原題:Sanctum

『タイタニック』『アバター』のジェームズ・キャメロン最新作

2011年2月4日全米公開

2011年/アメリカ/カラー/103分/ 配給:東宝東和

2012年01月13日よりDVDリリース 2011年9月16日(金) TOHOシネマズ 六本木ヒルズほか全国ロードショー

(c)2011 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED

公開初日 2011/09/16

配給会社名 0002

解説


『タイタニック』と『アバター』
アカデミー賞11部門に輝く『タイタニック』で映画史に残る興収記録を打ち立て、12年ぶりに監督した『アバター』で3Dを社会現象化させ、永久不滅と思われていた興収記録を自らの手で塗り替えたジェームズ・キャメロン。20世紀最大のヒットメーカーにして、21世紀最大のヒットメーカーの称号も手に入れた彼が、次なるチャレンジとして選んだもの——それは、『タイタニック』と『アバター』の経験と技術を結晶させ、誰も目にしたことのない驚異の3D映像に彩られたアドベンチャー大作の金字塔を作り上げることだった。
行ってはいけない聖域
 キャメロンが製作総指揮をつとめる『サンクタム』の舞台は、熱帯雨林の奥地に広がる洞窟。地球上で最も大きく、最も美しく、最も近づきがたいその場所は、人が足を踏み入れてはいけない聖域(サンクタム)の様相を呈していた。そんな洞窟の謎を解き明かそうと、ダイビングによる調査に挑む探検隊。だが、彼らが世紀の大発見を成し遂げる前に、巨大なサイクロンが襲来。すさまじい鉄砲水によって唯一の出口をふさがれてしまった探検隊は、洞窟が海につながっている可能性を信じ、暗く冷たい穴の中を奥へ奥へ進むことを余儀なくされる。それは、冒険と呼ぶにはあまりにも過酷なサバイバルの道のり。迫りくる激流と戦い、迷路のようなトンネルを這い、断崖絶壁を降下し、闇に包まれた水中に潜る。その間にも、ひとり、またひとりと脱落していく仲間たち。果たして、予測不可能な大自然との戦いに勝ち残るのは誰なのか? そして、前人未到の洞窟の先にはいったい何が待ち受けているのだろう?

唯一無二の臨場感
 スリルと驚きが連続するストーリーは、キャメロンの長年の仕事仲間であり、洞窟探検家でもあるアンドリュー・ワイトが、実際に洞窟に閉じ込められる試練を経験したことから生まれたもの。彼のアイディアを聞いて映画化を切望したキャメロンは、『アバター』のために開発したフュージョン3Dカメラシステムを厳しい環境下の撮影に耐えられるように改良。洞窟という未知の空間内で繰り広げられる決死の脱出劇を、まるで観客自身が体験しているようなハイパー・リアルな体感映像に仕立てあげた。開巻と同時に画面に引き込まれていく観客は、すさまじい激流に押し潰されるような感覚を味わい、洞窟の天井に圧迫されて身動きが取れなくなる恐怖を味わう。その迫力と臨場感は、唯一無二。キャメロンが「他に類を見ない」と断言する映像体験は、『アバター』以上の興奮と感動を呼び起こすだろう。

ヴィジョンの実現
 監督は、ニューギニアのジャングルを舞台にオーストラリア軍と日本軍の接近戦を描いた『男たちの戦場』で長編デビューを飾り、国際的に注目を集めたアリスター・グリアソン。「自分なりのヴィジョンを持ち、それを実現するにはどうしたらいいかを知っている監督」としてキャメロンから白羽の矢を立てられたグリアソンは、3Dの難しい技術面を瞬く間に習得。同時に、極限状況における人間同士の絆を描くドラマの演出にも新人離れしたストーリー・テラーの力量を発揮し、キャメロンの期待に見事応えている。
 探検隊のリーダーとなるベテラン・ダイバーのフランクを演じるのは、『ムーラン・ルージュ』などで知られるオーストラリア人俳優のリチャード・ロクスバーグ。フランクと対立する実業家のカールには、『ファンタスティック・フォー』シリーズのヨアン・グリフィズ。カールの恋人で経験豊富な登山家のヴィクトリアには、『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』のアリス・パーキンソン。さらに、オーストラリアのTVシリーズ「Home and Away」で人気を博した新星のリース・ウェイクフィールドが、フランクの息子のジョシュ役で出演。『タイタニック』のレオナルド・ディカプリオ、『アバター』のサム・ワーシントンに続くスターとして脚光を浴びる彼の、ナイーブとワイルドが入り混じったフレッシュな演技は、本作の大きな見どころのひとつだ。

