チャイルドコール 呼声
原題:Babycall
2011年/ノルウェー・ドイツ・スウェーデン合作/カラー/96分/ 提供:キングレコード 配給:ミモザフィルムズ、スティクティングたまごトーキョー
2013年3月30日(土)ヒューマントラストシネマ渋谷他にて全国順次ロードショー
公開初日 2013/03/30
配給会社名 1399/1400
解説
ヒロインは夫の暴力から逃れ、息子と一緒に郊外に引っ越してきたアナである。夫のドメスティック・バイオレンスに苦しめられてきた彼女は、幼いひとり息子の身を守るため、音声監視モニター<チャイルドコール>を購入する。しかし、ある時、そこから聞こえてきた他の子供の悲鳴に衝撃を受け、強い恐怖と猜疑心に襲われる。そして、息子への深い愛ゆえに彼女の精神のバランスが崩れ始める・・・。
主役のアナ役は世界的ベストセラー・ミステリーの映画化として大きな話題を呼んだ『ミレニアム』シリーズで強烈なヒロインを演じたノオミ・ラパス。『ミレニアム』の時は、英国の「エンパイヤ」誌の読者投票で「映画史上のセクシーな女性キャラクター25人」のひとりに選出され、巨匠リドリー・スコットの熱烈なラブコールを受けてSF大作『プロメテウス』(2012)でハリウッドにも進出。 本作『チャイルドコール 呼声』では息子を思う母の愛を繊細に演じてこれまでとはひと違う演技を披露。2011年ローマ国際映画祭最優秀女優賞、2012年ノルウェーのアカデミー賞、アマンダ賞の最優秀女優賞など数々の演技賞を受賞している。彼女の理解者となる電器店の店員役をポール・シュレットアウネ監督の『隣人 ネクストドア』で最優秀男優賞を受賞したクリストファー・ヨーネルが演じて、味わい深い演技を披露する。
監督は長編デビュー作『ジャンク・メール』(97)で、カンヌ映画祭批評家週間最優秀賞、東京国際映画祭東京シルバー賞他、数々の映画賞を受賞し、98年Variety誌が選ぶ将来有望な監督10人のひとりにも選出されたポール・シュレットアウネ。謎の隣人姉妹に翻弄される男を描いた2005年のエロティックホラー『隣人 ネクストドア』の迷宮感覚あふれる映像と心理描写も話題になった。
監督は新聞に出たドメスティック・バイレンスの記事を追うことで映画の構想をふくらませ、今回のヒロイン像を作り上げたという。映画の製作に入る前に、自身の子供を授かることで、子供という存在の危うさにも興味を抱いたというが、親子の複雑な愛憎関係に自身の体験からくるリアルな感情を持ちこむことで、きめの細かな心理描写が実現。監督もその演技力と役に対する情熱を絶賛する新時代のスター、ノオミ・ラパスと組むことで、見ごたえのある作品が生まれている。
ストーリー
ノルウェー、オスロ。主人公アナは8歳の息子アンデシュと、夫の暴力から逃れるため、保護監視プログラムのもと 郊外のアパートに引っ越してきた。それでもなお、不安を拭いきれないアナは、電器店で<チャイルドコール>と呼ばれる音声監視用モニターを購入。寝ている間も安全が確認できるよう息子の寝室に設置した。
ある晩のこと。突如、子供の悲鳴がチャイルドコールから鳴り響く。アナは驚いて息子の寝室に駆けつけるが、おかしなことに、アンデシュはそこで静かに眠っているのだった。
翌日、電器店員のヘルゲから、チャイルドコールについて、混線により近所の家の音まで受信する場合があることを教えられるアナ。すると彼女は、ほかの部屋で子供が虐待を受けているのではないかという疑いを抱き始める。
そんなある日、学校帰りにアンデシュは友達を連れてくる。息子の部屋で、静かに遊ぶ二人。しかし突然、扉の音がすると、子供たちがいなくなってしまう。慌てて家中を探すアナ。戸惑いながらキッチンへ向かうと、そこには独りアンデシュの姿が。安堵したアナが友達の居場所を尋ねるが、アンデシュは答えない。そして、自分の描いた絵が血で汚れてしまっていることをアナに訴え、そのまま家を飛び出してしまうのだった。ようやくアパートの地下駐車場で息子に追いつくアナだったが、そのとき、ビニールシートに包まれた何かを車に運び込む、見知らぬ男を目撃してしまう。
翌日、車に運び込まれたのは虐待された子供の死体ではないか?という疑いを胸に、電器店員のヘルゲに相談を持ちかけるアナ。そんな彼女をヘルゲは心配性の自分の母親に似ていると言いながら「きっと君は優しくて繊細すぎる人だから」と穏やかになだめ、アナも次第に落ち着きを取り戻すのだった。
数日後、アナは以前、連れていく約束をしていた森の湖へ息子と二人で出掛ける。嬉しそうに先を走るアンデシュ。しかし行く先に現れたのは、ごく普通の駐車場。湖は存在しなかった。ウソをつかれたと怒って走り去るアンデシュ。消えた湖に戸惑いながら、慌てて追いかけるアナ。そのさなか、今度は森の奥で土を掘る謎の男を、彼女は目撃してしまう。
アナの中で起き始める、記憶と現実の乖離。チャイルドコールから鳴り響く叫び声。そして、目撃した謎の男。それぞれに隠された衝撃の真実が、彼女をさらなる恐怖へと追い込んでいくのだった……。
スタッフ
監督:ポール・シュレットアウネ
脚本:ポール・シュレットアウネ
撮影:ヨン・アンドレアス・アナスン
音楽:フェルナンド・ベラスケス
キャスト
ノオミ・ラパス
クリストファー・ヨーネル
ベトレ・オーベンニル・バリング
スティーグ・R・アンダム
マリア・ボック
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