インビジブルモンスター

とある地方産業都市、陰惨な通り魔事件が立て続けに起こっていた。レインコートを着た大男という目撃証言が報告される中、被害者の共通点もなく、犯人の動機や足取りも特定できない。ある日の帰り道、天野奈美は通り魔事件の犯行現場に遭遇してしまう。犯人と目が合ってしまう天野。通り魔に捕まってしまうが危機一髪の所を月島正道に救われる。その一件をきっかけに急接近する月島と天野。一方で、刑事松山慎太郎は犯人を追っていた。娘が殺害され、迷宮入りした15年前の通り魔事件との関連を疑い、捜査に躍起になる。人々は通り魔におびえる者、討伐を目指す者など理性を失い、街は少しずつ陰鬱な雰囲気に飲み込まれていく。天野も月島に心を許しながらも、PTSDの症状を訴え始め、その戻りかけた日常は次第に影に覆われていく。そんな折、明らかになる月島の過去。松山は娘を殺された忌々しい記憶が介入し、徐々に理性を失い組織行動から離れていく。街に再び通り魔が現れる。