原題:We Need to Talk About Kevin

カンヌ国際映画祭コンペティション部門正式出品 ロンドン映画祭グランプリ(Best Film)賞受賞

2011年9月2日(英国)

2011年イギリス作品/35ミリ/カラー/1.85/Dolby SRD/112分 配給:クロックワークス

2012年12月21日よりDVDリリース 2012年6月30日、 TOHOシネマズシャンテにて公開

( c) UK Film Council / BBC / Independent Film Productions 2010

公開初日 2012/06/30

配給会社名 0033

解説


母親に異常なまでの悪意と執着心を持つ息子と、彼に戸惑うその母が行きつく先とは——深淵な親子の関係を描いたエモーショナル・サスペンス自由奔放に生きてきた作家のエヴァはキャリアの途中で子供を授かった。ケヴィンと名付けられたその息子は、なぜか幼い頃から、母親であるエヴァにだけ反抗を繰り返し、心を開こうとしない。やがてケヴィンは、美しく、賢い、完璧な息子へと成長する。しかしその裏で、母への反抗心は少しも治まることはなかった。そして悪魔のような息子は、遂にエヴァの全てを破壊するような事件を起こす・・・「事件の日、本当は何が起こったのか」——すべてが明らかになった時、ケヴィンが本当に求めていたものが、切ない衝撃となって胸を刺すエモーショナル・サスペンス。
『モーヴァン』以来9年ぶりの新作となるリン・ラムジー監督の圧倒的な映像表現と
キャリア・ベストと世界中の映画賞で絶賛されたティルダ・スウィントンの渾身の演技。そして、新星エズラ・ミラーの残酷なまでの美しさ———目が離せない、緊張感溢れる傑作の誕生衝撃的な内容、400ページを超える長編で「映画化が困難」と言われてきた、英国女性作家文学賞の最高峰、オレンジ賞受賞のベストセラーを『モーヴァン』のリン・ラムジーが映画化。過去と現在を交錯させ、「事件の日」へ向うサスペンスフルな構成、監督特有のストイックで繊細な映像表現が、観る者を謎と恐怖へ引き込み、そしてえも言われぬ感動へと導く。作品を支えるのは、唯一無二の存在感を持ち、『フィクサー』でアカデミー賞助演女優賞を受賞するなど、その実力が高く評価されているティルダ・スウィントン。悪魔のような息子への戸惑いと自己否定の日々での葛藤をこの上なくリアルに演じ、ゴールデングローブ賞他、各映画賞でノミネート、受賞が相次いだ。そして残酷さと美しさを合わせ持つ息子ケヴィンを演じた、新星エズラ・ミラーの妖しい魅力と、レディオヘッドのジョニー・グリーンウッドによる音楽が加わり、途絶えることのない緊張感が溢れる傑作が誕生した。

ストーリー




エヴァは郊外の朽ち果てた一軒家に住んでいた。嫌がらせのため赤いペンキが玄関にぶちまけられ、道行く女性から突然罵倒され、頬を殴られたりする。それは息子ケヴィンが起こした事件のため。生きるために雑用係として旅行代理店で働き、少年刑務所にいる息子に面会に行く。睡眠薬とお酒が手放せない日々の中、エヴァは少しづつ過去の記憶と対峙していく。
 エヴァは世界中を飛び回り、その手記を書いている作家だった。これまで自由奔放に生きてきた。旅先まで追いかけてきた恋人フランクリンはエヴァと家庭を作り、落ち着くことを望んでいた。そうしてエヴァは妊娠する。しかし、他の妊婦のように、自分のお腹の中で成長していく我が子を愛おしいと思う以上に、なにか違和感があった。誕生した子どもはケヴィンと名付けられた。ケヴィンとの生活は苦難の連続だった。一日中泣き通しの赤ん坊の頃、話せる年齢になっても一言も言葉を発しない3歳の頃、そして一向におむつが取れず、反抗ばかりする6歳の頃。どの時代も、夫フランクリンが抱きあげれば泣きやみ、彼が帰宅すれば笑顔で出迎えた。夫は「男の子はこんなものさ」とエヴァの言い分を全く理解しない。そこでエヴァは二人目の子供を授かった。娘セリアは天真爛漫な少女に育ち、ケヴィンも美しい少年に成長する。セリアは、ケヴィンとの関係がどんどん悪化し、荒んでいくエヴァの心を癒してくれる、まるで天使のような存在だった。ある日セリアが可愛がっていたハムスターがいなくなり、台所のディスポーザーの中で死んでいた。エヴァはケヴィンの仕業ではないかと疑う。そしてセリアが、エヴァとフランクリンが留守中に、強力な溶剤を誤って顔にかぶり、片目を失った時、エヴァの疑いは確信に変わった。それを口にしたエヴァに対し夫は「一度カウンセリングに行った方がいい」と呆れ、ふたりの関係は冷えていき、ついに離婚話へと発展する。それを偶然聞いていたケヴィンは「僕のせいだろ」と言い残し部屋へと戻っていった。エヴァとフランクリンは話合い、もう少しこの生活を続けていくことにする。 セリアがはしゃぎ、夫が一緒に遊んでやっている朝。それはこの上ない幸せな風景に見えた。起きてきたケヴィンにエヴァが声をかける。「あと3日で16歳ね。お祝いする?」ケヴィンは「どうかな。忙しいかもしれない」と答える。仕事に慌ただしく出かけていくエヴァ。それが最後の家族の記憶となった。
 そして忌まわしい事件が起こった運命の日——記憶の旅も終わりに近づき、ついにエヴァは悪魔のような息子の真意に辿りつく。彼女は決意を胸に、ケヴィンがいる刑務所へと向かう。

スタッフ

監督:リン・ラムジー
脚本:リン・ラムジー&ローリー・スチュワート・キニア  
原作:ライオネル・シュライバー 
製作:リュック・ローグ、ジェニファー・フォックス、ロバート・サレルノ 
製作総指揮:スティーヴン・ソダーバーグ、クリスティーン・ランガン、ポーラ・アルフォン、クリストファー・フィッグ、ロバート・ホワイトハウス、マイケル・ロビンソン、アンドリュー・オル、ノーマン・メリー、リサ・ランバートリン・ラムジー、ティルダ・スウィントン
撮影:シーマス・マッガーヴェイ  
編集:ジョー・ビニ
作曲:ジョニー・グリーンウッド
プロダクション・デザイン:ジュディ・ベッカー
衣装デザイン:キャサリン・ジョージ
音響デザイン:ポール・デイヴィス
キャスティング:ビリー・ホプキンス

キャスト

ティルダ・スウィントン
ジョン・C・ライリー
エズラ・ミラー

LINK

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