原題:Battle: Los Angeles

エイリアンの侵略に立ち向かう海兵隊員たちの活躍を描くSFアクション大作。

全米公開:3月11日

2011年アメリカ映画/スコープサイズ/全6巻/3,182m/SDDS、ドルビーデジタル、ドルビーSR/1時間56分/字幕翻訳:太田直子/PG12 配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント

2011年12月21日よりDVDリリース 2011年9月17日(土)丸の内ピカデリーほか全国ロードショー

公開初日 2011/09/17

配給会社名 0042

解説


 1942年2月25日午前2時15分、カリフォルニア・ロサンゼルス。発光しながら編隊を組む飛行物体25機を10万人が目撃、日本軍の空爆と信じたアメリカ軍が1430発の砲弾を撃ち込むものの1機も撃墜できず、砲弾破片の被害やパニックによる心臓麻痺で6名の民間人が死亡。
 だが、日本軍がそうした作戦を実施した記録は一切なく、それはアメリカ政府が調査に乗り出した最初の未確認飛行物体事件“ロサンゼルスの戦い”として記録されることになる。1947年のロズウェル事件以前“UFO” “宇宙人”といった概念さえ生まれていない時代に起きたこの事件の真相は、現在に至るまで闇のなかである。
 その“ロサンゼルスの戦い”から69年後の2011年、もしかしたら起きるかもしれないもうひとつの“ロサンゼルスの戦い”を描いたSFアクションが公開される。『世界侵略:ロサンゼルス決戦』だ。
 宇宙からの侵略者——1950年代からハリウッドが好んでスクリーンに登場させてきた絶対的とも言える人類の敵である。あるときは人間の姿を借り、またあるときはおぞましい姿のまま現れた彼らは、見たこともない無敵の殺戮兵器を手に人類を次々と蹂躙して行く。それらはまぎれもなく映画が創りあげた架空の存在であり事件であった。
 だが、『世界侵略:ロサンゼルス決戦』はそんなフィクションであるはずの存在と事件に、いまだかつてなかったリアリティを付け加えてみせた。その強靱なまでのリアルへのこだわりは、これがフィクションであることを忘れさせ、観客を侵略者との最終決戦、ロサンゼルス・バトルの真っ只中に引きずり込む。空から飛来した無数の謎の飛行物体によって、穏やかだったその日が阿鼻叫喚の地獄絵となり泣き叫ぶ民間人。瓦礫と化したロサンゼルス、粉塵に包まれたサンタモニカで銃を握る海兵隊員。埃のなかから徐々にそのおぞましい姿を明らかにする未知なる生命体。彼らが繰り広げる市街戦は銃撃戦から接近戦、そして肉弾戦へと熾烈を極めて行く。
 ハンディカメラを駆使して捉えられたそれらの映像は、ドキュメンタリーのような臨場感と緊張感にあふれ、息する暇さえ与えない。あたかも観客は、その恐怖を体験したかのような錯覚を憶え、そこから逃げ出したくなる衝動にかられてしまうはずだ。
 これまで数多の宇宙侵略SF映画で語られてきたサイエンティストたちの蘊蓄や知識、政府や軍上層部の対侵略者作戦はここにはほとんど登場しない。描かれるのは、人類が初めて遭遇する未知なるものと海兵隊一個小隊との命がけの攻防戦。そして、彼らが死力を尽くして助けようとするわずかな民間人のサバイバルドラマ。彼らはセイフティゾーンを目指して、ひたすら走り、ひたすら戦い、ひたすら血を流す。このまったくブレない視点がリアリティをより強固にし、本作を新しいSFアクション映画に変えているのだ。
 出演者もリアルを追及し、スター性ではなく実力で選ばれている。トラウマを抱え、引退を明日に控える百戦錬磨の海兵隊軍曹マイケル・ナンツを演じるのは『サンキュー・スモーキング』(2006)、『ダークナイト』(2008)のアーロン・エッカート。オールマイティな守備範囲を誇る彼でも、これほどのアクションは初めてだろう。ナンツ率いる小隊と行動を共にする空軍の女性2等曹長サントスには『ワイルド・スピード』(2001)、『アバター』(2009)、『マチェーテ』(2010)等で人気の高いミシェル・ロドリゲス。今や骨太なアクション映画には欠かせない存在となった彼女が、期待通りの男前な活躍を見せてくれる。彼らが助けようとする民間人の獣医ミシェルには『アイ、ロボット』(2004)、『ロード・オブ・ウォー』(2005)等のブリジット・モイナハン。また、日本びいきとしても知られ、宇多田ヒカルとのコラボレーションでも人気のアーティスト、Ne-Yoが海兵隊の一員として本格的な演技に挑戦しているのも話題だ。
 監督は『テキサス・チェーンソー ビギニング』(2006)の緊張感あふれる演出が注目された南アフリカ出身のジョナサン・リーベスマン。同じく南ア出身の『第9地区』(2009)の監督ニール・ブロムカンプを彷彿とさせるパワフルな演出力に熱い視線が集まっている新鋭だ。「SFと戦争映画。大好きなふたつの要素をもつこの脚本に出会ったときに味わった興奮を、そのまま観客に届けたつもりだ」という彼にとって、本作がブレイクスルーになることは間違いないだろう。

