原題:Le Quattro Volte

<受賞> カンヌ国際映画祭監督週間出品 最優秀ヨーロッパ映画賞、パルムドッグ審査員賞 イーラ・ニュー・ホライゾン国際映画祭 観客賞 ミュンヘン映画祭 CineVision 賞 タオルミーナ映画祭 ナストロ・ダルジェント賞 特別賞2010 モントリオール映画祭 ダニエル・ラングロワ賞 ブラチスラバ映画祭 グランプリ タリン・ブラック・ナイト映画祭 Screen International Critic’s Choice レイキャビク国際映画祭 グランプリ(ゴールデン・パフィン賞)、国際批評家連盟賞 アヌシーイタリア映画祭 C.I.C.A.E グランプリ、ピエール・トデスキーニ賞 ベルゲン映画祭 Cinema Extraordinare 賞 2morrow 国際映画祭 グランプリ <出品・ノミネート> サラエボ映画祭 トロント国際映画祭 ニューヨーク映画祭 テルライド映画祭 カルロヴィヴァリ国際映画祭 ノルウェー国際映画祭 スタヴァンゲル映画祭 ラマ映画祭 ハイファ国際映画祭 釜山国際映画祭 テッサロニキ国際映画祭 サン・セバスチャン国際映画祭 ヴァルディヴィア国際映画祭 ライプチヒ国際ドキュメンタリー・アニメーション映画祭 ロンドン国際映画祭 ハンプトン国際映画祭 カルタゴ映画祭 エッソンヌヨーロッパ映画祭 ウィーン国際映画祭 トロムソ国際映画祭

2010年/イタリア、ドイツ、スイス/カラー/88分/ 配給:ザジフィルムズ

2011年4月30日(土)より、シアター・イメージフォーラム他全国順次公開

(c)Vivo film,Essential Filmproduktion,Invisibile Film,ventura film.

公開初日 2011/04/30

配給会社名 0089

解説



カンヌ映画祭を経由してイタリアの山の村から届いた愛らしくて壮大なドラマ。

第63 回カンヌ国際映画祭。街角に、山羊と老人を配した不思議なデザインのポスターが貼り出されました。「ドキュメンタリー?」、「いや、コメディでは?」。そのポスターに誘われて、作品の内容を知らずに“監督週間”の上映に参加した多くの観客たちは、犬や山羊の演技に笑い、どうやって撮ったのか?と、映画的興奮に満ちた長回しに感嘆の声を上げ、本作に魅了されることに。そして、その評判はカンヌを駆け抜け、回を追う毎に観客が上映会場に殺到する人気になりました。その後も、ミュンヘン、モントリオール、モスクワ等、世界の映画祭から招待を受け、数々の賞を受賞し快進撃を続けています。
監督は本作が長編第二作のイタリアの新しい才能、ミケランジェロ・フランマルティーノ。対象に向けられるカメラの、静謐で、力強いまなざしはロベール・ブレッソン監督やタルコフスキー監督のそれと並び称され、絶妙なタイミングで現出するユーモアはジャック・タチ監督作を思い起こさせる、と世界のシネフィルたちにも拍手をもって迎え入れられました。

人間、動物、植物、炭。
サークルを描き続ける、オーガニックな生命たち。

南イタリア・カラブリア地方。草原に、山羊の群れを追う年老いた牧夫の姿があった。ある晩、牧夫は病いに倒れ、静かに息を引き取った。翌朝誕生する仔山羊。初めての放牧で溝にはまり、群れからはぐれた仔山羊は、山中の大きな樅の木の下で眠りに就いた。
冬から春。その大木は切り倒され、村の祭り“ピタ”の象徴に。そして、祭りが終わると、伝統的な手法で、炭焼き職人の手によって、木炭に生まれ変わる…。人間、動物、木、炭。すべての生命が形を変えながら、地球に描く、おかしくも美しい大きなサークル。
本作には一切セリフがありません。風のざわめき、動物たちの鳴き声、放牧の山羊の鈴の音、昔と変わらぬ暮らしを営む人々が生み出す生活音だけによって、豊饒なドラマが繰り広げられて行きます。ドキュメンタリーさながらのリアルさは、俳優たちが、老いた牧夫を演じるジュゼッペ・フーダを筆頭にすべてカラブリアの村々に暮らす実在の人々だから。唯一プロの俳優は、驚異的な演技でカンヌ“パルムドッグ賞”を受賞した、牧夫の飼う犬のみなのです。

ストーリー

南イタリア、カラブリア州の山深い地方。老いた牧夫が山羊の世話をし、教会を訪れ、毎晩薬代わりに教会の床の埃を水に溶いて飲み、眠りに就く…。長い間、変わることなくそんな暮らしをしていた牧夫も、やがて死んでいく。
仔山羊が誕生する。仔山羊は最初の一歩を踏み出すが、群れに遅れ、森で溝にはまってしまう。上ることができず、助けを求めて鳴くが、牧羊犬にも誰にも、その声は届かない。群れは仔山羊を残して行く、その運命のままに。ようやく溝から抜け出た山羊は、あてもなくさまよい、夜になり、大きな樅の木のもとで眠りにつく。
春、数百年も続く例年のピタの祭りの為に、村人がその大きな樅の木を切り倒しにやってくる。枝を切り払い、がっしりした幹を村へと運び出す。村の広場にこの木を立てるのだ。祭りが終わると、樅の木は炭焼きに売られて行く。
小さく刻まれ、組み上げられた樅の木の小山。それ自体が炉の役割を担う、その小山は藁と粘土に覆われて、点火され、煙を吐き出す。世代から世代へと古くから伝えられる技術によって、生きている植物である木は、不活性の鉱物=人々の暮らしを支える木炭に生まれ変わる。こうして人間、動物、植物、炭、4 つの命をサークルを描き続ける。

スタッフ

監督・脚本:ミケランジェロ・フランマルティーノ
製作:マルタ・ドンゼリ、グレゴリオ・パオネッサ、スザンネ・マリアン、フィリップ・ボベール、ガブリエラ・マンフレ、エルダ・グイディネッティ、アンドレス・ファエフリ
撮影:アンドレア・ロカテッリ
美術:マシュー・ブロウサード
衣装:ガブリエラ・マイオロ
編集:ベニー・アトリア、マウリジオ・グリロ
音楽:パオロ・ベンヴェヌッティ、シモーネ・パオロ・オリヴェロ
音響効果:ダニエル・イリバレン

キャスト

牧夫:ジュゼッペ・フーダ
炭焼き職人:ブルーノ・ティンパノ
炭焼き職人:ナザレノ・ティンパノ

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