原題:Dream Home

2010年5月13日香港公開

2010年/香港/96分/カラー/HD 配給・宣伝:ユナイテッド エンタテインメント

2011年5月28日(土)シアターN渋谷ほか全国順次ロードショー

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公開初日 2011/05/28

配給会社名 0608

解説


 ひと筋縄ではいかないストーリー展開に、現代社会を風刺したブラックユーモア、そして独特な映像美と音楽の融合によって生み出される、唯一無二の世界観。01年のデビュー以来、香港映画界の異端児として注目を浴び、“香港のタランティーノ”、“次世代のウォン・カーウァイ”とも称されてきた、パン・ホーチョン監督。
日本でも、東京国際映画祭で特集上映「香港新人類−彭浩翔」が組まれるほか、新作のワールド・プレミアも行われ、そのチケットは即日完売。『イザベラ』『ユー・シュート、アイ・シュート』などで、熱狂的ファンを獲得してきたにも関わらず、なぜかこれまで正式に一般公開されることはなかった。そんな知る人ぞ知る存在だった鬼才が放つ最新作が、ついに“日本解禁”される!!
 「香港人の平均月給は約1万HKドル(約10万6千円“2011年2月現在”)。平均収入以下の市民は、全体の24%。600平方フィート(約55.74㎡)の高級住宅の金額は700万HKドル(約7,420万円)以上であり、市民の給与は高騰を続ける地価に追いつくことはない。そんな“狂気の都市”で生き残るためには——その狂気を上回るしかない!」
 
 香港の象徴のひとつ、美しいビクトリア・ハーバーが見える湾岸エリアにそびえ立つ、超高級高層マンション「ビクトリアNo.1」。ある晩、何者かが管理人室に忍び込み、居眠り中の警備員を絞殺。その後も、マンションの住民に対し、血の惨劇を繰り返す犯人の正体は、金融機関に勤めるチェン。ごくフツウのOLである彼女がなぜ、このような猟奇的な行動に出るに至ったのか? そこには香港人の給与と高騰し続ける地価という、あまりに不条理な社会状況が大きく関係していた…。

 冷酷無比な殺人鬼へと変貌を遂げていく、最凶のヒロイン・チェン。彼女を演じ、<スペイン・シッチェス・カタロニア国際ファンタスティック映画祭2010>では、最優秀女優賞を受賞したのはジョシー・ホー。現在、遺産相続問題が話題のマカオのカジノ王、スタンレー・ホーの愛娘という超セレブである彼女は、『エグザイル/絆』ではジョニー・トー監督に、『DEAD OR ALIVE FINAL』では三池崇史監督に、その演技力を見出された、モデルもこなす個性派女優。今後もミッキー・ローク主演作や、スティーブン・ソダーバーグ監督作(マット・デイモン共演)が待機する彼女だが、本作ではエンドロールでミュージシャンとしての顔を披露するほか、映画プロデュースに初挑戦。4月に発表される<香港電影金像奨(香港アカデミー賞)>でも主演女優賞候補となり、大きな注目を集めている。 また、国民的ミュージシャンである『エンター・ザ・フェニックス』のイーソン・チャンのほか、名優エリック・ツァンの子息にして、本作では共同脚本も手がけるデレク・ツァン、ローレンス・チョウ、ジュノ・マック、ファット・チャンといった、俳優の枠にとらわれないミュージシャンやラッパー、そしてウォン・カーウァイ作品のスタッフなど、香港カルチャー・シーンを引率する最先端のクリエイターが集結。ここに、パン監督との奇跡のコラボが実現した!

 そして、本作最大の見せ場となる、95分の上映時間のおよそ2/3を占める、阿鼻叫喚のヴァイオレンス・シーン。『新宿インシデント』のチン・ガーロウ指導のアクションとの融合から繰り出される、オリジナリティ溢れる殺害シーンは観る者に対し、容赦なく襲いかかる! そんなブラックな笑いとエロティックに満ちた残酷描写の数々は、編集権をめぐって、パン監督とジョシーが対立する事件にまで発展し、香港では公開が延期! その後、オープニング上映を飾った<イタリア・ウディネ・ファー・イースト映画祭>では、上映中に体調が悪くなる観客が続出し、その後の上映では汚物袋が配布される事態に! さらに、先の<スペイン・シッチェス・カタロニア国際ファンタスティック映画祭2010>では、最優秀女優賞とともに最優秀メイクアップ/FX賞も受賞! これまで20を超える国際映画祭に出品され、2月よりアメリカ公開。まさに全世界が注目するなか、日本では<ノーカット完全版>での上映とな

ストーリー


2007年10月30日 23:05
 ビクトリア・ハーバーが湾岸エリアにそびえ建つ、超高級マンション「ビクトリアNo.1」。ある晩、何者かが管理人室に忍び込み、居眠り中の警備員の首に結束バンドを巻きつけた。それを切り落とそうと喘ぎ、やがて意識を失う警備員。その犯人は、銀行に勤めるOL・チェン(ジョシー・ホー)であった。
 同僚とともに銀行の顧客リストをほかの会社に売りさばき、夜は中古ブランドショップでも働く彼女。心の拠り所は、恋人・シウトウ(イーソン・チャン)だけだが、彼は妻子持ちであり、2人の関係には未来はない。そんな彼女が持つ夢——それは「ビクトリアNo.1」の部屋を手に入れることだった。
1991年。チェンが両親と弟と住む、下町のアパート周辺では都市開発が行われ、地上げ屋がはびこり、彼女の幼馴染や見慣れた風景は失われつつあった。毎日のように海を眺める元船乗りの祖父と、「俺はダメ親だ。お前は勉強を頑張って、広い家を買え」と言う建設作業員の父。そんな2人の姿を見るうちにチェンは、聖母マリアに「海が見える家に住めますように」と祈り始めていた。
 
1999年。大学生になっていたチェンだったが、家計を支えるために退学し、就職することを決意する。だが、香港の地価の跳ね上がりは、とどまることを知らない。
2004年。最愛の母の死に続いて、アスベストが原因で、父が肺に病を患うことになる。手術の費用は12万ドル以上になるが、これまで貯めてきた住宅資金には手をつけたくない。もはや、湾岸エリアの家は彼女にとって夢であり、命のような存在になっていた……。
 そして、ついに見つけた「ビクトリアNo.1」の物件は、520万HKドルから650万HKドルへと跳ね上がっていく。月1万8000HKドルの返済で、30年ローン。そのため、チェンは末期症状で病床の父を殺害し、保険金を得る計画を立てるのだった。
2007年10月30日 23:18
 ふたたび、“夢の家”に訪れたチェン。彼女の手によって、血の惨劇が始まろうとしていた…。

スタッフ

原案、プロデュース、監督:パン・ホーチョン
脚本:パン・ホーチョン、デレク・ツァン、ジミー・ワン
プロデューサー:コンロイ・チャン、ジョシー・ホー、スービー・リャン
制作:Making Film

キャスト

ジョシー・ホー
イーソン・チャン
デレク・ツァン
ローレンス・チョウ
ジュノ・マック
ミシェル・イェ

LINK

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□IMDb
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http://www.youtube.com/watch?v=oSwIrXpvwIo
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