デビュー以来32年ぶり主演・光石 研×世界が認める新鋭監督・石井裕也

2011/110分/Japan/Color/1:1.85/DTS STEREO 配給:ビターズ・エンド

2011年6月18日よりテアトル新宿にてロードショー

© 2010「あぜ道のダンディ」製作委員会

公開初日 2011/06/18

配給会社名 0071

解説


『川の底からこんにちは』で注目を浴びた新鋭、石井裕也監督最新作!

『川の底からこんにちは』が商業映画デビュー作にも関わらずスマッシュヒットを飛ばし、2010年度ブルーリボン賞監督賞を史上最年少の27歳で受賞という快挙を成し遂げた、映画業界大注目の大型新人監督・石井裕也の最新作『あぜ道のダンディ』。
2008年にアジア・フィルム・アワードで第1回「エドワード・ヤン記念」アジア新人監督賞を受賞したほか、ロッテルダム国際映画祭と香港国際映画祭ですでに特集上映が組まれるなど、国内にとどまらず世界的にも注目されている監督です。
『川の底からこんにちは』で妥協だらけのOLを主人公に崖っぷち人生からの劇的起死回生を描いた石井裕也が、今度は男たる男が生きにくくなった平成ニッポンにおける50歳の男のダンディズムを撮りあげました。ダンディを貫く男の姿はユーモラスで涙ぐましい。派手ではないけれども不器用でまっすぐな男の生き様が、石井監督ならではのあたたかな目線でスクリーンに刻まれます。

大切な相手にこそ、弱みを見せず、前に出ないで思いやる。
これが男の生きる道。

宮田淳一と友人・真田、13歳。自転車であぜ道を走り、時にイジメられ、「カッコいい男になりたい」と涙をこぼす……サエない毎日。そして、ふたりは50歳になった。宮田は妻を早くに亡くし、ふたりの子どもと暮らしている。子どもたちとの会話はいつもかみ合わない。中卒で静かに配送業をこなす宮田の毎日。楽しみは仕事帰りに真田と居酒屋でひっかけるビール。
ある日、宮田は自分を胃ガンなのだと思いこむ。こんなこと、真田にしか相談できない。子どもたちに弱音など吐くものか。だって俺は「カッコいい男」なのだから。
大切な相手にこそ、弱みを見せず、前に出ないで思いやる。そんな一所懸命な男の生き様はカッコ悪く見えるかもしれないけれど、実はまっすぐでカッコいい!のです。

光石 研、33年ぶりの主演作!
主題歌は“宮田家と真田”も参加した清 竜人「ホモ・サピエンスはうたを歌う」!

主人公・宮田淳一を演じるのは日本映画界に絶対に欠かすことのできない名バイプレイヤーであり、その映画出演本数が140本にものぼる光石 研。意外なことにデビュー作『博多っ子純情』以来33年ぶりの主演作です。妻に先立たれ、父ひとり子ふたりの生活の中、娘と息子とうまくコミュニケーションをとれない男の不器用さ、父親の愛情を体現します。
真田を演じるのはマルチな才能を見せ続ける田口トモロヲ。唯一の親友として、あたたかく、時にユーモラスに宮田を受け止めます。宮田の息子・俊也を演じるのは自身も監督であり、石井裕也監督作品には欠かせない若手俳優、森岡 龍。娘・桃子には『リアル鬼ごっこ2』のヒロインでデビューし、『わさお』でも印象を残した吉永 淳。さらに、岩松 了、西田尚美、藤原竜也といった豪華なメンツが集結、スクリーンを彩ります。
主題歌は21歳のシンガーソングライター清 竜人が本作のために書き下ろした「ホモ・サピエンスはうたを歌う」。楽曲製作時に「映画のストーリーと、その当時の自分の頭脳とが、なにかリンクした」というこの曲にはコーラスとクラップハンドとして光石 研、森岡 龍、吉永 淳、田口トモロヲも“宮田家と真田”として参加、エンドロールに温かな余韻を残します。

ストーリー



見栄を張ってなにが悪い!

