原題:苹果/Lost in Beijing

日中国交正常化40周年記念・中国映画の全貌2012

2007年/中国/ヴィスタ(1:1.85)/ドルビーSR/109分 配給:オリオフィルムズ

2012年10月6日(土)〜11月16日(金)新宿K’s cinemaにてロードショー

公開初日 2012/10/06

公開終了日 2012/10/16

配給会社名 1344

解説


ベネチア国際映画祭CICAE賞受賞作『紅顔』に続く、監督・リー・ユー(李玉)と製作総指揮・ファン・リー(方励)コンビの問題作。この二人にファン・ビンビン(范冰冰)主演を加えたトリオの誕生作とも言える。このトリオは、引き続き2010年『ブッダ・マウンテン』(東京国際映画祭最優秀芸術貢献賞、最優秀女優賞受賞)、2012年『DOUBLE XPOSURE』を製作している。『ロスト・イン・北京』は、『トゥヤーの結婚』が金熊賞(グランプリ)を受賞した、2007年ベルリン国際映画祭にコンペ部門に出品された。中国当局の指摘により激しいセックス描写等のカットを要請されたが、実際は編集が間に合わずそのまま上映した。いわく付きの出品となったが、ウーロン茶のコマーシャルで日本でもおなじみの中国ナンバーワン美人女優ファン・ビンビンの体当たり演技が評判になり、著しい経済成長の真只中の庶民を描いた女性監督リー・ユーは一躍注目された。中国国内では先の要請通りのカット版が公開されたが2008年上映禁止処分になっている。しかし、貧富の格差を社会問題として描くのではなく、この経済発展を富裕層は戸惑いながらも享受し、貧困層はチャンスがあれば物にしようという庶民の姿を鋭く切り取った、まさに問題作と言える。今回は完全版での上映。

ストーリー



ピングォ(ファン・ビンビン)は村から北京に出稼ぎに来て、マッサージパーラーのマッサージ師として働いている。彼女にはビルの窓ふきをしている夫アン・クン(トン・ダーウェイ)がいるが、既婚者は雇わないパーラーなので夫のことは店には内緒にしている。貧しいが二人には楽しい都会生活だった。
ある日、解雇された友達シャオ・メイ(ツアン・メイホイツ)を慰めるため、ピングォは一緒にお酒を飲み、したたかに酔ってしまった。酔ったまま店に戻り社長室に入ったピングォは、店のオーナーリン・トン(レオン・カーファイ)を夫と間違えてしがみつく。途中で夫ではないことに気付き拒否するが、リン・トンは構わず行為を続けレイプした形になった。
偶然、そのビルの窓を拭いていたピングォの夫アン・クンがその現場を目撃する。怒ったアン・クンはそこへ乗り込む。その一件でピングォは結婚していることがバレて解雇されてしまう。
ところがしばらくしてピングォは妊娠したことを知る。夫の子かリン・トンの子か分からない。ピングォは中絶しようとするが、アン・クンはリン・トンの子に違いないとしてリン・トンから慰謝料を取ろうとする。リン・トンには長年連れ添った妻ワン・メイ(エレイン・チン)がいるが、二人の間には子供がなかった。リン・トンはアン・クンと契約を結ぶ。生まれた子の血液型で自分の子と判明したら、子供を引き取り二人には多額の報酬を払う約束をする。
長年の夢だった自身の子供を抱ける、リン・トンはだんだん自分の子供だと確信するようになり、ピングォに特別のはからいをする。一方、嫉妬もあり妻のワン・メイはアン・クンと関係を持つようになる。そして…。

スタッフ

監督・脚本:リー・ユー(李玉) 
共同脚本:ワン・リー(王励)

キャスト

ピングォ:ファン・ビンビン(范冰冰)
リン・トン:レオン・カーファイ(梁家輝)
アン・クン:トン・ダーウェイ(佟大為)
ワン・メイ:エレイン・チン(金燕玲)
シャオ・メイ:ツアン・メイホイツ(曹美慧孜)

LINK

□この作品のインタビューを見る
□この作品に関する情報をもっと探す