ストーリー




 現在——。未曾有の流星群が東京湾に降り注ぎ、その2時間後正体不明の何ものかが各国の海岸に出現。猛攻撃を開始した。
 2011年8月12日、アメリカ西海岸。サンフランシスコとサンディエゴの連絡が途絶え、西海岸で攻撃能力があるのはロサンゼルスのみとなった。
 その24時間前。サンタモニカはいつものように晴れ渡り、海にはサーフィンを楽しむ人々の姿があった。サンオノフレ・ペンドルトン海兵隊キャンプではベテランのマイケル・ナンツ2等軍曹(アーロン・エッカート)が退役願いを提出していた。建前は”賞味期限切れ”であったが、本音は多くの部下を失ったその前の苦い戦いの思い出に苛まされていたからだった。その苦しみもあと1日で終わる。
 だが、そこに動員命令が下った。正体不明の敵の攻撃が始まり前線に出動するのだ。ナンツが配属されたのは若きエリート少尉マルチネス(ラモン・ロドリゲス)が指揮をとる小隊だった。17歳の新兵レニハム、結婚式を控えたハリス伍長(Ne-Yo)、精神的なダメージを抱えるカーンズ上等兵、そしてナンツの指揮下で兄を失ったロケット伍長らがいた。
 サンタモニカ空港に作られた前線基地。ナンツたちの任務は防衛線を超え、ロス西警察署に身を潜める、逃げ遅れた民間人を誘導し避難させることだった。それにはタイムリミットがあった。いまから3時間以内に任務を遂行し、防衛線に辿り着くこと。さもなくば、避難の成否に関らず空爆を行い敵を一掃するという。敵は地上軍のみで、航空機をもたない。ならば空爆で制圧出来るというわけだ。
 基地を飛び出した一行を待っていたのは、瓦礫と化した街と、視界を遮るおびただしい粉塵。そして、どこからともなく発砲される敵の銃弾だった。かつてない戦い、かつてない敵に翻弄される兵士たちと、そんな彼らをひとつにまとめて行くナンツ。そこに空軍の唯一の生き残りサントス(ミシェル・ロドリゲス)が加わり、ひたすら警察署を目指して進んで行く。やっとの思いで到着した警察署には、幼い息子を守ろうとするジョー(マイケル・ペーニャ)、姪っ子二人を預かっている獣医のミシェル(ブリジット・モイナハン)ら5人が救援を待っていた。そこへ負傷兵のための救助ヘリがやって来る。ナンツたちは民間人を乗せようとするが、重量オーバーでかなわず、ヘリは飛び立つ。ところが、そのヘリは飛び立つと同時に上空からの攻撃を受け、目の前で撃破されてしまう。敵は戦闘型飛行物体を持ち、すでに空域をも支配していたのだ……。

スタッフ

監督:ジョナサン・リーベスマン
脚本:クリス・バートリニー
プロデューサー:ニール・H・モリッツ
プロデューサー:オリ・マーマー
製作総指揮:ジェフリー・チャーノフ、デヴィッド・グリーンブラット
撮影:ルーカス・エトリン
美術:ピーター・ウェンハム
編集:クリスチャン・ワグナー
視覚効果スーパーバイザー:エヴェレット・バレル

キャスト

マイケル・ナンツ2等軍曹:アーロン・エッカート
エレナ・サントス空軍2等曹長:ミシェル・ロドリゲス
ウィリアム・マルチネス少尉:ラモン・ロドリゲス
ミシェル:ブリジット・モイナハン
ケヴィン・ハリス伍長:Ne-Yo
ジョー・リンコン:マイケル・ペーニャ

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