6月6日

EPISODE 0 　プロローグ
超時空エンターテイメントの入り口──。
高校の新聞部の男女が地域の古い建物を取材するために、廃墟となった個人病院にやってくる。
そこで２人が見たものは、亡くなった医者がコレクションしていた６月６日に関する不思議なものの数々であった。
全てはここから始まり、物語は時空を越えていく──。

EPISODE 1 　待つ男
1848年（嘉永元年）、殺された兄の仇を追って旅をする彦十郎は、街道沿いの社殿に住む浪人に襲われ、路銀を奪われる。
腕に自信のない彦十郎は、この名無しの浪人に実戦の剣を教わることになるのだが──。

柏原寛司が超低予算（40万）で黒澤明時代劇に挑戦した異色作。
ラストの雨の中の殺陣は見物。

EPISODE 2 　密命 mission
1944年、太平洋戦争末期。
敗色濃厚の戦局を何とか和平交渉で終結させようと、米国に密書を送り届けようとする者と、それを阻止しようとする男の闘いを、一人、海岸に穴を掘って上陸する米軍を迎え撃とうとする少年を絡めて描く異色作。
はたして和平の密書は米軍に渡すことができるのか——。

『ゴジラ　ファイナル・ウォーズ』や『ＧＡＮＴＺ』などで特撮のチーフ助監督をつとめた石井良和監督が、特技を生かし、東京空襲に向かうＢ25や魚雷を発射する米潜水艦などをミニチア・ワークを含めた特撮で描きます。

EPISODE 3 　あと１５分
2011年東京。
全てが制止した東京の街で、子供の頃の因縁を引きずる若き女性二人が戦う異色レディース・アクション。

『夜逃げ屋本舗』や『べっぴんの町』の原隆仁が描く何もかもが制止した東京の街は見物。
プロの演出が冴える異色作。

EPISODE 4 　世界は二人を待っている
2012年の日本の地方都市。
主人公二人は家庭を持つ社会人になっていた。
だが、ある瞬間からまた戦う本能が沸きだしてしまう。
そして、二人の意志とは関係なく、闘いの場へと向かうのであった。
二人を闘争に刈りださせた物の存在とは──。
ラストに衝撃の映像が待っている。

室賀厚の得意とする殴り合いと激しい銃撃戦が繰り広げられるアクション篇。
ここまでの過去から現在へのエピソードと、これからの近未来、そして超未来へとの展開を繋ぐ重要なエピソードである。

EPISODE 5 　一匹でも多くのブタを殺せ！
2095年、東京。
エイリアンとテロリストに支配された近未来都市・東京を舞台に、対テロリストの特殊部隊とテロリストの戦いを描く。
が、主人公の特殊部隊員はテロリストを追ううち、この世界がエイリアンに侵略されていることを知る。
そして、戦う相手がテロリストからエイリアンへと変わっていく。
エイリアンの人類侵略を防ぐために、地球を破戒するという驚愕のクライマックスへと突入していく──。

室賀厚版『ブレード・ランナー』ともいえる作品。
近未来都市東京の実景部分はタイで撮影している。

EPISODE 6 　ザ・デッド・プラネット　死せる惑星
2595年、宇宙。
2095年のエイリアンの戦いで地球は放射能に覆われ、死の惑星となっていた。
エイリアンは死滅したが、人類の大部分も犠牲となった。
生き残った僅かな人間たちが、宇宙で生活をしている。
宇宙一のパイロットを自認するテキーラは、自分を狙う女海賊・ジャッキーから執拗な攻撃を受けていた。
そして、二人が戦いながら辿り着いたのは死の惑星のはずの地球だったのだが——。
そこには素晴らしいハッピーエンドが待っていた。

自主映画の特撮物としてそのクオリティーが日本で話題になり、上海映画祭に招待されたことでも話題になった『キオクドロボウ』のＶＦＸ監督の石田肇がフルＣＧで表現するＳＦの世界が素晴らしい。
ファイナル・エピソードに相応しい、笑いとハッピーエンドのエンターテインメント作品である。
女海賊ジャッキーを演じる水野美紀のコミカルさが光る。