原題:Shadow Dancer

あの衝撃、『クライム・ゲーム』から20年・・・
エリザベス女王とアイルランドの
“和解”の年に生まれた象徴的作品

ディナール英国映画祭2012年 ゴールデン・ヒッチコック賞(最優秀作品賞)&観客賞
2012年エディンバラ国際映画祭最優秀演技賞受賞(アンドレア・ライズブロー、ブリッド・ブレナン)
2012年英国インディペンデント映画賞最優秀主演女優賞受賞

2011年/アイルランド、イギリス/上映時間:101分
配給:コムストック・グループ
配給協力:クロックワークス
宣伝:フリーマン・オフィス、宣伝協力:フェイス・トゥ・フェイス

2013年3月16日、シネスイッチ銀座ほか全国順次公開!

© Shadow Dancer Rights Limited / BBC / The British Film Institute / Wild Bunch 2012

公開初日 2013/03/16

配給会社名 0708

解説


あの衝撃、『クライング・ゲーム』から20年—
英国エリザベス女王とアイルランドの“和解”の年に生まれた象徴的作品

  2011年5月17日エリザベス女王は英国王として100年ぶりにアイルランドの首都ダブリンを訪れ、両国民を驚かせた。翌年2012年6月27日に即位60周年記念としてアイルランドを再訪、IRAの活動拠点であったベルファストでIRA元司令官であるマーティン・マクギネス副首相と歴史的握手を交わした。それは、両国の長い闘いの歴史の中で“和解”を意味する重要な瞬間となり歴史に刻まれることとなった。
  そんな和解の時に製作された本作『シャドー・ダンサー』は、1990年代のIRA(アイルランド共和軍)とMI5(イギリス情報局保安部)との複雑な闘いを若き母親であるコレットの目を通して描いている。それは生まれながらにしてIRAに身を投じなければならなかったコレットという女性の人生を知ることによって、その時代に生きた人々の緊迫の日々の中でも“家族を守る”という強い姿勢を目撃することとなる。
  この物語の時代背景である1990年代初頭は両国の和平交渉が続く中、IRAを描いた多くの映画が発表された時代でもあった。『クライング・ゲーム』(92)(ニール・ジョーダン監督)、『パトオット・ゲーム』(92)(フィリップ・ノイス監督)(92)、『父の祈りを』(93)(ジム・シェリダン監督)等、錚々たる監督たちが手掛けてきたIRA闘いの日々を描いた物語は、和解合意の象徴的作品として世界に絶賛された。
  それから20年後の現在、1990年代には描かれなかった“母親”が主人公であるIRAの映画が、アカデミー賞受賞監督ジェームス・マーシュのもと、当時実際にアイルランドに在住していた原作者トム・ブラッドビー自身の脚本で映画化されることになった。主人公コレットを演じるのは、本作で二つの主演女優賞(エディンバラ国際映画祭最優秀演技賞、英国インディペンデント映画賞)に輝くアンドレア・ライズブロー、複雑な設定に置かれる役柄を見事に表現している。コレットを追いこむMI5のマック捜査官をイギリス出身『クローサー』(04)でゴールデングローブ最優秀助演男優賞を受賞したクライヴ・オーウェンが、内に秘めた葛藤を静かにそして力強く演じている。脇を固めるのは『Xファイル』シリーズのジリアン・アンダーソン。アイルランド出身の実力派ブリッド・ブレナン、デヴィッド・ウィルモット等、彼らが実際に経験してきたアイルランドの緊迫を素晴らしく表現し、あの時代を投影している。監督は、「物語は長い歴史のひとコマであるけれども、スパイにならなければならなかった主人公の想像できないようなプレッシャーは、北アイルランドの複雑な歴史など知らなくても、本作を通して自然と理解できると信じている。」と語っている。
  このように実力派俳優陣と製作陣の見事なアンサンブルで挑んだ本作は、2012年10月フランスで開催されたディナール英国映画祭でサスペンス・ミステリー映画に相応しいゴールデン・ヒッチコック賞(最優秀作品賞)と観客賞をダブル受賞。“007”シリーズ、英国テレビ・シリーズ「MI-5 英国機密諜報部」、ゲイリー・オールドマンの演技が素晴らしい『裏切りのサーカス』(11)等“スパイ・サスペンス”の本場イギリスより女性がスパイとなる新しい珠玉のサスペンスが完成した。