北関東、地方都市。

宮田淳一と友人・真田、13歳。自転車であぜ道を走り、時にイジメられ、「カッコいい男になりたい」と涙をこぼす……イケテない中学時代。

そして、ふたりは50歳になった。

配送業の宮田淳一(光石 研)には、大学浪人中の俊也(森岡 龍)と高校3年生の桃子(吉永 淳)のふたりの子どもがいる。妻は39歳で他界し、父ひとり子ふたりの生活。子どもたちは父親とはほとんど口をきかない。何とかふたりとコミュニケーションを取ろうとするが、いつも会話はかみ合わない。

自分を競走馬に見立てながら、仕事に向かう宮田。職場では同僚(藤原竜也)に話しかけられても、めったに返事をしないほど無愛想だ。仕事を終えると毎日のように真田(田口トモロヲ)と居酒屋で酒を酌み交わす。飲みながら思い出される妻との思い出、子どもたちと笑いあった時間……年頃の子どもとの付き合い方は難しい。

ある日、宮田は胃に不調を覚える。亡き妻がそうであったように、自分も胃ガンなのだと思い悩む。こんなこと、真田にしか相談できない。子どもたちに弱音など吐くものか。だって俺は「カッコいい男」なのだから。

そんな中、俊也と桃子が大学に合格した。ふたりとも受かったのは東京の私立大学。4月には宮田と一緒に暮らす家を出て、ふたりは東京で新生活を始めることになった。

せめて子どもたちと思い出を残したい。桃子と一緒にプリクラを撮ろうと学校帰りの桃子を真田とともに待ち伏せるが、女子高の校門前でキョロキョロする中年男ふたり、見た目はほぼ変質者。桃子たちを尾行するものの、「一緒にプリクラを撮ろう!」なんて言い出せない。

今度は俊也とゲームで対戦しようと携帯ゲームを購入する。「一応、店員さんに確認しよう」と真田が言っても「それくらいのこと、俺はわかる!」と見栄をはり、適当に買ってしまったゲーム機は俊也の持っているものには対応していなかった。……なかなかうまくいかない。

見かねた真田は俊也を遊園地に誘い、ふたりきりで話をする。「君のお父さんはダンディだよ。見た目はかっこよくないけど、心は渋いんだ。君も男ならわかってやってほしい」。もっともそうに話すが子どもがいない真田はちょっとした「親子ごっこ」を楽しんでいるのだった。

真田に言われるまでもなく、子どもたちも父親の気持ちは分かっていた。それでも、うまくコミュニケーションをとれないのは子どもだって同じなのだ。ま、単に絡みづらいっていうのもあるのだが。

そんなまま、ふたりの子どもたちが東京へ旅立つ日が近づいてくる。
宮田は子どもたちと最期の思い出を作れるのだろうか……。

スタッフ

脚本・監督:石井裕也
撮影:橋本清明
照明:鈴木大地
録音:加藤大和
美術:沖原正純
衣裳:馬場恭子
ヘアメイク:宮本奈々
音楽:今村左悶、野村知秋
編集:相良直一郎
スクリプター:西岡容子
振付:前田 健
助監督:久保田博紀
制作担当:篠宮隆浩
ラインプロデューサー:本島章雄

主題歌:「ホモ・サピエンスはうたを歌う」清 竜人(EMIミュージック?ジャパン)
作詞・作曲・編曲:清 竜人

企画:ブレス

配給:ビターズ・エンド
製作プロダクション:スモーク、ダブ
製作:狩野善則、熊澤芳紀、為森 隆、定井勇二、百武弘二、久保田修
プロデューサー:宇田川寧、柴原祐一
アソシエイトプロデューサー:末吉太平、島田靖子、松本 整

『あぜ道のダンディ』製作委員会:
ブレス アミューズソフト テレビ大阪
ビターズ・エンド ショウゲート スモーク

キャスト

光石 研
森岡 龍
吉永 淳

山本ひかる
染谷将太

斎藤水生 
相馬大海
橋本尚哉
岸田慶士郎
岡 花音
菅間 勇
石井柾圭

綾野 剛
螢雪次朗
藤原竜也(友情出演)
岩松 了
西田尚美
田口トモロヲ

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