なくしたものさえ わからないまま ゆくあてのない旅が はじまる

NIPPON CONNECTION 2012 NIPPON VISIONS部門正式出品作品 JAPAN FILMFEST HAMBURG 2012 正式出品作品

2011年/日本/カラー/135分/ 製作:東京藝術大学大学院映像研究科 配給・宣伝 : 諸田創 宣伝協力 : 酒井慧/畠佑輔

2013年1月12日よりユーロスペース他、全国順次公開決定

公開初日 2013/01/12

配給会社名 0842

解説


はっぴいえんどの名曲「しんしんしん」からインスピレーションを受け紡がれた新たな神話

監督/脚本は、東京藝術大学で黒沢清に師事し、濱口竜介、瀬田なつきらに続く新鋭、眞田康平。はっぴいえんどの名曲「しんしんしん」にインスピレーションを受け書き上げたオリジナル脚本は、初長編にして新人とは思えないスケール感をもつ叙事詩。失われつつあるような懐かしい風景を旅する「家族」をとおし、不断に変化し移ろいゆく世界と、だからこそ惹かれあい結びつこうとする姿を情緒的に描いた。

しんしんしん。魂を揺さぶる物語に共鳴する俳優たち

主人公・朋之には、『カナリア』での瑞々しく鮮烈なイメージが印象に残る石田法嗣。不器用な態度の中に秘めた感情の奔流を見事に演じきった。朋之のほのかな思いを受けとめ、ときに彼を導くヒロイン・ユキに『俺たちに明日はないっス』や近作『恋に至る病』で主演をつとめた我妻三輪子。あるときを境に決定的に失なわれてしまうような種類の美しさを刻みつけているている。
共演に、園子温作品での活躍目覚ましい神楽坂恵。また洞口依子、佐野和宏などの名だたる俳優陣が揃った。それぞれが、容易く希望を語らず、喪失を引き受け見つめようとする眞田監督に深く賛同し、何かを失なってしまった事を背負って生きる人々の本質をありありと体現している。それはまるで、本当の家族が寄り添っているかのようにさえ見える存在感を映画に与えた。

ストーリー



行くあてもなく、帰る場所もなく、トラックに乗って家族は巡業の旅にでる。

高校生の朋之は、テキヤの一家で暮らしている。実の息子に思いをはせる父親の芳男を先頭に、家族は行くあ当てがなく血の繋がりもないの無い人々が寄り集まって作った「家族」であり、疑似家族であり、それぞれが清算しきれない過去を背負っていた。そこに、身寄りの無い千ユキ里が「家族」に加わるが、突然の取り壊しにより家そのものが無くなってしまう。帰る場所を失った「家族」は、それぞれの行き先を見つけるためトラックで巡業の旅に出るる。
朋之は「家族」を代用品と言いつつ、誰よりもその幸福を願った。誰かの温もりをほしがったユキには、無垢や傷つきやすさと別れねばならない時がきていた。「家族」の大人たちは喪失の中で傷から血を流し続けた。すべてが手遅れになる前に朋之は走り始める。

スタッフ

監督:眞田康平
製作:山田彩友美
脚本:眞田康平
撮影:西佐織
録音:宮崎圭祐
美術:有馬佐世子
編集:片寄弥生
ヘアメイク:橋本申二、畑中嘉代子
助監督:松尾健太
制作担当:佐藤圭一朗
音楽:島松祐介、重盛康平

キャスト

石田法嗣
我妻三輪子
佐野和宏
奥津裕也
神楽坂恵
坪井麻里子
中村有
洞口依子

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