ストーリー




息子を守るために、家族を欺かなければならない運命だった・・・
1970年代、暴力に支配されたアイルランド、ベルファストの町。コレット・マクビーは父親から煙草を買ってくるおつかいを頼まれるが、ビーズ・ネックレス作りに夢中で、弟のショーンにおつかいの代わりを頼む。しかし、近所で起こったIRA(アイルランド共和軍)と英国警察の発砲事件に巻き込まれてしまった弟は、傷を負って家に担ぎ込まれ、ダイニング・テーブルの上で息を引き取る。

1990年代、20代のシングル・マザーとなったコレットは、弟を殺された子供時代の償いをするためにIRAへの強い忠誠心を持つメンバーのひとりとなり、一人息子マーク、組織の上層部のメンバーとなっている2人の兄弟ジェリーとコナー、そして母と共に暮らしていた。

ロンドンの爆弾事件の容疑者として逮捕されたコレットは、MI5(イギリス情報局保安部)の捜査官マックに弟の死は、英国警察の銃弾ではなくIRAからの流れ弾によって殺されたという証拠を突きつけられる。そして、コレットに2つの選択があることを告げる。ひとつは、25年の刑に処され、息子と会うこともできずに刑務所に入ること。そしてもうひとつは、ベルファストへ戻り彼女を信じている家族、友人らを欺き、内部情報をMI5に渡すことであった。彼女は息子のため、突きつけられた証拠から生じたIRAへの疑問を胸に、スパイになることを選ぶのだった。

ベルファストへ戻ってからというもの、マックはコレットの兄弟が企てている刑事暗殺についての情報を得るために彼女を追い詰めていく。そして、彼らの密かな計画が英国警察によって待ち伏せされたとき、IRA組織の中に密告者がいるのは明白となり、それはコレットなのではないかと疑われ始める。彼女は、IRAの調査員で裏切り者が誰であるか突き止めようとしているケビン・モルビルに容赦なくそして無慈悲に問い詰められるが、間一髪のところで逃げることができた。

一方、マックは彼の同僚たちの動きが怪しいことに気が付き、コレット以外にもスパイがいるのではないかと疑い始める。そして、マックの上司であるケイト・フレッチャーが隠しているもうひとりの重要な情報源“シャドー・ダンサー”を守るためにコレットがおとりになっていることに気づくのである。

IRA内の組織内にスパイがいることは間違いないとふんだケビンは、誰がスパイなのかを躍起になって探していた。そして、追求の手はコレットへと近づいていく。コレットとマックにとって厳しい状況がつづくなか、マックは自分の命にかけてもコレットを守り抜くと約束し、もう一人の情報源“シャドー・ダンサー”の秘密を必死になって探そうとする。しかし、マックが見つけた真実とは、マックの運命も、そしてコレットと彼女の家族の運命をも左右してしまうことだったのである。

観た者にしか分からない震撼のラストの秘密は、決して誰にも話さないで下さい。

スタッフ

監督:ジェームズ・マーシュ
原作:トム・ブラッドビー『哀しみの密告者』(扶桑社刊)
脚本:トム・ブラッドビー
プロデューサー:アンドリュー・ロウ、エド・ギ二ー
製作総指揮:ジョー・オッペンハイマー、ブラヒム・シウア、
ノーマン・メリー、ヴァンサン・マラヴァル、
トム・ブラッドビー、リタ・ダガー
撮影監督:ロブ・ハーディ BSC
プロダクション・デザイナー ジョン・ヘンソン
編集:ジンクス・ゴッドフリー
キャスティング・ディレクター:ニナ・ゴールド
音楽:ディコン・ハインクリフェ
衣装:ローナ・マリー・ムガン
メイク:リン・ジョンソン
ヘアー・デザイナー:アイリーン・バギー

キャスト

アンドレア・ライズブロー
クライヴ・オーウェン
エイダン・ギレン
ドーナル・グリーソン
ブリッド・ブレナン
デヴィッド・ウィルモット
スチュアート・グラハム
マーティン・マッキャン
ジリアン・アンダーソン

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