原題:Tatsumi

2011年カンヌ国際映画祭「ある視点部門」オフィシャルセレクション出品作品 第84回 米アカデミー賞> シンガポール代表作品

2011年/シンガポール/カラー/94分/ 配給:京都シネマ/京都国際マンガミュージアム/株式会社ユーコム→スターサンズ

2014年11月15日(土)角川シネマ新宿ほか全国順次公開! 2013年8月24日(土)〜30日(金)京都シネマにてロードショー

(c)ZHAO WEI FILMS

公開初日 2013/08/24

解説


感動も、哀しみも、屈辱も、全て彼がマンガに持ってきた。“劇画”を生み出した、辰巳ヨシヒロの半生。
世界が認め、手塚治虫が嫉妬した「劇画」の世界。日本人が知らない劇画ゴッド・ファーザー辰巳ヨシヒロの歩んできた道のりとその時代背景が半自伝的作品「劇画漂流」を基にスクリーンで明かされる。

 すべてを失った日本が焼け跡の中から、生み出した「マンガ」。戦後の日本に活力を与えただけでなく、今や、世界中に広がり、カルチャーの一大潮流となった。ところが我々日本人は、この分野で世界から絶賛、注目されるクリエイターの名前を知らない。彼の名は、辰巳ヨシヒロ。

 元々は子供のものであった「マンガ」を、大人の読み物に昇華させ、“マンガの神様”手塚治虫を嫉妬させた「劇画」の名付け親である辰巳の功績は、アメリカ・フランスといったマンガ文化の先進国において極めて高い評価をうけ、マンガにおけるカンヌとも言われる「アングレーム国際漫画祭」で特別賞を受賞するなど、その地位を確立。まさに邦題サブタイトル“マンガに革命を起こした男”として日本でも再評価の機運が高まっている。

 本作は2009年手塚治虫文化賞大賞を受賞した「劇画漂流」を基に、大人が楽しめるエンターテイメントの可能性を追求し続け、葛藤と苦悩を繰り返した辰巳ヨシヒロの半生を、カンヌ国際映画祭の常連シンガポールの映像クリエイター、エリック・クーが監督し、辰巳の代表的な劇画作品を映像として動かすことに成功した今までみたことのない「マンガ映画」である。

ストーリー









 終戦直後の日本。漫画を描くことが大好きだった辰巳ヨシヒロ少年は、憧れの手塚治虫に会い談笑したその日から、漫画家になることを心に決める。彼の情熱は、すぐに出版社に認められ、貧しい家計を支える重要な手段となっていく。
 漫画家として順調なスタートを切った辰巳だったが、当時の漫画は子供向けの笑いの要素が中心の可愛らしいものが中心。辰巳は漫画のあり方に疑問を感じながら、さらなる可能性を見出していた。そして1957年、22歳の辰巳は、大人に向けた内容と表現としての漫画の手法を確立し「劇画」と名づける。写実的な描写と動きのあるコマ割りで映画のようなダイナミズムを表現した彼の作品は後の劇画ブームの火付け役となっただけでなく、現在の青年漫画に多大な影響を与えることとなった。
 彼の生み出す作品は、コミカルに描かれていた従来の漫画とは一線を画し、時事問題や、社会情勢を反映させながら不条理ともいえる展開が見る者に衝撃を与えた。日本の漫画界においてこれほどまでの変革を担ってきた重要な人物辰巳とその作品に、なぜ光があたらなかったのか。彼の半自伝的作品ともいえる「劇画漂流」を基に、その苦悩と才能が紐解かれる。

スタッフ

原作:辰巳ヨシヒロ
監督:エリック・クー
原作:辰巳ヨシヒロ「劇画漂流」(青林工藝舎)

配給:スターサンズ
協力:株式会社KADOKAWA

キャスト

(声の出演)
辰巳ヨシヒロ
別所哲也(一人六役)

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