原題:Trashed

☆カンヌ国際映画祭 特別上映 ☆東京国際映画祭受賞 ☆マウイ映画祭 観客賞 ☆サラエヴォ映画祭 ☆エスポーシネ国際映画祭 ☆レインダンス映画祭 ☆リオ・デ・ジャネイロ国際映画祭 ☆プラネットインフォーカス環境映画祭 ☆アブ・ダビ映画祭 ☆バンクーバー国際映画祭 ☆FIFE映画祭 特別ドキュメンタリー賞 ☆キエフ国際ドキュメンタリー映画祭 グランプリ

2012年/イギリス/英語/カラー/DCP/5.1ch/97分 提供:パルコ+GREENROOM FILM 配給:GREENROOM FILM

2013年9月28日、シネマライズほか全国順次公開

©BLENHEIM FILMS 2012

公開初日 2013/09/28

配給会社名 1429

解説


レバノンの古都サイドン。そのはずれにある砂浜にジェレミー・アイアンズは立つ。彼の上にはゴミの山がそびえる。医療廃棄物で何かが繁殖している醜いゴミ、家庭ゴミ、毒性のある液体、動物の死骸・・・たった一つの小さな街が30年間消費し続けた結果がこれである。こういった小さな町が世界には一体いくつあるのか?新たなゴミがごみ山の頂上に積み重ねられると、ガラクタが脇に転がり落ち、青い地中海に沈んでいく。プラスチックボトルによって埋め尽くされた広大な場所でジェレミー・アイアンズは水平線を見つめながらつぶやく。「最低だね。」

 本作はBlenheim Filmsによって製作され、イギリス人監督キャンディダ・ブラディが製作、監督した。この作品はカンヌ国際映画祭で特別上映作品となったが、この中でアイアンズは世界中のゴミで汚染されている美しい場所を巡り、グローバルなゴミ問題の状況や影響を明らかにしようと試みる。細部まで行き届いた調査の旅の間、アイアンズは(私たちと共に)懐疑から悲嘆へ、そして恐怖から希望へとうつろう。ブラディの物語はアカデミー賞を受賞した作曲家ヴァンゲリスのオリジナル曲にのせて語られる。宇宙から見た私たちの星の美しさは全地球規模の人間が出したゴミの光景とはまったく対照的である。中国の広大な景色は今や何トンものゴミで覆われてる。インドネシアのチリウン川の幅広い川面は終わることなく押し寄せるプラスチックの波の下に隠れて今はほとんど見ることができない。子供たちは液体の漏れだした袋の間で泳ぎ、母親たちは汚水で洗濯をしている。今私たちは毎年580億個の使い捨てカップ、何十億というビニール袋、2000億リットルのペットボトル、何十億トンもの家庭ゴミ、毒性廃棄物、電子廃棄物を廃棄している。買って埋めて、燃やして、そして私たちはそれを無視している。私たちが作り出したゴミすべてに対して何が起こるのか誰か考えているのだろうか?私たちは分解できない物を作り続けている。このぞっとするような事実をどこかで耳にしたことがあるはず。本作品はガイドのジェレミー・アイアンズとともに、毎年無責任に廃棄される10億トンものゴミに何が起こっているのか実際に目の当たりにする。

 北太平洋のボートの上で、彼は「太平洋ゴミベルト」の現実、そして海洋生物へのプラスチック廃棄物のもたらす影響に直面する。塩素化ダイオキシンや、その他人間が作り出した残留性有機汚染物質がプラスチック片に引きつけられることを私たちは知っている。それは魚によって食べられ、魚は毒素を吸収する。そして私たちはその魚を食べ、より毒性の高い化学物質をすでに重荷を背負った体内に蓄積していく。一方で、ゴミの埋め立てや焼却からの排出物によって地球温暖化は加速していくが、これによって氷が溶けだし、その氷の中に保存されていた数十年にわたる古い毒素が解放され海に戻っていく。私たちは、問題を解決する方法の中には、問題それ自体と同じくらい恐ろしく有毒なものがあることを知っている。

 アカデミー賞俳優のジェレミー・アイアンズは主役を演じることには慣れている。しかし、本作のガイドとしての役割は、私たち全員が直面している環境問題に対する解決法を示すものであり、彼にとってこれまでになく重要な配役になるかもしれない。「“ゴミ”や“サステナビリティ”の問題に緊急に取り組まなければならない、と感じている人々がとても多かったので、私たちはこの映画を製作しました」と、アイアンズは述べ、「この面倒な問題を解決するもっともクリエイティブで効果の高い方法を、世界の出来るだけ多くのコミュニティで理解し、共有してもらうことも同じくらい緊急に必要なのです。映画はそんな重要な役目を果たすことができます。社会を啓蒙し、“困難な”問題をできるだけ幅広い層の観衆の前に提示することができるのです。あなた方がアル・ゴアの『不都合な真実』を見るとして、気に入ろうと気に入るまいと、誰もが聞いたことがある映画でしょう。映画にはあらゆる人に届いて、感情レベルで私たちの心を揺さぶり、刺激する潜在的な力があるのです」。 

 キャンディダ・ブラディは、本作の調査と映画化に2年間を費やし、成人になってから人生の大半をゴミ問題と環境問題に捧げてきた。「生来の喘息患者として、私は汚染の影響に常に関心を寄せてきました。しかし、環境が私たちの健康に対して与える直接的な影響に最初に気付かせてくれたのは、私の命を救ってくれた一人の環境ドクターとの出会いでした」。「幼い頃、吸入器を持った子供は私一人でした。最近では、すごいスピードでそれがまったく逆になっています」。

 『TRASHED—ゴミ地球の代償-』を通じ、最悪の状況に直面しながらも、ジェレミー・アイアンズは希望に目を向け、解決法を探し求める。生活を変えてほとんどゴミを出さなくなった人々、増え続けるゴミ防止規制、そして今、事実上ゴミゼロを達成している都市まで。彼はそうした変化が必然的なだけでなく、すでに起きていることを認識する。

ストーリー

スタッフ

監督/脚本/プロデューサー/製作総指揮:キャンディダ・ブラディ
プロデューサー/製作総指揮:タイタス・オギルヴィー
音楽/作曲:ヴァンゲリス
製作総指揮:トム・ウェセル
製作総指揮:ジェレミー・アイアンズ
編集:ジェイムズ・カワード
編集:ケイト・コギンズ
編集:ジェイミー・トレヴィル
美術監督:ゲイリー・ウォーラー

キャスト

ジェレミー・アイアンズ

LINK

□公式サイト
□IMDb
□この作品のインタビューを見る
□この作品に関する情報をもっと探す