原題:透析 Judge

2009年ヴェネチア国際映画祭正式出品作品
2010年SKIPシティ国際Dシネマ映画祭 監督賞・観客賞受賞
2010年マイアミ国際映画祭国際批評家連盟賞受賞
2010年 台湾金馬奨 最優秀脚本賞受賞 3部門ノミネート(最優秀作品賞、最優秀監督賞、最優秀男優賞)

2009年/中国/北京語/カラー/98分/
配給:アルシネテラン

2011年3月5日より、シアター・イメージフォーラム、銀座シネパトスほか全国順次ロードショー

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公開初日 2011/03/05

配給会社名 0013

解説



中国で実際に車2台の窃盗で死刑になった青年のニュースを基に描かれたという本作は、刑法改定の狭間で起きた事件に関わった人々の運命を、裁判官の葛藤を軸に粛々と描く。大切なものを失い、絶望の中でも光をみつけようとする人々の喪失から再生までの道のりが観る者の心を揺さぶる、感動のヒューマンドラマである。

監督は過去に発表した3作全てにおいて国際映画祭で受賞暦のある実力派のリウ・ジエ。
中国の検閲の枠を広げ、本国のみならず世界中の人々に真実を知って欲しいと衝撃的テーマに挑み、本作は中国での上映を皮切りに、ヴェネチア国際映画祭他、数ある映画祭に出品され表彰されている。また、プロデュースや撮影監督としても高い評価を受けており、代表作にはワン・シャオシュアイ監督の01年ベルリン国際映画祭で銀熊賞を受賞した『北京の自転車』がある。その他に編集をフランス映画界の巨匠エリック・ロメール作品を手掛けていたマリー・ステファンが担当し、音楽はジャ・ジャンクーの『四川のうた』、ホウ・シャオシェン『ミレニアム・マンボ』などのリン・チャンが担当し、感動的なラストを演出している。

ストーリー

1997年中国の北に位置する小さな町、河北省涿州(たくしゅう)市。
法に忠実に仕事をこなしてきたベテラン裁判官ティエンは、娘を盗難車によるひき逃げで亡くして以来、無気力に暮らしていた。犯人は見つからず、ティエンの判決に恨みを持った者の仕業ではないかと噂される中、彼は周囲の人間との関わりをもたぬようこれまで以上に淡々と日々の仕事に没頭していた。妻も娘の死から立ち直れず、悲しみを紛らわそうと飼いだした犬を心の拠りどころにふさぎこむ毎日。2人が唯一顔を合わせるのは食事の時のみだが、会話はほとんどない。
ある日、ティエンは車2台の窃盗の容疑で搬送されてきた青年チウ・ウーを担当することになった。時は刑法改正の直前、現行の法では車2台の窃盗は死刑に値するが、新法では死刑ではなくなる。ティエンを含む裁判委員会は議論を重ねた結果、チウ・ウーに死刑判決を言い渡す。そんな中、腎臓病を患った地元の有力者リー社長は、チウ・ウーが自分の腎臓と適合することが判明すると、金の力で家族から合意書にサインを得ようとしたり、裁判所へ死刑執行日を早めるよう圧力をかけたりと、腎臓移植が一日でも早くできるよう根回しを始める。移植手術を受けるために手段を選ばずどんなことでもしようとする社長の姿に、彼を愛し、どうしても命を救いたいと願っていた彼のフィアンセは次第に「本当にこれでいいのか」と疑問を感じるようになる…  一方、チウ・ウーは刑務所内で、食事も睡眠も取らず抵抗を続けるが、告訴をするお金が無いこと、腎臓を渡せば家族にお金が入ることを知り、静かに運命を受け入れようとするのだった…
そして、判決が覆ることもないまま、死刑執行の日がやってくる。処刑場に向かいながら、ティエンの中に確かな変化が起きていた—何の罪もなく死んでしまった娘、自分の為なら他人の命など何とも思わない社長、残された家族の為に臓器を売ることを選択する青年、そしてそばにいてくれる妻の存在—。さまざまな想いが交差する・・・。大切なものを失い初めて人の痛みがわかるようになった裁判官は、ある行動に出るのだった。

スタッフ

監督:リウ・ジエ『馬上の法廷/馬背上的法庭』(06・未)、『北京の自転車』撮影監督

キャスト

ニー・ダーホン『活きる』(94)『王妃の紋章』(08)「三国志」(10 TV)
メイ・ティン『追憶の上海』(98)
チー・ダオ
ソン・エイシェン
ジェン・ジェン

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