ストーリー





 パプア・ニューギニアの密林地帯。そこには、人類最後の秘境と呼ぶにふさわしい神秘的な自然が広がっている。フランク・マクガイア(リチャード・ロクスバーグ)は、人生のほとんどの時間をケーブ・ダイビングに費やしてきたベテランの探検家だ。いま、彼が率いるチームは、このニューギニアの地にある世界最大の洞窟体系、エサ・アラの洞窟に潜り、全体像を解き明かす調査を行っていた。チームのスポンサーは、大富豪の実業家カール・ハーリー(ヨアン・グリフィズ)。彼の援助によって潤沢な資金を得たチームは、ハイテクの装備を駆使して調査を続けていたが、複雑に入り組んだトンネルがどこへ通じているかをいっこうに解明できず、メンバーは苛立ちをつのらせていた。とりわけ、フランクによって強引に探検に参加させられた17歳の息子のジョシュ(リース・ウェイクフィールド)は、重労働を命じられる毎日にうんざりし、父が探検をあきらめると言い出すのを心待ちにしていた。
 そんなある日、カールが登山家の恋人ヴィクトリア(アリス・パーキンソン)を伴って洞窟へやって来る。案内役を買って出たジョシュに導かれ、探検チームの前線基地まで降下する2人。その間に、ダイビングによる探索に出たフランクは、<悪魔のくびき>と呼ばれる地点から続く未知のトンネルを発見するが、その喜びもつかの間、バディを組んでいたジュード(アリソン・クラッチリー)にエア漏れの事故が発生。決死の覚悟で助けようとしたフランクの努力もむなしく、彼女は帰らぬ人になってしまう。チームの間に蔓延するフランクへの不信感。さらに地上との通信状態が悪化したこともあり、フランクは前線基地からの撤退を決断する。
 しかし撤退の準備をする間もなく、前線基地のメンバーは思いもよらない事態に見舞われる。突如巨大なサイクロンが上陸し、川が逆流。洞窟内にも鉄砲水が流れこんできたのだ。激流に押し流されまいと、必死の抵抗を試みるフランク。彼とジョシュ、カールとヴィクトリア、そしてフランクの盟友のクレイジー・ジョージ(ダン・ワイリー)は、からくも洪水の魔の手を逃れるが、あとにはさらなる過酷な運命が待っていた。地上へ通じる唯一の出口は塞がれ、外界と交信する手段もない。まさに八方ふさがりの孤立無援の状態に陥った5人。彼らに残された選択肢はただひとつ。それは、フランクがみつけた未知のトンネルが海へ通じている可能性を信じて洞窟の先へ進むことだ。果たして、その無謀ともいえる試みは成功するのだろうか? ありあわせの装備を身に付けた5人は、どんな危険が待ち受けているとも知れない前人未到の世界に向かって静かに潜行を開始する……。

スタッフ

監督:アリスター・グリアソン
製作:ベン・ブラウニング、ジェームズ・キャメロン、ライアン・カヴァノー、マイケル・マー、ピーター・ローリンソン
原案:アンドリュー・ワイト
脚本:アンドリュー・ワイト、ジョン・ガーヴィン
音楽:デヴィッド・ハーシュフェルダー
撮影監督:ジュールズ・オロフリン
編集:マーク・ワーナー
製作会社:レラティビティ・メディア

キャスト

リチャード・ロクスバーグ
リース・ウェイクフィールド
ヨアン・グリフィズ

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