ランナウェイ・ブルース
原題:The Motel Life
2012年/アメリカ/カラー/85分/ 配給:熱帯美術館
2014年3月15日公開
(C)2012 Motel Life LLC
公開初日 2014/03/15
配給会社名 0164
解説
ローマ国際映画祭で観客から最も称賛された愛と絆
『ランナウェイ・ブルース』は、2012年ローマ国際映画祭で上映され、会場を熱狂の渦に巻き込きこんだ。観客はフランクとジェリー・リー兄弟の絆に胸を熱くし、ヒロイン、アニーの可憐さに心を深く打たれる。そして観客賞を初めとし、最優秀脚本賞、最優秀編集賞、オンライン批評家賞の4冠受賞という快挙を成し遂げた!
フランクとジェリー・リーはネバダ州リノに暮らす固い絆で結ばれた兄弟。弟のフランクが紡ぎ出す痛快な冒険譚に、兄のジェリー・リーがイラストを描き起こし、つらく何の展望もない毎日を笑い飛ばし、二人は一緒に生きてきた。
ある日ジェリー・リーが交通事故を起こし、フランクのかつての恋人アニーが住むエルコの町へ二人は逃れる。互いに愛し合いながらも、ある出来事をきっかけに、別れてしまったフランクとアニー。エルコで再会したアニーは、今も変わらぬ愛と優しさでフランクを包んでくれた。本当はアニーのことずっと思い続けるフランクに、ジェリー・リーは「一歩前に踏み出せ!」と弟の背中を押して、アニーとの幸せを願うのだった。
フランクはアニーの愛を取り戻し、最愛の兄を守ることできるのか・・・?
アメリカ映画はずっと、兄弟の絆を描いた名作を数多く生んできた。お互いの存在を知らずに生きてきた兄弟を描く『レインマン』(1988)、消防士になった兄弟の物語『バックドラフト』(1991)、美しい自然の中に兄弟の絆を描く『リバー・ランズ・スルー・イット』(1992)とその作品のすばらしさには、枚挙にいとまがない。そして見る者の胸を熱くする新たな名作『ランナウェイ・ブルース』がここに誕生した!
演技派ハリウッドスターの共演が魅せる感動の物語
優しく繊細な弟フランクを演じるのは『イントゥ・ザ・ワイルド』(2007)、『ミルク』(2008)のエミール・ハーシュ。不器用だが弟思いの兄ジェリー・リーを演じるのはソフィア・コッポラ監督作『SOMEWHERE』(2010)での父親役が記憶に新しいスティーヴン・ドーフ。二人の個性派俳優によって、この物語に命が吹き込まれ、見る者に大きな共感を生み出している。
フランクの美しい恋人、アニーを演じるのは『I am Sam アイ・アム・サム』(2001)で鮮烈なデビューを飾ったダコタ・ファニング。貧しさから望まぬ生き方を選ばなければならない若い女性をみずみずしく演じて、映画に華やかさを生み出す。
そして、父のようにフランクを見守り導くアールを演じるのは、『天国の門』(1980)のクリス・クリストファーソン。貧しくつらい日々を生き抜くための希望をフランクに与えてくれる重要な役どころを、暖かみを持って演じている。
本作で監督デビューを果たしたのは、ヴェルナー・ヘルツォーク監督の『バッド・ルーテナント』(2009)のプロデューサーとして知られる、アラン・ポルスキーとガブリエル・ポルスキー兄弟。スクリーン誌に「デビュー作を成功させるのに必要な要素をすべて持ち合わせている」と評された期待の新人監督だ。
映画に豊かなイマジネーションをもたらす兄弟の冒険譚を紡ぐ傑作アニメーションを描いたのは、フランシス・フォード・コッポラやオリヴァー・ストーンとのコラボで知られるアーティスト、マイク・スミス。ボブ・ディラン&ジョニー・キャッシュの名曲「北国の少女」をはじめとして、全編を彩るブルースの数々も、この映画の大きな見どころのひとつだ。
ストーリー
シェラネバダ山脈のふもと、ネバダ州リノの郊外に生まれた、ジェリー・リーとフランクのフラナガン兄弟は、幼くして孤児となってしまう。手に残ったのはわずかばかりの金と父親のウィンチェスター銃だけだった。
