルールズ
美術:ローレンス・ベネット
撮影:ジャン・フィリッポ・コルティチェッリ
衣装:ソヌ・ミシュラ
編集:ジョー・フランシス
音楽:ダリオ・マリアネッリ

キャスト

マイケル:リーアム・ニーソン
アンナ:オリヴィア・ワイルド
スコット:エイドリアン・ブロディ
モニカ:モラン・アティアス
ジュリア:ミラ・クニス
リック:ジェームズ・フランコ
テレサ:マリア・ベロ
エレイン:キム・ベイシンガー
サム:ロアン・シャバノル
ジェイク:デヴィッド・ヘアウッド
ジェシー:オリヴァー・クラウチ

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