原題:Strutter

最愛の女神に捨てられ、バンドは解散の危機。  カッコわるいままじゃいられない—

2012年/アメリカ/B&W/DCP/87分 提供:フルモテルモ、コピアポア・フィルム、オデッサ・エンタテインメント 配給:フルモテルモ×コピアポア・フィルム

2013年9月14日(土)より東京・ヒューマントラストシネマ渋谷にて公開!

© Allison Anders and Kurt Voss

公開初日 2013/09/14

配給会社名 1415/1416

解説


最愛の恋人に突然、別れを告げられたL.A.在住のロッカー、ブレット。しかも、追い打ちをかけるように所属するバンドに解散の危機が迫り…。『ストラッター』はそんな失意のどん底に突き落とされた青年の憂鬱な日々を、スタイリッシュな映像でユーモラスに描き出したロック・ムービーだ。8つの章仕立ての物語の中で、ブレットに片思い中の映画狂の美女・クレオとのもどかしい恋愛模様や、恋敵である“L.A.版ジャーヴィス・コッカー”デイモンとの奇妙な友情、恋多き母親の恋人・フランクとの交流などが、モノクロームの映像によって綴られていく。監督は長年コンビで映画制作を続けてきたアリソン・アンダース(『ガス・フード・ロジング』、『グレイス・オブ・マイハート』)とカート・ヴォス。今回、13年ぶりにタッグを組み、『ボーダー・レディオ』(87)、『シュガー・タウン』(99)に続く、“南カリフォルニア3部作”の最終章となる本作を完成させた。

この映画は、クエインティン・タランティーノ、モンテ・ヘルマン、ガス・ヴァン・サント、イーサン・コーエンなどアメリカのインディペンデント映画を牽引する監督たちから様々な支援、協力を得ながら総製作費25,000ドル(250万円)で作り上げられた。カート・ヴォス自身がハンディカムで撮影を担当し、アリソン・アンダースの子供たちがBカメラと音楽の統括を担うなど徹底した低予算での映画作りがなされている。
劇中に登場する役者たちは両監督の友人たちで、映画撮影時は実際にバンド活動を行っていたのだという(残念ながら撮影後に解散)。本作にドキュメンタリー映画のような肌触りがあるのはきっとそのせいだろう。また、ブレットが働く楽器店の店主役に80年代に活躍した伝説のL.A.パンクバンド、ガン・クラブのドラマー、テリー・グレアム、中古レコード店のお客として L.A.ミュージック・シーンの異端児アリエル・ピンクが出演しているのもロックファンとしては見逃せないポイントだ。劇中を彩る音楽も最高で、ガレージ・ロックやグラム・パーソンズの奏でるカントリー、ダイナソーJr.のJ・マスシスによるスコア(マスシスは何とカメオ出演までしている!)など、L.A.ロックシーンの過去と現在(いま)が体感できるものになっている。また、一人の青年の成長を描いたビター&スイートな青春ストーリーでもある本作のツボを押さえた展開は、映画ファンをニヤリとさせること必至だ。この夏、映画界と音楽シーンを揺るがすアメリカン・ロック・ムービーの傑作をぜひその目で!

ストーリー




「日曜日にひとりだなんて。俺は一体何をすればいいんだ!」
最愛の恋人・ジャスティーンから突然の別れを告げられ、落ち込むロッカーのブレット。映画館を経営する友人のクレオはそんな彼を優しく慰める。失意のブレットに追い打ちをかけるように、バンドのメンバーが脱退したいと言い出す。さらに、ジャスティーンがブレットのリスペクトするミュージシャン・デイモンと付き合い始めたという噂が。怒りに震えるブレットはデイモンの経営するレコード屋に駆け込むが、当のデイモンを目の前にすると何も言えず、高価なレコードを買って帰って来てしまう。
「ミューズなんかじゃなくて本物の女を愛しなさい。」「解散なんて日常茶飯事だ。マイルスのバンドだって解散する。」
自暴自棄になるブレッドを励ます母親、母親の恋人フランク、アルバイト先の楽器屋店主アーチー。恋敵であったデイモンとの不思議な友情にも支えられ、次第にブレッドは自分にとって大切なものを見つけ出す。そして、ブレッド、デイモン、フランクの3人はヨシュアツリ—へと“砂漠のツアー”に旅立つ。

スタッフ

監督/脚本/製作:アリソン・アンダース カート・ヴォス
撮影:カート・ヴォス
作曲:J・マスシス
編集:クリス・フィグラー アーロン・ロッティングハウス
録音/ミキサー:クリス・パウエル
音楽統括:ティファニー・アンダース
Bカメラ/スチール写真:ルーベン・アンダース 

キャスト

フラナリー・ランスフォード(ブレット・ピアース)
ダンテ・ホワイト=アリアーノ(デイモン・ウォルシュ)
エリーズ・ホランダー(クレオ)
クレイグ・スターク(フランク)
ルアナ・アンダース(ルー・ピアース)
テリー・グレアム(アーチー)
アリエル・ピンク(本人)
ビクトリア・ウィリアムス(モリー)
サラ・アシュレー(テッサ)
ニック・ジョーンズ(ニック)
ライアン・アースキン(ジェイムズ)
ジェイド・ゴードン(古着店の店員)

LINK

□公式サイト
□IMDb
□この作品のインタビューを見る
□この作品に関する情報をもっと探す