フランクは、14才にしてハーリーの中古車店で働いていた。オーナーのアール・ハーリーは、フランクを息子のようにかわいがってくれた。アールはフランクに「頭の中に隠れ家を作って、つらいことがあった時は、そこへ行け、兄さんにも夢を話してやれ」と教える。それからはフランクが紡ぎ出す痛快な冒険譚に、兄のジェリー・リーがイラストを描き起こし、日々のつらさを笑い飛ばして生きてきた。子どもの時に負った大怪我のせいで、何をやってもうまくいかない兄を、弟はどうしても見捨てることができない。兄もまたそんな弟の重荷になるまいとしながらも、結局頼れるのは弟だけだった。不幸な事故が二人を離れがたい間柄にしていた。
かつてフランクには相思相愛のアニーという恋人がいた。しかし、アニーが実の母親に売春を強要されているところを偶然見てしまい、その光景が頭から離れないフランクはアニーを遠ざけてしまっていた。アニーは母親から逃れ、今はエルコに移り住んでいた。アニーはフランクへの愛を忘れられず、「今でも思っている」と手紙を送ってくるのだった。
ある冬の日、ジェリー・リーは交通事故で子どもを死なせてしまう。またフランクに迷惑をかけてしまうと、自責の念に駆られたジェリー・リーは、自殺しようとするが死にきれず、病院に担ぎこまれる。やがて警察が病院にやってくると、怯えたジェリー・リーは、結局また弟に助けを求めなければならないのだった。
逃亡資金を作るため、フランクは父親が残したウィンチェスター銃を売ってわずかばかりの金を手に入れる。友達のトミーは、その金をマイク・タイソンとジェームス・ダグラスのボクシング戦に賭けろと言う。フランクは迷った末、思い切って賭けに乗ることにする。誰もがタイソン有利と思ったが、驚いたことにダグラスがKOで勝利する。生まれて初めての幸運に恵まれ、フランクは一夜にして9450ドルもの大金を手に入れる。
逃走用の車を入手するため、フランクは久しぶりにハーリーの中古車店を訪れる。アールは今でもフランクを思いやり、「お前は立派な男だ。自分をクズだと決めつけて道を選ぶんじゃない。負け犬のように振る舞うな、胸を張って生きていけ!」と勇気づけてくれるのだった。アールの言葉はフランクの心にしみいり、車を走らせる彼の目にはいつしか涙があふれていた。
兄を病院から連れ出したフランクは、車をアニーが住むエルコに向かって走らせていた。再会したアニーは、今も変わらぬ愛と優しさでフランクを包んでくれた。本当はアニーのことを思い続けるフランクだったが、自分だけが幸せになることに後ろめたさを感じてもいた。そんなフランクをジェリー・リーは「1人で抱え込むな。俺じゃなくてもいい、誰かに心を開け」とフランクの背中をやさしく押してくれる。ジェリー・リーは繊細で孤独な弟の幸せを何よりも願っていた。
そしてフランクはアニーの愛を取り戻し、ジェリー・リーと共に幸せを手に入れることができるのだろうか・・・?
スタッフ
監督:アラン・ポルスキー、ガブリエル・ポルスキー
製作:アラン・ポルスキー、ガブリエル・ポルスキー、アン・ルアーク
製作総指揮:アンドリュー・ホール
原作:ウィリー・ブラウティン
脚本:ミカ・フィッツァーマン=ブルー、ノア・ハープスター
撮影:ロマン・バシャノフ
美術:ライアン・ウォーレン・スミス
衣装:カート&バート
編集:ヒューズ・ウィンボーン、ダグ・クライズ
音楽:キーファス・シアンシア、デビッド・ホームズ
音楽監修:メアリー・ラモス
アニメーション:マイク・スミス
キャスト
エミール・ハーシュ
スティーブン・ドーフ
ダコタ・ファニング
クリス・クリストファーソン
ジョシュア・レオナルド
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